豪華プロデューサーによる“5通りの新曲”発表したJY、新プロジェクトの真相に迫る!

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鳴田麻未

JYの新作「星が降る前に」は、岩井俊二が作った歌詞をもとに、岩井俊二、亀田誠治、Seiho、MONJOE(DATS / yahyel)、山本加津彦という5人のプロデューサーがそれぞれ楽曲を制作した企画EP。KKBOXではJYにインタビューを敢行し、新作の誕生秘話を聞きました。また後半は、現在20歳のJD SakiがサイドレポーターとなってJYの代表作の聴き方についても迫ります。

「星が降る前に」制作裏話

――「星が降る前に」は、岩井俊二さん、亀田誠治さん、Seihoさん、MONJOEさん、山本加津彦さんがそれぞれプロデュースした5パターンの曲が収められた企画盤です。同じ題材で5人のクリエイターとコラボレーションするという、これまでにない取り組みを行ってみていかがでしたか?

JY:新しい体験でした。まず、岩井俊二さんが書いた歌詞があってこの企画は始まりました。最初に岩井さんプロデュースの曲をレコーディングして、その後この歌詞でまったく違う曲を作ってみようっていうことで話が進んでいったんですね。私は曲ごとに感じることも違いましたし、同じ歌詞でもこんなに変わるんだなあと思いました。

――全曲の共通項である岩井俊二さんの歌詞はどのように生まれたんでしょうか?

JY:岩井さんと作品をご一緒するのは今回が初めてだったんですけど、前に仕事でLAに行ったとき、岩井さんもたまたまいらっしゃって一緒にごはんを食べる機会があったんです。そのとき移動してる車の中で、私が空を見ながら「月がキレイだ」って1人でつぶやいて写真を撮ったりしてて。それがきっかけで岩井さんはこの歌詞を書き始めた、と伺いました。私が独り言にみたいにしゃべったことを覚えててくれて、生まれてきた歌詞で。だから自分でも思い出深いですし、岩井さんが「JYのことを考えて書いた」って言ってくださったこともうれしいです。内容に関しては、岩井さんが「みんな違う場所にいても空はつながってるよ」っておっしゃってたことが印象深いです。

出典元:JY official YouTube channel

――その曲は岩井さん監督のミュージックビデオも制作されました。映像面でも岩井俊二ワールドにJYさんが溶け込んだコラボ作になりましたね。

JY:そうですね。MVは、曲を2倍速で流してリップシンクシーンを撮ってあとで縮めるっていう方法で作ったんですけど、そういう経験も初めてでした。あとはカメラ目線がないMVも初めてだったんですね。なので本当にお芝居をしてるような感じで、出来上がりは、エンドロールもあってまるで短編映画を見てるみたいで。みんなに自慢したい仕上がりですし、さすが岩井さんだなと思います。



――その後、亀田さん、Seihoさん、MONJOEさん、山本さんプロデュースの曲が続々と上がってきたそうですが、初めて聴いたときの印象はどうでしたか?

JY:それぞれ皆さんの個性が強くて、同じ歌詞だけどこれだけ色が違う、こんなプロジェクトはほかに見たことないし本当に面白いなと思いました。私自身も聴いてて「この曲のここが好き」ってポイントがあったので、聴く方もそういうのを見つけながら5曲楽しんでほしいですね。


先行配信中:星が降る前に Prod by Seiho

――同じ歌詞だけに全バージョンのメロディを覚えるのは大変だったのでは?

JY:最初は少し「Seihoさんのはなんだっけ?」「MONJOEさんのはなんだっけ?」ってメロディを思い出すのに苦労しました(笑)。そういうことも初めてでしたね。

5人のJYが堪能できる5曲

ーー同一の歌詞を異なるメロディやアレンジに乗せて歌うということで、シンガーとしての表現力が求められる作品でもあると思いました。歌に関して意識したことはありますか?

JY:私の中では、1曲1曲別の女の子が歌ってるようなイメージで臨みました。例えば、岩井さんのをオリジナルとして一番自分に近い気持ちで歌ったのなら、亀田さんの曲はちょっと語尾が上がってるかわいらしいメロディだったのでかわいい女の子をイメージしたり、Seihoさんの曲はSeihoさん特有のサウンドが詰まってたのでそういう世界の女の子を思い描いたり。で、MONJOEさんのはおしゃれなミディアムテンポで、力を抜いて軽く聴けるように意識しました。山本さんバージョンはバラードだったので一生懸命気持ちを込めて歌って。本当にそれぞれ歌い方を変えました。

Saki:私、亀田誠治さんが大好きで。亀田さんの曲はかわいらしい曲が多いですけど、今回もかわいらしくて何回も何回も聴いてます。

JY:ありがとうございます。かわいいですよね。

Saki:Seihoさんの曲は歌い出しがほかの曲と全然違くて。

JY:そうですね。えーとなんだっけ……ほら、こういうことが起きるんですよ(笑)。

――今回、5通りのJYを楽しめるとも言えますが、役者としてドラマ「オーファン・ブラック~七つの遺伝子~」でも1人7役に挑戦したJYさん。歌い分けや演じ分けにあたって、歌とお芝居の表現力はどう磨いていますか?

