佐々木史朗社長が語るフライングドッグの軌跡「根底にあるのは“ひがみ根性”」​

佐々木史朗社長が語るフライングドッグの軌跡「根底にあるのは“ひがみ根性”」​
阿部裕華
阿部裕華

2019年に10周年を迎えた株式会社フライングドッグ。2007年に日本ビクターのグループ企業・JVCエンタテインメントからアニメ音楽レーベル「FlyingDog」が設立されて以降、数々のアニメ・アニメ音楽を世に送り出している。同社代表取締役社長の佐々木史朗さんは、約35年前にビクターエンタテインメントでアニメ音楽制作ディレクターとなった。『トップをねらえ!』『AKIRA』『カウボーイビバップ』『マクロスシリーズ』『アクエリオンシリーズ』などの数多くアニメ作品で音楽プロデュースを担当。フライングドッグの誕生は佐々木さんの存在なくして語ることはできない。

長年にわたり日本のアニメ音楽をけん引し続ける佐々木さんに、同社の転機となった作品や近年の取り組みとともに、レーベル設立からこれまでのアニメ・アニメ音楽を取り巻く変化について赤裸々に語ってもらった。


フライングドッグ設立当時のアニメ事情

ーレーベル設立当初、アニメやアニメ音楽はヒエラルキーの底辺だったと伺いました。

佐々木:レーベル設立時というより、自分がアニメ音楽に携わり始めた頃がまさにそうでしたね。レコード会社にある当時のヒエラルキーでは、かっこいいのはJ-POPとロックで、かっこ悪いのがアニメみたいなね。若い女子社員の反応でわかるんです。「え~、オタク?気持ち悪~い」みたいな。いや、単にモテなかっただけでかもしれませんね。(笑)ひがみ根性強いんで。当時アニメのタイアップになったとあるバンドから「アニメのタイアップなんてやりたくない! 自分の魂をアニメに売るようなもの」と言われたとも耳にしたこともあります(笑)。

レーベル設立は僕らの部署が新会社へ移った時なのですが、当時の経営陣の考えはわかりませんが、自分としてはビクターから切られたのではと思ってしまったんですね。そのため、レーベル名に「dog(犬)」を入れたのも「犬は犬でもビクターの犬とは犬種が違うんだ! なにくそ!」という気持ちがちょこっとありました。ここでもひがみ根性ですね。実際切られた訳でもないかもしれないし(笑)。一方で、ビクターには面白い先輩方がいっぱいいましたし、自分もすごくビクターっぽい人間だと思っていました。「犬」を入れたいと思ったのは、「ビクターの先輩方が築いてきた遺伝子を受け継ぐ」という意味も込めています。

ー佐々木さんご自身がフライングドッグを立ち上げたかったのではなく、社内事情的にアニメ部門を切り離さざるを得なかったということなんですね。

佐々木:僕がビクターに入社した時からずっとアニメに特化した部門はあったのですが、ほかの部門と異なり音楽だけではなく映像も作っているわけですよ。普通に音楽を作るより映像は尋常ではないお金がかかる。そういう意味では常識外の部門で。「お前、サザンのアルバムが一体いくらでできているか知っているか? こんなに金を使ってサザンのアルバムより売れるものを作れるのか?」という話しを何度もされてきましたよ。

莫大なお金を使うのに、成績が上がらないと・成功しないと潰されるかもしれない恐怖もあり、セクションを潰さないように守らなければとずーっと思っていました。フライングドッグは、それまで先輩方が築いてきたアニメ部門のチームを潰したくなかっただけなんですよ。その恐怖心が原動力だったかもしれません。

ー同時にアニメやアニメ音楽へ魅力や可能性を感じていた側面もあったのではないでしょうか。

佐々木:もちろんありました。アニメはどんな音楽をやってもいい自由さがすごく面白かった。一本のアニメを作るのに何百もの人が関わっているから、音楽業界にはない常識を持っている人がいっぱいいるのも面白くて。自分がアニメの制作に関わり続けているのは、そういう魅力があったからかもしれません。

それと、今から25年くらい前から海外で日本のアニメがウケていると実感することが増えてきたんです。僕らが海外のイベントに行くと、何千もの人たちがみんな日本語のアニメ主題歌を歌っている。アメリカ・ヨーロッパなどの大手CDショップに行くと、「MANGA」コーナーが設けられていて、「J-POP」は置いていないのに日本アニメのサウンドトラックが置いてある。国内はもちろん、国外にも可能性があるんだとすごく感じましたね。

ーレーベル設立の際には、世界を見据えられている部分も?

