話題沸騰のMCバトル! フリースタイラーの3枚 - 森田美喜子「あれもこれも聴きたい」

洋楽
森田美喜子
全国規模で開催される大会や、BSスカパー!の『高校生RAP選手権』やテレビ朝日『フリースタイルダンジョン』などを通して、ここ数年で一挙に裾野を広げた日本語ラップのMCバトル。シーン発のフリースタイラーたちの人気は愛好家のみならず、幅広いリスナーの間で高まっています。今回はいま必聴の3作品をご紹介します!
Creepy Nuts (R指定×DJ 松永) - たりないふたり
技とユーモアがポップに弾けるミニデビューアルバム R-指定は、MCバトルの真骨頂を体現するラッパーです。フリースタイルバトルでは、相手の攻撃をどう切り返すのかが肝となりますが、彼の言葉のチョイスや瞬時に紡がれていくリリックの展開、ラップのキレ味など、すべてがうっとりするほど天才的で痛快なのです。そんなR-指定と、DJ松永によるユニット、Creepy Nutsの1st ミニアルバムは想像以上のポップさで、クセになる毒っ気とユーモアが満載の傑作に。特に、R-指定が様々な人気ラッパーを想起させるフロウを使い分ける「みんなちがって、みんないい。」は衝撃的。
(YouTube: Creepy Nuts (R-指定 & DJ 松永))
KEN THE 390 - 真っ向勝負
シーンの実力者が多数参加! 硬派に攻める快作 『フリースタイルダンジョン』では審査員を務める実力派であり、シーンきっての好感度を誇るKEN THE 390の、全12曲収録(うち2曲はインストVer.)というアルバム級ボリュームの最新EP。爽やかさと硬派な漢気が同居する、タイトにまとまった1作になっています。客演は表題曲「真っ向勝負」の晋平太やMC☆ニガリ、「Make Some Noise」のZORNとNORIKIYOなど、現在の日本語ラップシーンの一つの側面を一望できる顔ぶれに。2010年代的にモダナイズされた各曲のトラックも気持ち良い。
(YouTube: KENTHE390 Official)
DOTAMA - ニューアルバム
R-指定と頂上で競うライバル、異才ぶりは音源でも 表現手法やアーティストやヘッズの意識は進化/深化していたにも拘らず、一般的な日本のヒップホップにまつわるイメージは90年代末からなかなかアップデートされませんでしたが、目下のバトルブームで、前時代的な紋切り型のイメージが払拭されつつあるのは嬉しい限りです。「マイク1本で始められて、誰にでものし上がる権利とチャンスがある」。そんなラップの本質的な魅力と、現在のシーンの多様性と懐深さと面白さを教えてくれるのが、DOTAMAのようなラッパーの存在です。バトルを沸かす辛辣なユーモアは音源作品でも炸裂。
(YouTube: 術ノ穴/subenoana)
森田美喜子

岐阜県生まれ。フリーライター・エディター。 CD店勤務、音楽雑誌&WEB編集を経てフリーランスに。 趣味は洋楽カラオケ。

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