オトナにはわからない2017年メンヘラ・ロックのリアル

オトナにはわからない2017年メンヘラ・ロックのリアル
ふくりゅう
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2017年のロックシーン語る上で“メンヘラ”というキーワードから逃れることはできない。いや、そもそもロックは応援歌や毒にも薬にもならないラブソングばかりを歌うジャンルではなくて、“心の痛みを解き放つ”側面が大きかったのでは? と、思ったのだ。 近頃、取材で会うアーティストからよく自分たちは“メンヘラ”だと主張されることが多い。その際の意味合いに“自分に向かって、または相手に向かって正直でありたい”、そんな想いが“メンヘラ”という言葉には込められているのでは? そう感じたのだ。 10代〜20代と30代の間で線が引かれる傾向も感じた。オトナ世代とコドモ世代において“メンヘラ”という言葉が持つ意味合い、重さが違うのかもしれない。そこで、過去の取材時やライブMCなどで“メンヘラ”という言葉を発っしていた、神様、僕は気づいてしまった、ミオヤマザキ、電波少女、みるきーうぇいをピックアップしてみた。 そもそもロックの世界には、“Don't trust over thirty”=30歳以上のやつの言うことなんか信じるな、というメッセージがある。“オトナにはわからない2017年メンヘラ・ロックのリアル”を、心を揺さぶる楽曲を聴きながら、検証していきたい。あなたの心にも“メンヘラ”はありますか?
〜塞ぎ込んだ命をどうか 誰か拾ってくれやしないか〜
10代が抱える言葉にあらわせられない感情=“メンヘラ”や“厨二病”という想いを音楽の力で解放しようとする4人組ロックバンド“神様、僕は気づいてしまった”。その印象的なバンド名は、神にもすがる想いを断ち切りたいと名付けられたという。仮面を被り、正体不明な存在でありながらも洋邦ハードなロックをテクニカルな音楽センスでポップに昇華する、まるで、漫画の世界から登場したかのような没入感高い音楽性でティーンを魅了している。
出典元:(YouTube:神様、僕は気づいてしまった)
〜‘さよなら’は引き止めてって ‘大丈夫’はだいじょばなくて〜
mioを中心とした4人組ロックバンド、ミオヤマザキには、バンドが生み出す世界観を崇拝する“ミオラー”と呼ばれる熱狂的な10代女子ファンがいる。ミオヤマザキは、自らのライブを“スレ”と表現している。ライブ空間における、アーティストとオーディエンスによる相互コミュニケーションを、ネット用語でいう“スレッド”形式に連なり拡散されていくイメージを持つ。オトナでは理解し難いだろうが、圧倒的信頼感でリスナーと心が結ばれている逸材だ。
出典元:(YouTube:ミオヤマザキ Official YouTube Channel)
〜頭の中で俺を呼ぶ声が 君とそっくりで苦しくなってからもう〜
MC担当ハシシと、パフォーマンス&ボタンを押す係担当nicecream による2人組ラップ・ユニット、電波少女。ネットラップなスタンスやポップすぎるメロディセンスを自虐的に語るとおり、MCバトル文化とは距離を置いた存在だ。『電波少女的ヒッチハイクの旅』と題し、全国をヒッチハイクで移動し47都道府県全県にてストリートライブを敢行するなど、あえてマイナスへ飛び込みながら飛躍を試み続ける姿には、2017年的な“メンヘラ”っぷりが伺える。
出典元:(YouTube:電波少女 Official YouTube Channel)
〜百年後、地獄で会いたい 真っ黒な花束抱えたまま 血の味のキスがしたいの〜
大阪発、大人になるのをやめてしまったバンド、みるきーうぇい。初期衝動から生まれるギリギリのところで張り詰めた言葉が輝き出すエモさ、あたたかく包み込んでくれる暗闇から覗き出す朝日のようなメロディーの美しさ、今にも泣き出しそうな歌声に込められた思いの強さ。印象的な映画タイトルが登場する、フラれた元彼に向かって“百年後、地獄で会いたい”と歌う「地獄で会いたい」における、死の匂いのする極上のラブソングに酔いしれたい。
出典元:(YouTube:みるきーうぇい official)
ふくりゅう
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