佐々木:「世界中が知っている町工場」になったらいいなと思っていました。ワールドカップで使われているホイッスルを作っている会社が、昔東京の下町にあったんですよ。すごく小っちゃな町工場だけど、世界中のサッカーファンが知っている。音楽も人の手で作り上げることが大事だから、町工場みたいなものだなと思ったんです。

FlyingDog設立時に作成されたプレスリリース

例えば、菅野(よう子)さんと一緒に作る音楽の中には、日本語でも英語でも何語でもない言葉の歌があります。それは、海外の人にも入り込みやすい曲にしようという意識もありました。


フライングドッグを支えた『マクロス』『創聖のアクエリオン』

ーフライングドッグがレーベルとして設立されてからの約14年間の中で転機となった作品を教えてください。

佐々木:レーベルを設立した2007年に作ったアニメ『マクロスF』は非常に大きな存在です。この作品がヒットしたおかげで、フライングドッグが潰れずに済んだと言っても過言ではありません(笑)。May’nちゃんや中島愛ちゃんといった新しいアーティストが誕生し、所属アーティストの坂本真綾にとっても転機でした。それまでも人気はありましたが、『トライアングラー』のおかげで若いファンを獲得でき、一段階新しいステップを踏んだのではないかと思います。

また、2016年に作ったアニメ『マクロスΔ』でも新しいグループ「ワルキューレ」やワルキューレメンバーのソロを展開することができました。

出典元:YouTube(FlyingDog)

僕がビクターへ入社した時に始まった『超時空要塞マクロス』からシリーズは続いていますが、毎回お話も登場人物も全然違うため、必ず当たるとは限らないわけですよ。大きく外す可能性もある。そういう意味では『マクロスF』『マクロスΔ』が何とか形になったのはラッキーでしたし、フライングドッグとしても大きかったと思います。

ー『創聖のアクエリオン』はいかがでしょう? アニメ自体はレーベル設立前の2005年に放送されていましたが、主題歌『創聖のアクエリオン』のヒットはその数年後だったように思います。

佐々木:『創聖のアクエリオン』は2005年に放送して2007年に盛り上がりましたね。ちょうどレーベル設立のタイミングだったから、こちらもかなりお世話になった作品です。

テレビで放送した時は、それほどウケなくて(笑)。放送一年後くらいから、急に旧譜が売れ出して僕らもビックリしました。なんでこんなに売れているのだろう?と調べていくと、ニコニコ動画の弾幕(コメント機能)ですごく盛り上がっていたんですよ。みんなが一斉にサビ部分に「愛してる~」と書き込むみたいな(笑)。弾幕ができたのは『創聖のアクエリオン』からかもしれないと思っています。

ーパチンコのCMで流れ始めたのはその後ですか?

佐々木:そうですね。ニコ動で盛り上がっているのを知って、パチンコのメーカーさんがCMにあの曲を使ってくれたんです。人気に拍車がかかりましたよ。アニメは知らないけど、曲は知っている人がたくさんいました。そういう意味で、こんな売れ方の作品はこれまでもこの後もないですね。

ちなみに余談ですが、主題歌を歌っているAKINOちゃんはアニメ放送当時14歳で、曲が売れ出した時もまだ16歳の時でした。そのため、賭け事のテーマソングに起用することはどうかという意見が出まして、遊技機で使用した『創聖のアクエリオン エレメント合体Ver.』はアニメキャラクターの声優さんたち(寺島拓篤、かかずゆみ、小林沙苗)に歌ってもらったんですよ。

ーそんな裏話が……!

佐々木:とはいえ、『創聖のアクエリオン エレメント合体Ver.』のシングルを出すことが決まった時、AKINOちゃんの歌う『創聖のアクエリオン』も絶対盛り上がると思ったので色々意見調整はありましたが、最終的にオリジナルVer.をカップリングに入れることができ、さらに盛り上がることができました。

ー『創聖のアクエリオン』や『マクロスF』から、いい意味で「アニソンらしくないアニメ音楽」になっていったように感じています。

佐々木:菅野さんがアニメ業界の方でなかったのは大きいですね。僕も当時、アニメの音楽を変えていきたいと思っていましたし。『マクロスプラス』から一貫してハイブローな音楽を作っていただきました。

