KKHOTS 2020 〜5分で解説!! 2020年の話題の音楽総決算〜

J-Pop Highlights News
KKBOX編集室

2020年はコロナ禍の中で、アーティストたちはこれまでと違った音楽的アクションが求められた1年でした。音楽制作がリモートで行われたり、ライブ配信が日常ごとになったりするなど「音楽様式」がスピーディーに変わっていきました。そんな中で、今年も数多くの話題のアーティストが生まれました。しかもいままでのフォーマットを覆すようなサクセスストーリーも生まれています。ともすれば暗いムードになりがちな日々ですが、KKHOTS的な視点で2020年ならではの話題となったアーティストを振り返ります。


すべて1億超え!! 2020年、語らずにいられないアーティスト

まず最初にご紹介するのは、社会現象にもなったこのアーティストたち。動画公開されたミュージックビデオがすべて1億回再生を超えるなど驚くべき数字になっています。コロナ禍の中で、アーティストたちはこれまでと違った音楽的アクションで大きなムーブメントを起こしました。


NiziU

出典元:YouTube(JYP Entertainment)

老若男女を問わず多くの人たちを魅了し注目されたのが女性9人グリープのNiziU(ニジュー)。いまさら聞けない人のために超簡単に説明すると、世界で活躍できるガールズグループを新たに結成すべく、日本のソニーミュージックと、TWICEや2PMが所属する韓国のJYP Entertainmentが合同で開催したオーディションプロジェクト「Nizi Project」。1万人の応募者の中から選ばれた9人で結成されたのがNiziU。夢に向かって、ひたむきに努力し頑張る姿に、視聴者は感情移入し、自分ごとのように悲しんだり、喜んだり・・。その結果、プレデビューシングル「Make you happy」が10月にはストリーミングで1億回再生を突破、ミュージックビデオは2億回再生目前(2020年12月)という前代未聞な状況になっています。「NHK紅白歌合戦」にも出場が決まっており、NiziU人気はさらに爆発しそうです。


瑛人

出典元:YouTube(瑛人)

瑛人の「香水」は2019年4月に配信シングルとしてリリースされましたが、リリース直後の認知はほぼありませんでした。それが一部のTikTokユーザーの動画で使われ始めて、じわじわ認知が広がっていきました。そして中島颯太(FANTASTICS from EXILE TRIBE)やチョコレートプラネット、香取慎吾、宇野実彩子(AAA) 、藤森慎吾(オリエンタルラジオ)など数多くの著数名なアーティストやタレントたちがカバー動画を公開し、大きな反響を呼んでいくことになります。歌詞に出てくる「ドルチェ・アンド・ガッバーナ」という言葉も印象的で子供たちまでが歌う人気となり、発売から約1年の時間をかけて大ヒット。90年代には「部屋とYシャツと私(平松愛理)」や「ロード (The 虎舞竜)」など有線放送のリクエストからヒットした曲がたくさんありました。時代は変わり、いまTikTokなどのSNSツールからロングランヒットが生まれているのは素敵なことです。


YOASOBI

出典元:YouTube(Ayase / YOASOBI)

様々なメディアにも取り上げられキャッチーな存在になったのが、ボーカロイドプロデューサーのAyaseとシンガーソングライターのikura(幾田りら)による2人組の音楽ユニットYOASOBI(ヨアソビ)。シングルCDはリリースされていないにもかかわらず、TikTokやYouTubeをきっかけに若者たちの間に広がり「ビルボードジャパン 2020年イヤーエンド・チャート」で1位を獲得、音楽配信ストリーミングサービスの総再生数は、累計2億7000万という大きなバズを生みました。「小説を音楽にする」という企画性だけではなく、わずか5分前後の曲に胸に刺さるたくさんの言葉が織り重なり、物語となり、メロディとなり。ikuraの歌でさらに幅される超絶技法。いままであったようで、全くなかった世界観に、若い世代にがビビットに反応していきました。そしてCD未発売ながら「NHK紅白歌合戦」出場が決定!これも新しい音楽エンタテインメントの予感です。


LiSA

出典元:YouTube(LiSA Official YouTube)

今年はLiSAに始まり、LiSAで終わる。2020年の音楽シーンはそんな年ではなかったでしょうか。昨年の「NHK紅白歌合戦」に出場、「鬼滅の刃」の映像をバックに和的な衣装で歌う「紅蓮花」は大きなインパクトでした。すでにこの頃から「鬼滅の刃」は大人気で海外にも波及、「紅蓮花」は台湾、香港、マレーシアのKKBOX「アジアで聴かれたJ-POPソング」1位を獲得しています。そして劇場版「鬼滅の刃 無限列車編」」が空前の大ヒット、主題歌である「炎」のミュージックビデオは公開2ヶ月で1億回再生を突破しました。プライベートでは1月に声優の鈴木達央と結婚を発表、公私ともに充実の2020年だったのではないでしょうか。


