イントロを聴いただけで、せつなさが伝わってくる雨ソング

イントロを聴いただけで、せつなさが伝わってくる雨ソング
藤田 太郎
藤田 太郎

今年もそろそろ全国的な梅雨入りシーズンです。この時期になると雨にまつわる数々の名曲が聴きたくなりますね。今回は名曲の「イントロ」にフォーカスして紹介していきたいと思います。
雨音を想像させる、雨ソングをイントロの秒数もあわせて、何曲かピックアップしていきます。


レイニーブルー/徳永英明(イントロ秒数29秒)

出典元:YouTibe(UNIVERSAL MUSIC JAPAN)

徳永英明が1986年に発売したデビューシングルです。イントロは80年代中盤のヒット曲によく使われていた静寂な電子ピアノ音にのせて、ゆっくりと奏でられるメロディが本当にせつないです。歌詞の主人公は、昔の彼氏の想い出が忘れられずに電話をかけようとしたり、乗っていた車を捜してしまったりするのですが、そんな想い出も雨のように知らない間に「そっと」流れていってほしいと願っている女性。

この「そっと」雨のように流れていってほしい、という表現を本当に上手く表現しているイントロだと思います。2番サビの後に大サビといわれるさらに盛り上がるメロディが来るのですが、その大サビが終わり、最後の歌詞を歌い終わったところでイントロと同じメロディがまた流れます。それはまるで、サビですべての想い出を出し切った女性の感情が、雨と一緒に「そっと」流れていくかのよう。是非、すばらしい楽曲構成も含め聴いてみてください。


ばらの花/くるり(イントロ秒数29秒)

出典元:YouTube(くるり)

ロックバンド、くるりが2001年に発売した7枚目のシングル。発売されて18年経った今でもファンの間で人気が高いミディアムテンポのナンバーです。イントロはギターのピッキングからはじまり、7秒からこの曲の最大の良さであり、とても印象に残るピアノの一定の音階がはじまります。その後14秒からドラムが入ってくるというシンプルな構成。

歌詞に出てくる主人公は「雨なので君に会えない」と言っているのですが、
イントロで流れるピアノのカワイイ音階と、歌詞に出てくる「ジンジャーエール」という言葉から想像すると、その時、降っている雨はきっと「ざあざあ」の土砂降りの雨ではなく、長く降り続く「しとしと」の雨。雨はジメジメして嫌なイメージを持つ人が多い言葉ですが、この曲のイントロを聴くと、雨の情景が爽やかでポジティブに聴こえます。まるで魔法がかかったように。


縦書きの雨 feat.中納良恵/東京スカパラダイスオーケストラ(イントロ秒数21秒)

出典元:YouTube(TOKYO SKA PARADISE ORCHESTRA OFFICIAL)

スカパラの16枚目オリジナルアルバム『Walkin'』に収録された、EGO-WRAPPIN'の中納良恵をボーカルに迎えたミディアムバラード。イントロは、これぞスカパラの真骨頂!というホーン隊がテンポ遅めで響かせる中、ドラムが曲はじめから10秒間、大粒の雨を落とすように、大音量の太鼓とシンバルでシンプルなリズムを叩き続けています。それはまるで過去の記憶を忘れるために何かに没頭する人を見るような、ちょっとした怖さを感じるイントロです。

歌詞に出てくる主人公は、縦書きに強く、大量に流れていく雨のように、言いたいことをしっかり言葉として表現していくことが大切と歌っています。梅雨の時期にこの曲を聴いて、会社の上司や友人、恋人に言えなかったことを言葉にして伝えてみるのはいかがでしょうか。


好きになって、よかった/加藤いづみ(イントロ秒数7秒)

出典元:YouTube(ponycanyon)

女性シンガー・加藤いづみが1993年にリリースした7枚目シングル。ドラマ『悪魔のKISS』の挿入歌に起用されロングヒットを記録しました。イントロはアコースティックギターの音色のみ。だからこそ「せつなさ」を強く印象付けるイントロになっています。歌詞で「雨が降っている」と出てくるのですが、この雨は、外で降っている雨と、失恋し落ち込んでいる自分の気持ちの両方を表現しています。別れてしまった彼のことが忘れられない想いをとても上手に雨に例えている、切ないけれど名曲といえる一曲です。

この4曲以外にもイントロが特徴的な雨ソングをプレイリストでピックアップしています。イントロを意識して曲を聴いてみると、今年の雨の季節は新しい音楽の発見があるかもしれません。



オススメプレイリスト

藤田 太郎
藤田 太郎

最新の記事

    share to facebook share to facebook share to facebook share

    Ctrl + C でコピー