そこから菅野さんが目覚めたのは『創聖のアクエリオン』かなと思います。それまで作ってきたインテリジェンスのある音楽の中に、菅野さんなりの下世話さをぶっ込んだのが『創聖のアクエリオン』なんですよ。そこからさらに挑戦したのが『マクロスF』の楽曲です。菅野さんが当時発表していた一連の音楽には、洋楽を聴いている人間でも楽しめる“ハイブローな下世話さ”の追求があったかもしれません。


時代とともに変化するアニメ音楽を取り巻く環境

ーアニメ音楽が変化していったのと同時に、アニメ音楽を手掛けるアーティストが多様化していったなと。それまでは「アニメ音楽=アニソンアーティスト・声優」だったのが、邦楽ロックバンドやJ-POPアーティストがアニメ音楽へ進出していきます。佐々木さんとしては、この流れをどのように感じていましたか?

佐々木:初めは「アニメはJ-POPの販促ツールじゃねぇんだ!」と思っていました(笑)。作品に合わせて作っていない音楽をテーマソングとして使われることは、すごく遣る瀬ない気持ちになった。監督や制作者側もしょうがないと半分諦めていたものの、やっぱり作品のテーマに合わせた曲にしたいという思いは当然あって。

“アニメのテーマソングとして作られた音楽”こそアニメ音楽なんですよ。アーティストのタイアップとして既に出来上がった曲をアニメのテーマですと言うのは「それは違うんじゃないか!?」と思いましたね。

ーその流れに対する危機感みたいなものはなかったのでしょうか。

佐々木:僕らは僕らのやり方で大丈夫だなと思いました。なぜなら、そこに不満を持っている人たちがいたから。提供料をドンと払って、テレビ局にバーンと打ち出すやり方に対して、そのアニメのビジネスサイドは大喜びするけど、クリエーターの中には「作りたいものを作れなかった」という人もいたわけです。

出典元:YouTube(FlyingDog)

それに対し、うち(フライングドッグ)は作りたいものを作りますよと。「あなたたちが作りたい音楽を作り、歌い手を選んできます」と進めることができていたので、僕らが生きる道もあるなと思いました。

ーフライングドッグだからこその価値が確立されたんですね。

佐々木:そして、その状況も時代とともに変化していきます。もう今はうちだけじゃなく、アーティストに主題歌を作ってもらう時は、ちゃんと本を読んでもらったり打ち合わせをして、アニメのテーマやコンセプトに沿った形で作るようになりました。

出典元:YouTube(JUNNA)

何よりアーティスト側のアニメや漫画に対する拒否感がなくなり理解が深まったことで「このアニメのこういう曲を作ってください」とコミュニケーションが取れるようになってきたんですよ。アーティスト自身が、「アニメのテーマソングを作るんだ」と思いながら作ってくれるようになった。それに合わせて制作サイドも「アーティストと一緒に作ってみよう」と。そういう意味で、今はみんな、“アニメのテーマソングとして作られた音楽”を作っていると感じます。

ーそれこそ、ここ数年は動画配信サービスの隆盛などにより、アニメオタクのみならずアニメを視聴する人が増えてきました。

佐々木:この5年くらいのお客さんは本当に多くなってきましたね。その反面、深度はちょっと浅くなっていると感じます。特に10代の人たちはアニメに限らず、「好きは好きだけどお金を出すほどでもない」みたいな。それが悪いことだとは全く思わないですけどね。

ーそういった視聴者の変化に伴い、アニメやアニメ音楽の作り方も変化しているのでしょうか?

佐々木:そこに合わせた作り方をしていかないといけないと思っています。これまでの僕らは、どちらかというとマニア向けに作って生きてきましたが、本来、音楽のあるべき姿は“多くの人に聴いてもらうこと”だと思うんです。アニメもアニメ音楽もお客様ありきのコンテンツですから。今は、若い世代に合わせた作品を、ちょっと若い人間に任せている感じです。

歳を取った人間からすると「今のアニメは何か薄くなってきてるんじゃないか」と思うこともあります(笑)。だけど、そう思うのであればマニアに向けたアニメを作ればいいだけの話しなんですよ。多くの人に見てもらいたい・売れる作品が作りたいのであれば、そこに合わせた作品を作ればいい。どっちがいいか悪いかではなく、何を狙って作るのかを判断していけばいいんです。

