鈴木慶一が選曲した100年後に残したい音楽〜897Selectors#114〜

  • 邦楽
  • 洋楽
KKBOX編集室

アーティストたちが影響を受けてきた音楽や、100年後も誰かの心に残っていて欲しい曲をテーマにしたFMプログラム「KKBOX presents 897 selectors」(隔週木曜日20時からInter FMでOA中/DJ:野村雅夫)。2019年最初のミュージックセレクターは新春スペシャル!70年代初頭から「はっぴいえんど」と並ぶ、日本語ロックの先駆者「はちみつぱい」で活躍し、その後「ムーンライダーズ」を結成した鈴木慶一さんです。その後、より活動の幅を広げ、ゲームミュージックや映画音楽も手掛けるなど多方面で活躍し続ける音楽界の重鎮です。1月11日には、2013年に結成したバンド<Controversial Spark>の2nd Album「After Intermission」をリリース、ライヴも控える多忙な中でお話をお伺いしました。
鈴木慶一さんの音楽のルーツ、影響を受けた楽曲、そして100年後も誰かの心に残って欲しい曲などを伺っていきます。

音楽体験の原点となった作品

PIPELINE / The Ventures

自分でお金を出した7インチのシングル盤はこれが最初。家具調のステレオの前で良く聴いていたのが1964年。中学一年の時だね。翌年、ベンチャーズとアストロノーツというバンドが来日してテレビ放送していたんですよ。もう、それに釘付け。エレクトリックギターのインストルメンタル・バンドにハマるのは男子で、女子はビートルズや加山雄三さんに夢中だったかな。中学生の頃ってそれぞれ意地張り合うから「ビートルズなんてなぁ」とか言っていたんだけど、翌年になったらコロリとビートルズにヤラれてしまうわけですよ(笑)。

10代、20代の頃に節目となった作品

Ballad Of Easy Rider / The Byrds

映画として優れているかは別として非常に衝撃を受けた映画が「イージー・ライダー」。自分は19歳だったけれど、ヒッピーのようなものは夢破れて廃れていく感じだったんだよね、その頃。アメリカの奥底はわからなかったけど、そこにぴったりあっていたんだと思う。ザ・バーズはずっとハマっていて、とにかくロジャー・マッギンとデヴッド・クロスビーの声の絡みあい、そして12弦ギターとのハーモニーが素晴らしかったよね。

Tamalpais High (At About 3) / David Crosby

二十歳の頃まで家に籠っていて、音楽やっていること秘密にしていたんですよ(笑)。それで、この先どうしようかなと思っていた時に、母親があがた森魚さんを紹介してくれていろんな話をしたんです。で、そこから自分も表に出るようになったの。そしたら細野さんにも出会うし、はっぴいえんども出会うし一気に視野が開けたんだよね。その頃聴いていたデヴッド・クロスビーの「If I Could Only Remember My Name」は擦り切れるほど聴いていた名盤。

音楽活動を始めてから影響を受けたアーティストや音楽

Cruel Wind / Eric Justin Kaz

1972年の作品なので「はちみつぱい」を結成していた頃。お金ないからロック喫茶でいろんな音楽を聴いていたんだけど、そこで毎日かかっていたのがエリック・ジャスティン・カズ。これは本当によく聴いていたね。のちに廃盤になってしまったけど、音楽をやっている人たちの間では本当に良く聴かれていたアルバムだった。この人はシンガーソングライターだけど、バックのミュージシャンのテクニックやグルーヴが素晴らしいんです。そういったミュージシャンの作品を掘っていきましたね。

I’m Not In Love / 10cc

「はちみつぱい」から「ムーンライダーズ」に変わる頃。この曲はツアー中のロビーで聴いて「なんだ、これは!」ってなった。70年ってザ・バンドだったりクィーンだったり、次のビートルズを探せという時代だったんだよね。そんな頃に聴いた10ccは、ビートルズ臭もあるけどテクノロジーを駆使した作りとか凄かったな。その後の自分の音楽活動の好奇心にも火をつけられたかな。

100年後も誰かの心に残っていて欲しい曲

Good Night / The Beatles

こういう曲をビートルズがやってもいいんだと思った曲。いわゆる「ホワイトアルバム」に収録されている曲なんだけど、すごくコンサバティヴな感じでしょ。この曲の前が「Revolution 9」なのに(笑)。これを聴いたことで、その後のグッドタイムミュージックというか、オールドタイムな音楽も良かったりするというきっかけになった曲だよね。

Surf’s Up / The Beach Boys

サーファーっていうと明るいイメージだけど、ビーチボーイズってマイナーコードもたくさんあって暗い感じもあったんですよ。だから一筋縄ではいかないなと思っていたとこで「Pet Sounds」というアルバムが出て。「Surf’s Up」は、Van Dyke Parksとの共作で、発表されるのに時間かかった。僕はシングルに時間をかけた作品が好きなんだね(笑)。

鈴木慶一の現在

集団で揉めるのが好きなので、2013年にもう一度バンドやろうと思って(笑)。元カーネーションの矢部君と、栗コーダーカルテットの近藤君と三人で集まったのがきっかけ。ヴォーカルのKonoreはインターネットで探したの。「女性 ギター ヴォーカル」で検索しまくって。結成当時は20代から60代まで全世代がメンバーにいるというバンドになったねー。まさにスパーク(笑)。ライヴがあるんだけど、勢いで制作したからまだ身体に入ってないんだよね。自分だけかもしれないけど(笑)。


※「After Intermission」は1月11日からの配信となります。



【Controversial Spark プロフィール】

鈴木慶一以下、カーネーションの元ドラマーでムーンライダーズのサポートもつとめたことがある矢部浩志、鈴木慶一とは旧知の仲で、現在は映画音楽などでも活躍しているギタリスト近藤研二。幅広いミュージシャンのサポートもつとめるベースの岩崎なおみ、活動休止中のバンドthe roomsでヴォーカルとギターを担当していたkonoreという世代も環境も超えた5人による2013年に結成されたバンド。



KKBOX編集室

KKBOX Japan編集室

関連アルバム

ギャラリー

関連記事