今回のハイライトのひとつ、レディー・ガガのデヴィッド・ボウイ追悼ステージ。この、漢字で「出火吐暴威(デヴィッド・ボウイ)」と書かれたマントは、ファッションデザイナー・山本寛斎がかつてボウイに提供した衣装を、今回のために再現したもの。そしてもう1人、このステージに関わっている日本人がいます。それが浅井宣通。冒頭、「Space Oddity」を歌うガガの顔に、往年のボウイのメイクが現れ、稲妻や蜘蛛が動いています。これは浅井が2014年に顔プロジェクションマッピング作品『OMOTE』などで見せたテクノロジーで、生のライヴで使われるのは世界初だそう。(YouTube: The GRAMMYs)
監獄のセットに鎖でつながれて登場し、燃えさかる火をバックに「Alright」「The Blacker The Berry」を叩きつけ、グラミー史に残る名ステージを展開したケンドリック・ラマー。彼に賞を手渡したプレゼンターは、元N.W.Aのアイス・キューブと、その実子である俳優オシェイ・ジャクソン・ジュニア。アイス・キューブは彼と同じコンプトンから、ギャングスタ・ラップを武器に世界的グループとなり、ケンドリックに多大な影響を与えたであろうレジェンドです。そしてこの日、ケンドリック・ラマーは、授賞式会場にコンプトンの高校生たちを招待していました。「自分がかつて持っていたエネルギーを忘れないため」と、「彼らに夢を持ってもらうため」。こうしてバトンが受け継がれていくのですね。