ーともすると最近は、オープニング・エンディングを飛ばして視聴する人が増えています。作り手としては、どのように感じているのでしょう……。

佐々木:すごく悔しいし残念だけど、しょうがないですよね。今、配信時代になってアニメを見る人たちって一気に見るじゃないですか。5~10話を一気に見るとなると、同じオープニング・エンディングを何度も見るくらいなら、飛ばしてできる限り短い時間で多くの話数を見たいわけですよ。オープニング・エンディングを見たい人なんてよっぽど気になるスタッフ・キャストがいない限り止めない。だから、動画配信サービスでも自動的に飛ばす機能があるんだと思います。

こうやって作品の発表の仕方やお客様の触れ方が変わってしまうと、こちらもそれなりのやり方に合わせるしかない。オープンエンドを作るのを止めるとか、エンディングを本編に食い込んで流してみるとか、本編のど真ん中にテーマソングを入れるとか……いろんなことを考えています。


フライングドッグが「オリジナル」「音楽」アニメにこだわる理由

ー7月から放送しているアニメ『Sonny Boy』も新しい見せ方を取り入れているのでしょうか。オープニングがなく、劇伴も1話に1~2曲。さらにエンディングはアニメ映像なしの音楽とスタッフロールのみ。アニメ音楽のセオリーから逸脱しているように感じます。

佐々木:あれはすべて監督(夏目真悟)の意向ですね。基本的にアニメには劇伴が絶えず流れていますが、『Sonny Boy』は作中1~2の国内外アーティストの楽曲を入れるのみ。僕はできるか分からないし、難しいんじゃないかと思っていたのですが、監督がどうしてもやりたいと。

出典元:YouTube(松竹チャンネル/SHOCHIKUch)

あとは、音楽アドバイザーの渡辺信一郎が「難しいと思うけど、そんな異形な作品も見てみたい」と言ったんですよ。たしかに、最近は同じような作品ばかりだし一理あるなと。オープニングがない分シングルの売上が減りますし、劇伴のないアニメなんてあり得ないし、台湾や韓国とのバンド契約も大変ですが(笑)。勘弁してくれと思いながら、それでも儲け度外視で異形な作品を作ろうと進めた作品です。

ーエンディングテーマにビクター所属ではない銀杏BOYSを起用したのも驚きました。

佐々木:監督が銀杏BOYSが好きだったんですよ(笑)。ビクターじゃなくてもいいから話しに行こうとなり、向こうも「面白いからやります」と言ってくれて。

制作的な事情があるかは分かりませんけど、エンディングに絵がないのは「音楽を聴いてほしい」という監督の思いもあったんじゃないかな。

ー『Sonny Boy』のようにある意味で異形な作品を進めることができたのは『キャロル&チューズデイ』(2019年放送)の前例があったのも大きいように思います。楽曲はすべて英語歌詞、数多くの海外アーティストの起用など日本アニメとしては異例だったなと。

佐々木:それはありますね。『キャロル&チューズデイ』も馬鹿なことをやったなと思っていますよ(笑)。ほかの会社ではやらないし、できないことをやった。その前例があったのは大きいですね。

出典元:YouTube(キャロル&チューズデイ)

『キャロル&チューズデイ』で楽曲提供をしてもらったFlying LotusやThundercatは日本のアニメが大好きで、Thundercatは『カウボーイビバップ』のタトゥーを入れているんですよ(笑)。そういう人たちの存在に触れて、日本アニメがより市民権を得られるようになってきたと思いました。

ーフライングドッグ設立10周年記念作品『サイダーのように言葉が湧き上がる』もまた、シティポップの雰囲気が色濃い作品でした。主題歌にnever young beach、劇中歌に大貫妙子さんを起用しています。

出典元:YouTube(FlyingDog)

佐々木:絵も鈴木英人を感じさせるタッチですし、完全にシティポップを狙っていますよね。オリジナルサウンドトラックのジャケットは見る人が見たら「あ!」と思うのではないかと。『サイダー~』は、7年くらい前に社員全員でアニメの企画を一つ考える宿題を出して、その中から選ばれた企画です。原案からは影も形もなくなってしまいましたけど(笑)。

ー『キャロル&チューズデイ』『サイダーのように言葉が湧き上がる』『Sonny Boy』などフライングドッグの生み出す作品の多くが「オリジナルアニメ」「音楽」を起点としています。そこには何かこだわりがあるのでしょうか?