ステイホームだからこそ生まれた素敵な音楽プロジェクト

3月中旬頃から新型コロナウィルスが感染拡大し「ステイホーム」が呼び掛けられるようになり、私たちは外出自粛を余儀なくされることになります。そのなかで「ステイホーム」を少しでも楽しく過ごせるよう、アーティスト自ら様々な形で音楽コンテンツ発信が行われるようになりました。


出典元:YouTube(星野源)

星野源は「家でじっとしていたらこんな曲ができました」というコメントを付けて「うちで踊ろう」という、約1分間の弾き語り動画を Instagram で公開しました。特筆すべきはこの動画を、いろんな人が歌やダンスなどを重ねたコラボレーション動画で使えるようにオープンフリーにしたことです。それにすぐ反応したのが三浦大知で、自身のInstagramアカウントでコーラスとダンスを重ねた動画をアップ。その後もたくさんの著名人がコラボ動画を公開、子供から大人まで多くの人が「うちで踊ろう」のコラボ動画づくりに夢中になりました。「NHK紅白歌合戦」では「うちで踊ろう(大晦日)」という特別バージョンが披露されるので注目です。


出典元:YouTube([ re: ] project)

またONE OK ROCKのTAKAと清水翔太が「こんな時代だからこそ、同じ世代のアーティストが集まることで何かできないか?」と立ち上げたのが、[ re: ]プロジェクト。阿部真央、絢香、Aimer、KENTA (WANIMA) 、Nissy(西島隆弘) 、三浦大知といった同じ志を持ったアーティスト6人も加わり「もう一度」という楽曲を発表しました。これだけの人気アーティストがレコード会社の壁を超え、短期間で公開することができたのは稀な出来事です。


出典元:YouTube(サザンオールスターズ)

今年は様々なアーティストが配信ライブを開催、まさに「配信ライブ元年」と言える一年となりました。その中でもサザンオールスターズがデビュー記念日の6月25日、横浜アリーナから配信した「Keep Smilin’ ~皆さん、ありがとうございます!!~」は今年最大級の配信ライブとなりました。視聴者数はなんと約50万人、無観客であるにも関わらず多くの人が熱気を帯びたステージに酔いしれました。そして嬉しいことに大晦日には「サザンオールスターズ ほぼほぼ年越しライブ 2020『Keep Smilin’〜皆さん、お疲れ様でした!! 嵐を呼ぶマンピー!!〜』supported by SOMPOグループ」の開催が決定。ライブ最後には疫病退散と無病息災を祈念し、今なおコロナウイルスと闘い続ける方々への感謝と「来年こそは笑顔で逢えますように!!」という願いを込めて、「みんなで上げよう!! 全国Keep Smilin’花火」と称した花火が打ち上がるとのことです!

KKHOTSを飾った新世代アーティスト

ヨルシカ

出典元:YouTube(ヨルシカ / n-buna Official)

コンポーザーのn-bunaが2017年にsuisをヴォーカルに迎え結成したヨルシカ。n-bunaのジャンルオーバーで作られる音像の深さ、suisのロックからバラード、浮遊感ある曲まで多彩に表現できる歌声。その二つが重なり合いアート性の高い楽曲からノスタルジックで切ない楽曲まで、聴く人の琴線に触れる作品が多いのが特徴です。そんなこともあってか「風を食む」はTBS系のニュース番組「news23」のエンディングテーマに起用され、これまでと違った世代へ確実に浸透し始めています。


ずっと真夜中でいいのに。


出典元:YouTube(ずっと真夜中でいいのに。)

2018年に「秒針を噛む」のミュージックビデオを投稿し活動をスタートさせた、ずっと真夜中でいいのに。全くの新人であったにも関わらず動画は驚異的な伸びを見せ、およそ1週間で20万再生を記録。現時点で7,700万再生に迫る人気曲となっています。デジタルやSNSのみで音楽がメガヒットしていくことを実証してくれました。新曲「正しくなれない」は、現在公開中の映画「約束のネバーランド」の主題歌に起用されています。


yama

出典元:YouTube(yama)

今年の春、突如各ストリーミングサイトでチャートインしてきた「春を告げる」。YouTubeで公開されたミュージックビデオは一枚絵をベースとしたリリックビデオという、実にシンプルなものでした。それが今では5,000万再生を超えるほど支持されたこの曲の魅力はリアルすぎる歌詞への共感度が高かったからかもしれません。「春を告げる」は、ステイホームの中で支持された「香水」や「うちで踊ろう」「Make you happy」のようなポジティブな曲では決してありません。“深夜東京の六畳半夢を見てた ここには誰もいない”という孤独を感じる作品ですが、このリアリティさにも多くの人が共鳴したのだと思います。


