全世代必聴!リトグリ最新作『juice』全曲解説で検証

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西廣智一

昨年末放送の『第68回NHK紅白歌合戦』初出場を機に、注目度が一気に高まっているLittle Glee Monster(以下、リトグリと略)。そんなタイミングに、通算3作目となる彼女たちのオリジナルアルバム『juice』が1月17日にリリースされました。

初の日本武道館単独公演を皮切りに、春には5人編成で再スタートを切って3枚のシングルを発表した2017年のリトグリ。そんな彼女たちの進化と成長の結晶がギュッと凝縮されたアルバム『juice』には、これまで以上にバラエティに富んだ楽曲がたっぷり収録されています。

ここでは各楽曲に触れながら、アルバムの魅力を紹介していきたいと思います。

1. だから、ひとりじゃない




極上のハーモニーからスタートするこの曲は、5人体制で再スタートを飾った8thシングル表題曲で、TVアニメ「僕のヒーローアカデミア」エンディングテーマ。疾走感の強いアップチューンで、現在のライブでも盛り上げ役として重要な役割を果たしている1曲です。この曲からアルバムを開始させるところにも、彼女たちの決意めいたものを感じずにはいられません。

2. 明日へ




初めてメンバー全員で作詞に携わった9thシングル表題曲。バックトラックの音数が比較的少ないシンプルなアレンジですが、そのぶん5人の歌とハーモニーが複雑に絡み合う、圧巻のボーカルワークを楽しむことができます。この曲での手応えをきっかけに、manakaは「もっと作詞に挑戦してみたい」と発言しているのも印象的です。

3. Go My Way!




The Jackson 5を彷彿とさせるソウルフルなサウンド&メロディですが、歌詞には芹奈曰く「自分が決めた道は他人が代わりに歩いてくれるわけじゃない、自分で決めたのなら夢に向かって頑張っていこう」というメッセージが込められた、リトグリらしさに満ち溢れた1曲。初期からのファンには馴染み深いサウンドではないでしょうか。

4. OVER




10thシングル表題曲のひとつで、テレビアニメ『BORUTO-ボルト-NARUTO NEXT GENERATIONS-』のオープニングテーマとしてお茶の間を賑わせた、R&Bテイストを含むアップテンポのポップチューン。前向きな歌詞とあわせて、力強さを感じさせる1曲です。

5. Jupiter




平原綾香の大ヒット曲をリトグリ流にアレンジしたカバー。テレビドラマ『陸王』の挿入歌としてオンエアされたほか、昨年末の紅白歌合戦でもアカペラで披露され話題となりました。伸びやかな歌と心地よいハーモニーを存分に味わえる、リトグリの魅力が凝縮された好カバーです。

6. いつかこの涙が




いしわたり淳治とリトグリの共作詞による王道ミディアムバラード。『第96回全国高等学校サッカー選手権大会』の応援歌に採用されたこの曲は、アサヒが「同世代のスポーツ選手や部活で頑張っている人の背中を押すように歌えたら」と語るように、聴いているだけで前向きになれる1曲ではないでしょうか。

7. Love To The World




ゴスペル色の強いこの曲は、デビューシングル「放課後ハイファイブ」を手がけたKEN for 2SOUL MUSIC Inc.、福原美穂が作曲を担当。デビューから3年が経ち、大人への成長過程にある5人の頼もしさがその歌声から存分に感じられます。

8. Get Down




2ndアルバム『Joyful Monster』収録曲「Catch me if you can」に続く、英語詞オリジナルナンバー第2弾。どこか80年代の洋楽ポップス的な香りのするサウンドは、昨今の洋楽ヒットチューンに混じっても違和感のない仕上がり。海外展開を目指す彼女たちにとって今後、大きな武器になりそうです。

9. ヒカルカケラ




スガ シカオ書き下ろしによる10thシングル表題曲のひとつ。芹奈がメインボーカルを務め、他のメンバーがコーラスで脇を固めるというこれまでにないスタイルが取られており、大人っぽいサウンドと等身大の歌詞を通じて揺れ動く女の子の恋心が表現されています。こ今のリトグリだからこそ歌える1曲だと、アルバムを通して聴くことで強く実感させられます。

10. Gift




トロピカルハウス的な側面を持つアレンジの、これまでのリトグリにはなかったタイプの1曲。タカシマヤによる日本最大級のショコラの祭典『アムール・デュ・ショコラ』のキャンペーンソングに採用されたこの曲は、今年のバレンタインシーズンをポップに彩ることになりそうです。

11. 好きだ。remake ver.