佐々木:「オリジナルアニメ」に関してはまず一つ、原作のある作品は原作と比較されるじゃないですか。もちろんそれが良い場合も楽な場合もビジネスとして進めやすい場合もあります。でも自由度がないんですよ。売れている原作をアニメ化する場合、原作サイドとの意見調整はとても労力が必要な作業です。漫画や小説とアニメでは表現が違うし、アニメはアニメで必要な表現がある。オリジナルであればアニメに合った表現が自由にできるという利点がありますよね。

もう一つは“弱者の兵法”です(笑)。

ー“弱者の兵法”、ですか?

佐々木:例えば、大人気少年漫画を原作にアニメ化したいと思っても、大手に「何十億出してアニメ化しまっせ!」とされると、僕らは太刀打ちができません。弱小レーベルは強者の真似をしても勝てないんですよ。だけど、オリジナルだったら対抗できるかもしれない。なかなか順番が回ってこない行列のできるクリエーターを起用するのではなく、5年後に行列ができるかもしれない人を自分たちで発掘するというやり方もひとつの方法です。見たことも聞いたこともない表現や才能を見つけていくことが自分たちの生きる道だから、オリジナルアニメを作っている感じですかね。

また、「音楽」をテーマにしている作品が多いのは、“フライングドッグだから”というのが根底にあります。アニメのシーンに合わせて音楽を聴くと100倍よく聴こえたり、つまらないシーンが音楽の影響で面白く見える。僕らは音楽と映像の相乗効果の気持ち良さを味わってしまった。だから、止められないんですよ(笑)。


これからの時代を生き抜くためのフライングドッグの戦い方

ー今年は『マクロスF』が10年ぶりに完全新作『劇場短編マクロスF ~時の迷宮~』の公開、新曲「時の迷宮」のリリース、11月にはライブの開催が予定されています。さらに『劇場短編マクロスF』の同時上映には『劇場版マクロスΔ 絶対LIVE!!!!!!』も。盛り沢山ですね。

佐々木:来年は『マクロス』40周年ですからね。昔の作品から最近の作品まで『マクロス』の世界で遊んでもらえればと。そのうちの一つが今秋公開予定の『マクロスF』『マクロスΔ』の併映です。また、「超時空コラボ歌選挙!!!!!!!」と題して、ワルキューレに『マクロスF』の曲、シェリルとランカに『マクロスΔ』の曲をそれぞれ歌わせるならという投票企画もやっています。

出典元:YouTube(マクロス MACROSS ch)

『マクロス』は僕もフライングドッグもずっとお世話になっている作品なので、僕らなりにみなさんにも楽しんでいただけるよう、いろいろ企画を考えていますよ。

ー『マクロス』40周年も楽しみです。そして、2019年にはフライングドッグも会社設立10周年を迎えました。フライングドッグとしての今後の展望についてもお聞かせください。

佐々木:ここ5年くらい、音楽の動きがどんどん変わってきて、レコード会社もかなり厳しい状況に来ています。その上でフライングドッグとしては、大きなチャレンジや賭け、失敗したら丸裸になるようなこと、こんなもの売れるかよと他人から言われるようなことも挑戦しなきゃいけない時期が来ているんじゃないかと思います。

出典元:YouTube(FlyingDog)

ただ一つ言えるのは、音楽を好きな人間が減っているわけではない。そして、アニメを好きな人間も減っていない。だからまずは、音楽やアニメを好きでいてくれる人たちに、楽しんでもらう作品を提供することは変わらずにやっていく。同時に、僕らなりの勝ち方を見つけていく必要はあります。パッケージを買わない楽しみ方が当たり前になっている中、お客様からどうお金を得ていくのかは考えなければいけない。そういう意味では、今後10年間はすごく大変だと思います。僕がビクターに入社してからの数十年間よりも大変になるかもしれません。とはいえ、何もやらなければそのまま潰れていくだけなので、積極的にチャレンジする、ダメでももう一度立ち上がる勇気を持ち続けていこうと思っています。

ーそんな大変な時代を迎える中、佐々木さんご自身の展望についてはいかがでしょうか。

佐々木:自分はもう歳なので、若い世代の人たちのチャレンジを手助けしていきたいですね。自分とは違う新しい価値観を持った若い人達の作るものを体験してみたい。だから、新しくチャレンジしたい人、ビビッて一歩踏み出せない人がいたら「失敗しても構へん! 責任取るからやってまえ!」と後ろから応援できる人間でいたいなと。

今後めちゃくちゃ売れるオリジナルアニメがフライングドッグから出たら、「大手、ざまあみろ!」と言いたいですね。いい歳こいて最後までひがみ根性ですみません(笑)。


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阿部裕華
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