冬景色が色づく最近の洋楽3枚 - 森田美喜子の「あれもこれも聴きたい」

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森田美喜子

1月20日前後は暦の上では「大寒(だいかん)」と言われ、1年でもっとも寒くなる時期とされています。寒さを撃退したいこんな時期の通勤・通学時、部屋を暖めながらのひとときにハマる、グレーな冬色景色が色づいて見えてくるような洋楽アルバム3枚をご紹介します。

Coldplay - A Head Full Of Dreams

万華鏡のようなポップアルバム コールドプレイの7作目となる本作は、メロウな前作の作風から一転。ビヨンセ、ノエル・ギャラガーから果てはオバマ大統領まで、コラボ陣のキラキラ感も半端ないジョイフルな1枚に。トロピカル風、R&B調などさまざまなジャンルのエッセンスを取り込んだ楽曲が、カラフルな万華鏡を回転させるかのように次々飛び出してきます。『マイロ・ザイロト』以降アートワークなど視覚面で “色”を効果的に用いてきた彼らですが、今作の音像には“音が鳴る場所の景色を歓びの極彩色に塗り替えていく”ようなテンションの高さがあります。

Alabama Shakes - Sound & Color

ドリーミーであったか、話題のモダン・ブルース 全米1位を獲得し、グラミーで全6部門にノミネートされている本作。スーツブランドのORIHICAやiPad ProのCMに起用されたことで、日本でも洋楽の枠を超えて人気が広がりつつあるアラバマ・シェイクス。人間味溢れる紅一点ヴォーカリスト、ブリタニーが“音と色があたしの心に寄り添って”と歌う「サウンド&カラー」のドリーミーな感触そのままに、どの曲もブルースやソウルのアーシーな風合いを絶妙に活かしながらも、洗練されたモダン・ロックにまとめられており、聴き込むほどに、ノスタルジックで柔らかな色彩が脳裏に広がります。

Jamie xx - In Colur

メランコリックな夜明けのカラー 英国の人気バンド、THE XXのメンバーであり、アデルやリアーナなどのプロデュースを手掛け、DJとしても活躍する才人ジェイミー・エックス・エックスの待望のソロ・アルバム。ハウス、ソウル、ガラージなど歴代のUKダンスミュージックを2010年代の感性で再構築し、スムーズなグルーヴによって心地よい酩酊と軽やかな興奮に誘う2015年屈指の傑作となりました。深夜早朝に過ぎ行く車窓を眺めながら、ベッドルームで横たわりながら……、そんなシチュエーションで聴き手の心を徐々に色づかせていくようなサウンドが展開されます。

森田美喜子

岐阜県生まれ。フリーライター・エディター。 CD店勤務、音楽雑誌&WEB編集を経てフリーランスに。 趣味は洋楽カラオケ。

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