オレンジスパイニクラブ

出典元:YouTube(オレンジスパイニクラブ)

ライブが魅力のバンドにとって2020年は思うように活動ができない大変な一年でした。その中でオレンジスパイニクラブは今年大きくブレイクしたバンドです。1月にリリースしたアルバム『イラつくときはいつだって』に収録されていた「キンモクセイ」が、TikTok動画でじわじわと人気を集め大ブレイク。ミュージックビデオの再生数も現在2,000万再生目前で、様々な音楽メディアに取り上げられるようになっています。バンドとしての新しいサクセスストーリーを見せてくれたのがオレンジスパイ二クラブなのです。オレンジスパイニクラブの魅力は青春時代のリアルな思いや季節の移ろいなどの甘酸っぱすぎる楽曲です。エバーグリーンな音楽に触れたいと思ったら是非、ほかの曲もチェックしてみてください!


Novelbright

出典元:YouTube(Novelbright)

今年になって各音楽ストリーミングランキングで目にするようになったNovelbright。2021年7月には大阪城ホールでのワンマンライブが決定するなど、いま一番勢いに乗っているバンドかもしれません。そんな彼らも1年ほど前までは路上でのライブ活動を行っていました。彼らが大きくブレイクしたきっかけのひとつが巧みなSNS活用プロモーションでした。もともと全国の路上ライブで少しずつ話題になっていた彼らですが、メンバーが“メンバーではないふりをして”SNS投稿したというまさかの行動が大きな反響となり、その後TikTokやTwitterでの認知を加速させていきます。



もちろん地道に路上ライブを重ね、たくさんの人たちとリアルなコミニュケーションがあったからこそ結果に結びついたのだ思います。わずか2年で「路上」から「アリーナ」へ飛躍する Novelbrightに注目していきましょう!


もさを。

出典元:YouTube(もさを。)

突如音楽ストリーミングで大人気となった もさを。そこにどんなサクセスストーリーがあったのでしょうか。もさを。がInstagramに初登場したのは2018年1月26日で、オリジナルソング「ワスレモノ」を公開しています。1分48秒の動画は、いまの人気に通じる、もさを。の美しい声と切なくてエモい言葉が溢れたものになっています。



またこの頃はAYA a.k.a. PANDA やt-Ace、ちゃんみななどのラッパー系楽曲を弾き語りカバーするということに挑戦、カバーしたアーティストたちからSNS上でコメントが寄せられ、もさを。自身、とても喜んでいる様子が伺えます。2018年5月にはYouTubeのチャンネル登録者数が1,000人を突破し、少しずつ認知が広がっていきます。2019年4月に公開したAimerの「コイワズライ」のカバー動画が300以上のRT、2,200以上のいいねを獲得、これまでと違う拡散を生みました。そして8月には四谷天窓で初のライブイベントに参加しています。そして、2020年2月にその後、大きなバズを生んだ「ぎゅっと。」を公開します。


この投稿をInstagramで見る

もさを。(@m0saw0)がシェアした投稿


ステイホームの日々が始まったのもこの頃で、自宅でいろんな動画配信コンテンツの視聴数が飛躍的に伸びていきます。そんな状況で、もさを。が取り組んだのが、女性が歌いやすいキーでの「ぎゅっと。ガイド映像」でした。これが功を奏して、インディーズ系シンガーソングライターや歌い手の心を掴み、カバー動画やTikTok動画が続々公開される連鎖が広がっていったのです。2020年5月4日は「ぎゅっと。」のフル弾き語りバージョンが公開、わずか2週間で100万回再生を突破、7月27日に初のストリーミング配信がスタート、LINE MUSICではいきなり再生ランキング1位を獲得しました。その後、KKBOXを含む各ストリーミングサイトでも上位ランクインしていきます。


Rin音

出典元:YouTube(戸田建設)

MCバトルで優勝するなどの実力派ながら、Rin音の楽曲は温かみのあるリリックとメロディーで、日常を繊細に描いた作風が魅力です。まさに2020年を生きる若者たちの空気感が凝縮されているのではないでしょうか。「earth meal」は各ストリーミングサービスの再生ランキングで上位にランクイン、6月には「ミュージックステーション」に初出演を果たし、その人気はさらに広がっていきました。最近、Rin音と5人のダンサーを起用した戸田建設の「Build the Culture.」CMが公開されました。建設会社と最先端の若いアーティストによる、いままであったようでなかったコラボレーション。施工中のビルの建設現場で素晴らしいパフォーマンスを見ることができます。