昨年末の紅白でも披露された4thシングル表題曲を、現在の編成でリテイクしたもの。歌声の成長のみならず、5人になったことで変更となった歌割やハーモニーの割り振りなど、オリジナルバージョンとの違いを聴き比べてみると面白いかもしれません。

12. COLORS




「好きだ。」からの流れで聴くと気持ち良さが倍増する、初期からの「リトグリらしさ」を現代的にアップデートした1曲。伸び伸びとしたボーカル&ハーモニーはもちろんのこと、ところどころにフィーチャーされたアコギの音色も絶妙なフックになっており、音楽的に遊びまくる彼女たちならでのアレンジが楽しめます。

13. 幸せのかけら




アルバムのラストを飾るのは、美しいハーモニーが印象的なスローバラード。曲の歌い出しを担当したMAYUは、この曲を「リトグリの曲としては最初わりとキーが低めだけど、サビでだんだんレンジが広がっていくと同時に歌詞も一緒に広がっていく感じがある」と解説しています。


アルバム本編は上記の13曲となります。過去2枚のアルバム(『Colorful Monster』、『Joyful Monster』)とはひと味違った、まだまだ成長を続ける彼女たちの歌声を存分にお楽しみください。

なお、アルバム『juice』のCD通常盤にはカバー曲などを収めたボーナスディスクも付属。こちらについても解説しておきたいと思います。

14. I WAN'NA BE LIKE YOU -Live on 2017.11.19-




2016年公開のディズニー映画『ジャングル・ブック』でおなじみの1曲を、昨年秋の全国ツアーでのライブテイクにてお届け。リトグリは「君のようになりたい」と題した日本語詞の同曲カバーを過去に発表していますが、こちらは英詞による原曲バージョンで、スウィング感の強いバンドアレンジがカッコ良い仕上がりです。

15. SEPTEMBER




Earth, Wind & Fire(以下、EW&Fと略)の名曲を現代的にカバー。リトグリは昨年5月、EW&Fの日本武道館公演にゲスト出演しており、そこでもこの曲で奇跡のコラボレーションを果たしています。過去にはThe Jackson 5「I Want You Back」やLabelle「Lady Marmalade」など、ソウルナンバーのスタンダードをカバーしてきた彼女たち。今後もこういった取り組みに期待したいところです。

16. Ring! Ring! Ring!




昨年夏に発売されたトリビュートアルバム『The best of covers DREAMS COME TRUE ドリウタ Vol.1』に提供した、DREAMS COME TRUEのカバー。モータウン調の原曲から、リトグリ版はシンセ主体の16ビートアレンジに進化しています。

17. 糸




「Jupiter」同様、テレビドラマ『陸王』の挿入歌としてオンエアされ話題になった中島みゆきのカバー。さまざまなアーティストによって取り上げられてきた名曲が、リトグリらしいハーモニーを交えたアレンジで生まれ変わっています。ちなみに、メンバーのアサヒは祖母の影響もあって昭和歌謡ファン。いつか彼女が歌う初期の中島みゆきナンバーも聴いてみたいですね。

18. Let's Grooooove !!!!! Monster〜Opening/Ending〜




昨年秋に開催された全国ツアー『Little Glee Monster 2017 秋ツアー「Let’s Grooooove !!!!! Monster」』のオープニング&エンディングを飾った、このツアーのためだけのオリジナル曲。これが初音源化となる、ライブに足を運べなかったファンには嬉しい貴重なテイクです。


西廣智一

音楽系ライター。2006年よりライターとしての活動を開始し、「ナタリー」の立ち上げに参加する。2014年12月からフリーランスとなり、WEBや雑誌でインタビューやコラム、ディスクレビューを執筆。乃木坂46からオジー・オズボーンまで、インタビューしたアーティストは多岐にわたる。

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