昨年11月にシングル『生きていたんだよな』でメジャーデビューしたシンガーソングライター、あいみょん。投身自殺のニュースをもとにした『生きていたんだよな』は「生と死」と向き合った作品として、強烈なインパクトで聴く者を鷲掴みにしました。今回KKBOXではインディーズ時代から独特な世界観を持つ作品を発表してきたあいみょんを改めておさらいするとともに、5月3日リリースのニューシングル『愛を伝えたいだとか』(KKBOXでは4月14日より先行配信中)で、これまでのイメージを大きく覆される新たな試みをおこなうあいみょんさんにお話をお聞きしてきました。
あいみょんさんの作品でひとつの大きな要素になっているテーマが「生と死」というものですよね。どのように<生と死>を捉えているのか興味があります。 死ぬこと考えるのホンマに怖いんです。そして誰にも死んで欲しくないという気持も人一倍強いほうだと思うんです。だから「死」については、ほとんど毎日のように考えちゃってますね。
出典元:(YouTube:Warner Music Japan) 『生きていたんだよな』は自殺がテーマの作品でしたが、客観的な視点と死者に対するリアルな言葉にカウンターパンチをもらった気がします。テレビ番組で報道されるニュースに、自分も傍観者になっていないのかという投げかけをされたというか。 『生きていたんだよな』は生きて欲しいということが大前提の曲なんですけど、自ら命を絶つことを否定もしてないし、肯定もしていないんです。「いまある命を精一杯生きなさい」って良く言うじゃないですか。その言葉ってどこか綺麗ごとやと思う自分の純粋な気持から作った曲なんです。でも、そうじゃないと思っている人もたくさんいると思うんですね。リリースしてから自殺について深く考えてみる時期がありました。私自身もこれから考え方が変わっていくのかもしれないし、「精一杯生きなきゃあかん」と思う時がくるかもしれないです。
そしてニューシングル『愛を伝えたいだとか』では、これまでのあいみょん像が覆されました。サウンドもフューチャーソウル的でもあり、心地よいリズムに踊れます(笑)。 『生きていたんだよな』を作っている頃から、次は違うあいみょんにしたいと思っていました。こういう曲が憧れでもあったんです(笑)。私は「生と死」のことも考えているけど、それだけじゃないんだよという部分を伝えたかったし、感じてもらえたら嬉しいですね。私自身がいろんなジャンルの曲を聴いてきているので、たくさんのことを取り入れたいろんなタイプのあいみょんをこれからも表現していけたらと思っています。
テレビドラマ「吉祥寺だけが住みたいまちですか?」が台湾で放送された影響で、オープニングテーマ曲だった『生きていたんだよな』がKKBOX台湾のJ-POP再生ランキングで1位を獲得しました。ご自身の曲が台湾のリスナーに支持されていることに対して率直にどう思いますか? わぁ、聴いてくれてるんやって感じです(笑)。自分の曲が海外で聴かるなんて少しも思ってなかったんで、めちゃ不思議です。そしてありがたいです。「どんな感じで聴いてくれているんやろ」とか、「私のことをどう思ってくれているんやろ」とか気になりますね。私も台湾の音楽のことをもっと知りたいです。
出典元:(YouTube:Warner Music Japan) あいみょんさん自身の新しい発見ですね。 課題を与えられて曲を作るのって向いているのかも知れないです(笑)。 最後にあいみょんさんが聴いていたミュージックヒストリーを聞かせてください。 父親の部屋のあったマイケル・ジャクソンやビートルズ、スピッツ、浜田省吾とかを盗んでこっそり聴いていました。だから私の音楽のほとんどは父親からの影響で出来上がってるんだと思います。私の音楽は父親の部屋出身ですね(笑)。 KKBOXでもデビュー前からもとても気になっていたあいみょんに念願のインタビュー。その素顔は、とても元気で気さくな22歳の女の子でした。今後、どんな音楽が生まれてくるのか楽しみです。(テキスト/写真 KKBOX 山本雅美)