そろそろ平成時代の名曲を振り返ってみよう

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KKBOX編集室
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もうすぐ「平成」が幕を閉じます。この30年間に生まれた音楽は、皆さんの記憶の中にたくさん刻まれていることでしょう。歴代のシングルセールスランキングTOP100を見ると、平成20年代が5作品、平成10年代が19作品、そして平成元年代はなんと58作品がランキングしています。しかし音楽の楽しみ方が大きく変わっていったのも平成の時代です。

今回はセールスだけで語ることができない時代のエポックメイキングとして重要な役割を果した作品を改めて振り返ってみるとともに、平成時代の名曲100曲をプレイリストでお届けします。


「川の流れのように」は平成最初にリリースされたヒット曲!!

1989年1月8日に「平成」という年号が施行、その3日後の1月11日に美空ひばりの「川の流れのように」がリリースされます。 この頃、美空ひばりは病魔に襲われ、いつ倒れて吐血してもおかしくない状態でした。そんな中でもコンサートを続けていた美空ひばりですが、6月24日に死去。52歳の若さでした。いまでも歌い継がれる名曲にはそんな背景があったのです。

ちなみに作詞は秋元康。平成の音楽史に欠かすことのできない作詞家・音楽プロデューサーは、平成第1号の名曲も生んでいました。平成になったその日に作られた「平成の我 新海に流れつき 命の歌よ 穏やかに…」という短歌は、彼女の心情を表しているようです。

平成元年代:ミリオンセールス続出と個性派アーティストの登場

昭和61年から続いたバブル景気の終焉を迎えたのが平成3年。その一方で、この年にリリースされた小田和正の「ラブストーリーは突然に」とCHAGE&ASKAの「SAY YES」は、フジテレビの月9ドラマの主題歌となり世の中を席巻、2作品とも累計200万枚セールスとなり音楽マーケット活況期が始まります。そして平成7年には、28作品がミリオンセールスという絶頂期を迎えます。

出典元:YouTube(CHAGE&ASKA Official Channel)
※「SAY YES」は歴代6位のセールスの280万枚超えを記録 (平成3年)


出典元:YouTube(ponycanyon)
※藤井フミヤ初のソロ楽曲は歴代20位となるセールスを記録(平成5年)


出典元:YouTube(DREAMS COME TRUE)
※男女混合ユニットの先駆けとなったドリカムの「LOVE LOVE LOVE」(平成7年)


また個性的なアーティストの登場や、音楽フォーマットや歌唱スタイルが少しずつ多様化していった時代でもありました。

Wink「淋しい熱帯魚」

出典元:YouTube(Polystar Tube)

それまでの元気で明るいアイドル像とはまったく違うスタンスで登場したWink。無表情で歌う姿は大きなインパクトを残しました。またセンスの良い洋楽カバー曲が多いのも魅力で、Winkを通して洋楽に触れる人も多かったのではないでしょうか。オリジナル曲も秀逸で、デビュー2年目にリリースされた5thシングル「淋しい熱帯魚」(平成元年)は、第31回日本レコード大賞を受賞しています。

バブルガム・ブラザーズ「WON’T BE LONG」

出典元:YouTube(Sony Music)

当時初回プレスが5,000枚とあまり注目されていなかった「WON’T BE LONG」(平成2年)。それがじわじわと広がりロングセールスとなり、平成3年には「紅白歌合戦」にも出場。お茶の間でも話題となり、1年半かけてミリオンセールスを達成します。いまでもカラオケの定番曲で、世代を問わず大合唱となる作品です。

安室奈美恵「CAN YOU CELEBRATE?」

出典元:YouTube(Namie Amuro)

平成8年にリリースされたアルバム「SWEET 19 BLUES」がトリプルミリオンを達成、当時19歳だった安室奈美恵は同世代の女性から圧倒的な支持を獲得しました。「CAN YOU CELEBRATE?」(平成9年)は、女性ソロアーティストの作品として歴代1位のセールスを記録、この作品をプロデュースした小室哲哉にとっても提供楽曲の中で最大セールスとなっています。
いまなお結婚式の定番ソングとして愛され続ける名曲です。

 

平成10年代:歴史に残る名曲の誕生と音楽の多様化

平成10年代に入るとCDセールスの規模は少しずつ縮小、平成16年はミリオンセールス作品がゼロになってしまいます。一方で後世に残るビッグヒット曲も生まれています。サザンオールスターズの「TSUNAMI」(平成11年)は現役で活躍するアーティストの中では歴代NO.1に、SMAPの「世界にひとつだけの花」(平成15年)はジャニーズアーティストの中で最大級のヒット曲になっています。いまのように複数のCD形態ではなかった時代に、両作とも累計で300万を超えるセールスとなっています。