藤井風

出典元:YouTube(Kaze Fujii)

藤井風は2019年春に上京し、初の音源「何なんw」を配信リリースしたのが1年前の11月。そのわずか半年後にリリースされたファーストアルバム『HELP EVER HURT NEVER』が、Billboard JAPAN総合アルバム・チャート“HOT ALBUMS”で総合首位を獲得、また優れたミュージックビデオを表彰する音楽アワード「MTV VMAJ 2020」にて、「何なんw」のミュージックビデオが「Best R&B Video(最優秀R&Bビデオ賞)」を受賞するなど、すごいスピード感でブレイクしました。そして2020年10月30日には日本武道館ワンマンライブを開催、「何なんw」をリリースしてわずか1年の快挙です。藤井風の魅力を川谷絵音は「宇多田ヒカル以来の和製R&B」と評しています。そして若いリスナーはもちろん、大人世代も魅了しているのが藤井風なのです。あとめちやくちゃイケメンです!


Vaundy

出典元:YouTube(Vaundy)

Vaundyは作詞・作曲・編曲のみならず、クリエイターと協働してアートワーク制作したり、映像プロデュースも手掛けるマルチなアーティストでありながら、現役美大生。藤井風と同様、昨年11月にリリースした「東京フラッシュ」が各方面で反響を得て、2020年5月には、新世代の世界的ポップ・スターLAUV(ラウヴ)からオファーを受けグローバルリミックスアルバムに参加し「Modern Loneliness (Vaundy Remix)」を発表するなどグローバルステージでの活動も始まりました。お洒落サウンドのイメージを持つVaundyですが、ファーストアルバム『strobo』には多彩なアプローチの楽曲が収録、「僕は今日も」では自身の半生をなぞりながら、歌い続ける意味を問う深いメッセージソングとなっています。


Tani Yuuki

出典元:YouTube(Tani Yuuki)

Tani Yuukiはオリジナルソングやカバーソングを TikTok、YouTubeなどで公開しながら、16万人のチャンネル登録者数を誇るアカペラプロジェクト「WHITEBOX」のメンバーとして活動して、以前から人気のシンガーソングライターでした。大きな転機となったのは、2020年3月に公開されたオリジナルソング「Myra」です。“愛してるよ Myra”という歌詞が印象的で優しいメロディと歌声が胸に響くこの曲は、まずショートバージョンが3月に公開されると、1ヶ月で20万回再生されるなどバズる予感を見せ始めていました。そして5月16日に「Myra」のフルバージョンが公開されることにより加速的に認知が拡大していきます。3日で10万、1週間で20万、2週間で50万、そして3週間後には100万再生を突破しました。そして、ハジ→が“瑛人さんの「香水」 の次に来るのはこの曲!”とコメントしながら「Myra」のカバー動画を公開して、注目度が決定的になったのでした。


優里

出典元:YouTube(JMSTV1)

恋人との別れを“かくれんぼ”に例えて歌う優里の「かくれんぼ」が大ブレイク。涙腺を緩ませこの切ない曲にハマっている人も多いのではないでしょうか。そして優里は路上ライヴを数多くおこなっていましたが、大きな転機となったのが2019年10月9日の渋谷路上ライヴ。MY FIRST STORYの「『花』 -0714-」を演奏中に、なんとMY FIRST STORYのボーカルHiroが飛び入り参加し2番を歌ったというサプライズでした。



サプライズはそれだけで終わらず、11月にさいたまスーパーアリーナで行われたMY FIRST STORY「MY FIRST STORY TOUR 2019」最終公演のアンコールに、優里が飛び入り参加。Hiroがレコーディング監修を行った、優里作詞作曲の「かくれんぼ」と「『花』 -0714-」を共に披露したこのことで、ソーシャル上での話題は決定的になります。



路上ライヴはその後も各地で続けられますが観客は数百人単位に膨れ上がります。新宿バスタ前でそんな光景を目撃した人もいるのではないでしょうか。この路上ライヴはコロナ感染拡大になる直前まで行われました。優里は路上ライヴで本当に多くの人たちの信頼感を得ているからこそ、これからも息の長い活動をしていくのだと思います。最新曲「ドライフラワー」も刺さります!

「新しい生活様式」を求められた2020年。これまでのヒット法則に囚われずに、コロナ禍の状況をプラスに転化しブレイクチャンスを掴んだアーティストたち。今後の音楽エンタテインメントを担うこれらかの活動が本当に楽しみです。



オススメプレイリスト


KKBOX編集室

KKBOX Japan編集室