「旅と音楽:グラスゴー」〜ロックに愛されるスコットランドの街

  • 洋楽
栗本斉

英国スコットランドの観光地というと、城下町エディンバラが有名ですが、グラスゴーだって負けないくらい大人気! この街を有名にしているのは、サッカーだけではありません。古い街並みと調和するモダンな建築、充実した美術館や博物館、そして音楽や舞台といった芸術文化の香りが色濃く漂っているのを感じることでしょう。 古くはドノヴァンやルルなど個性的なアーティストが多数生まれているグラスゴーですが、とくに80年代以降のバンド・シーンは特筆ものです。なかでも大成功を収めたのがシンプル・マインズ。ニューウェイヴの時代から活動し、世界中で大ヒットを飛ばした重鎮グループで、「ドント・ユー?」や「アライヴ・アンド・キッキング」といったソウルフルなナンバーは、日本のヒットチャートも賑わせました。

Simple Minds

(YouTube:emimusic)

▼70年代末から活動するグラスゴーのベテラン・バンド。1985年に発表したアルバム『ワンス・アポン・ア・タイム』が世界中で大ヒットした。 また、アズテック・カメラやオレンジ・ジュースといったネオ・アコースティックの騎手を擁したレーベル「ポストカード」もグラスゴーが拠点。そして、ザ・パステルズやプライマル・スクリーム、ティーンエイジ・ファンクラブなど、この街の象徴といっていい独自の美学を持ったバンドたちも続々と登場し、ロック・ファンを虜にしました。

The Pastels

(YouTube:Domino Recording Co.)

▼1982年にデビューしたUKインディー・ポップ界の至宝といわれるグループ。寡作なことで知られ、2014年の近作『Slow Summits』も16年ぶりだった。 しかし、ベル・アンド・セバスチャンほど、90年代以降のグラスゴーを体現したバンドはいないかもしれません。若々しさに満ちた衝動的なギター・ポップと、弦楽器や管楽器を加えた室内楽テイストとの対比が特徴で、マイペースな創作スタイルでありながらもカリスマ的な人気を誇ります。

Bell and Sebastian

(YouTube:RoughTradeRecords)

▼1996年の結成以来、圧倒的な支持を得ているグラスゴーの代名詞。サウンドだけでなくアートワークも含めて熱狂的なマニアが多く、メディアの評価も高い。 そんなグラスゴーの名物音楽スポットといえば、キング・タッツ・ワー・ワー・ハット。キャパ300人ほどの小さなライヴハウスですが、オアシスやレディオヘッドがブレイクするきっかけを作ったことでも有名で、今も音楽発信源として多くの人々に愛されているのです。新しいロック・シーンを体感したいなら、音楽の街グラスゴーに行ってみるのもいいかもしれませんね。


栗本斉

旅&音楽ライター/選曲家。レコード会社退社後、2年間かけて中南米を放浪。帰国後は、ワールドミュージックからJ-POP、そして旅や世界遺産、沖縄関連にいたるまでのネタを雑誌やウェブなどで執筆する他、ラジオや機内放送の選曲、コンピレーションCD企画、ライヴハウスのブッキング、公演やトークイベントなど多岐に渡って活動中。著書に『アルゼンチン音楽手帖』、『ブエノスアイレス 雑貨と文化の旅手帖』、『喫茶ロック』(共著)など。現在は沖縄県在住。

関連アルバム

関連記事