出典元:YouTube(福山雅治)
※福山雅治は男性ソロアーティストのシングル1位獲得作品数で歴代トップ


出典元:YouTube( モーニング娘。 ’19)
※現在のアイドルグループの原点となったモーニング娘。


また平成10年代に入ると音楽はさらに多様化。その後のアーティストに大きな影響を残しリスペクトされる作品が多く生まれています。

SPEED「My Graduation」

出典元:YouTube(SPEED Japan)

SPEEDは平成8年に「Body&Soul」でデビュー、メンバー全員が小中学生ということもあり注目を浴びますが、何より凄いのはそんなことを感じさせない大人顔負けのパワフルなボーカルとダンスパフォーマンスでした。「歌って踊れる」というスタイル&ジャンルを確立させたことはSPEEDの大きな功績と言えます。

宇多田ヒカル「Automatic」

出典元:YouTube「Automatic」

新しい音楽の予感に注目した全国のFM局がヘビーローテーション、多くのリスナーに刺さった「Automatic」(平成10年)。新人のファーストシングルにも関わらず、発売日のCDショップの店頭は宇多田ヒカル一色となり、レジには「Automatic」を手にする人たちで溢れていました。当時15歳という若さで、宇多田ヒカルはいっきにトップスターに登りつめます。

レミオロメン「3月9日」

出典元:YouTube(レミオロメン)

もともとメンバー同級生の結婚式のために作られた「3月9日」(平成16年)。発売当初はスマッシュヒットに終わったものの、翌年にドラマ『1リットルの涙』での合唱シーンで放送されると、主題歌となった「粉雪」とともに大きな注目を浴びることになります。J-POPソングが卒業式や合唱コンクールで歌われる大きなきっかけとなった作品とも言えます。またミュージックビデオには本格的デビュー前の堀北真希が出演。いまでは俳優がミュージックビデオに出演することは普通ですが、そのムーブメントの原点となった作品でもあります。


平成20年代以降:恋うた、AKBグループ、グローバルサイズの名曲誕生

平成20年代はAKB48グループと坂道グループがCDセールスの上位を席巻、平成24年にリリースされたAKB48の「さよならクロール」は、SMAPの「世界にひとつだけの花」以来の9年振りとなる200万枚セールスを記録。女性グループ歴代1位となります。一方で「着うた」から始まったデジタル音楽配信は急速に広がり、ヒット曲の概念大きく変わっていった時代です。

出典元:YouTube(AKB48)


出典元:YouTube(乃木坂46 OFFICIAL)

青山テルマ feat.SoulJa「そばにいるよ」

出典元:YouTube(UNIVERSAL MUSIC JAPAN)


青山テルマの「そばにいるよ」(平成20年)は、当時の音楽トレンドの中心になりつつあった「着うた」で先行配信がスタート。その後「着うたフル」などが配信され一年間で850万ダウンロードという驚異的な数字を達成、本格的なデジタル音楽時代の幕開けを飾った作品となりました。また女性の恋心を歌う「恋うた」ムーブメントの火付け役となった作品でもあります。

ONE OK ROCK「The Beginning」(平成24年)

出典元:YouTube(ONE OK ROCK)


平成20年代は日本国内だけでなく、海外から支持を集めるアーティストが登場します。ONE OK ROCKはアジア各国でアリーナ級のライブを成功させ、ヨーロッパやアメリカツアーも当たり前のようにおこなっています。YouTubeやSNSが音楽をグローバルサイズに押し上げる重要なツールとなり、今後ますます音楽は国境を越えて広がっていくことでしょう。

DAOKO×米津玄師「打上花火」

出典元:YouTube(daoko_jp)

「打上花火」(平成29年)はBillboard Japanが、2017年10月9日付けより公表を開始したストリーミングチャート&動画再生チャートで1位を獲得するなど、新しい指標でのヒット曲第1号となっています。またその後総合チャートも1位となり、これまでのYouTubeの動画再生数は2.4億回を突破。日本的な情緒感溢れるサウンドテイストであるにも関わらず、海外からも大きな支持を得ている点も重要な作品です。


平成最後のヒット曲は?

平成という時代もあと僅か。どうしてもノスタルジックな気持ちになりますが新しい名曲はどんどん生まれています。そのひとつが、ずっと真夜中でいいのに。の「秒針を噛む」。メジャーデビュー前から、若い世代で爆発的な共感を呼び、YouTubeの動画再生は公開半年で1,650万再生を超えています。平成の最初には予想もできなかった新しい音楽、そして音楽の広がり方。次の時代の名曲はどんなカタチになっていくのかが楽しみです。


オススメプレイリスト

 

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