JY:表現力を磨くために特にこれをやってますってことはなくて、その都度与えられることを私なりに一生懸命表現してます。映画やドラマで人の作品を見るのも大好きなので、そこから感じたことを自分らしく変換したりもしますね。

――そもそも1stフルアルバムのタイトルも「Many Faces -多面性-」ですから、いろいろな面を見せていくのがJYさんのアーティスト性になってるのかもしれませんね。

JY:そうですね。いろんなことをやりたいと思っている人なので。だからこうやって歌手もやりながら女優もやったり、日本で活動したりしてるんじゃないかな。それはもちろんスタッフの皆さんの力もあるんですけどね。何か1つだけやるっていうのは面白くないと思う。女優活動を始めてから、いろんな顔を見せてかないといけないなってより感じるようになって、それは歌手としても同じだと思ってます。ただ歌うんじゃなくて、歌を表現するっていう。

JYが語るJYの聴き方

――KKBOXで配信されているJYさんの楽曲で、再生回数ベスト3が「好きな人がいること」「女子モドキ」「最後のサヨナラ」なんですね。

JY:へえー。全部山本さん作曲の曲ですね!

――どれも女の子の恋心を歌った曲なので、同性のリスナーにどんなシチュエーションでどんな気持ちのときに聴くのがおすすめか教えていただければ。

JY:「好きこと」は、JYから恋する皆さんに送る応援ソングだと思ってます。歌詞の中に「もし5分前に戻れるなら何をしますか?」ってありますけど、本当は時間なんて巻き戻せない、でも何度もやり直せばいいよねっていう強いメッセージが入ってるんですよね。いつでも聴いてほしいですけど、どちらかというと夜より昼に、元気をつけたいときとか勇気をもらいたいとき、自信がないときに聴いてほしいです。

Saki:メイクをするときとか服を選んでるときに聴いたら、すごいテンション上がりそうですね。この歌詞みたいに、好きな人がいて、なかなか近付けないっていうとき、JYさんだったらどうされますか?

JY:私はあんまりそういうケースはないんですよね。好きな気持ちを隠せなくて、好きだったら「好き」って言っちゃうタイプ。でもこの歌詞は中学のときを思い出しながら書いたんです。今の私だったらすぐに好きって言うけど中学のときはまだ照れてたから。「目があったらもっと笑おうかな」とか「もう少し優しい顔で笑おうかな」とか。何かアピールするのが大事だと思って、相手に笑顔を印象付けることを心がけてました。

出典元:JY official YouTube channel

Saki:「女子モドキ」はどうですか?

JY:これも「好きこと」もドラマに合わせて書いたんですけど、“女子モドキ”なとき、もっとかわいくなりたいときがいいと思いますね。例えばダイエットする方にもいいかも。「明日こそ変わるのよ」ってフレーズもありますし。ダイエットって「明日から、明日から」ってよく言うじゃないですか(笑)。

Saki:確かに(笑)。私は応援ソングみたいだなって感じてました。自分を変えたいなと思ったとき、JYさんは紙に書いたり具体的な行動は何かされますか?

JY:そもそもあまり思わないんですよ、私。芸能界に入って10年経ちますけど、自分にも周りにもいろんなことが起きたんですね。でも後悔したってなんにも役に立たないし、過ぎたことには目を向けないようにしてて。違うこと考えて切り替えたり、目の前のことに集中したりすることが大事だと思ってます。

Saki:ありがとうございます。最後にデビュー曲の「最後のサヨナラ」についてお聞きしたいんですが。

JY:まだ20歳とか21歳で、こんな「運命」とか「幸せを握っていましょう」みたいな大きなスケールの歌詞をよく歌えたなあと思います。パッと見たら恋の歌に聞こえるかもしれないですけど、私がグループから1人旅立ってやっていくっていう当時のストーリーも込められてて。今でもこの曲を歌うとグッと感動したり涙目になったりして、またこれからもがんばろうって思います。

Saki:JYさんはバラードからアップテンポまで幅広い曲を歌われていますけど、今後歌ってみたいジャンルはありますか?

JY:決めてないです、そういうのは。「明るい曲だけ歌いたい」とかいう気持ちでもないですし、女優としても歌手としてもいろんな表現をしていきたい。チャンスはやってくると信じてますし、今回の「星が降る前に」も私がアメリカに行かなかったら出会えなかった曲ですし。機会があればなんでもやってみたいですね。



鳴田麻未

1990年東京都生まれ。ライター、編集者。音楽ニュースサイト「音楽ナタリー」編集記者として約7年半勤め、2017年よりフリーランスに転向。 Twitter:@m_ami_

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