予感を現実のものにしたい!初夏の妄想ナンバーたち

予感を現実のものにしたい!初夏の妄想ナンバーたち
kimkim
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いよいよ夏真っ盛りの季節がやってきましたね。J-POPの中でも、特に女性シンガーにおける夏ソングの歌詞を読み取っていくと、いくつかのパターンに分類されることが分かります。特に、今の様な初夏のこの時期をイメージした曲というのは、この夏をどんなものにしようかと、待ち遠しく想像する曲が多いのです。これは、他の季節と比べても、夏に多くみられる特徴でもあります。夏は、女性ならではの“予感”がいっぱいの季節。まだ見ぬ未来に対しての妄想や、曖昧な欲望の表現。今回はそんな、欲望や妄想たっぷりの夏ソング達をお届けしながら、その歌詞における主人公の妄想についてひも解いてみたいと思います。
主人公の妄想と現実が入り混じる、夏の定番ソング!
 タイムマシンの 針を壊して 永遠の夏を 手に入れたんだ  泳げないなんて 知らなかったよ 不器用なふたりの 夏空グラフィティ  地球が呼吸を始めて 100秒たったら この海に飛び込むよ  その瞬間(とき) きっと伝えるよ 笑っていて  止まらない この気持ち あなたとなら 飛べるよ 水野良樹の妄想力爆発ともいえる、いきものがかりの夏の定番ナンバー『夏空グラフィティ』。いきなり、“タイムマシン”なんて単語が飛び出した上に、その針さえも壊して、時間軸さえも歪ませてしまったのだから、この歌詞に時系列なんてないも同然なんです。にも関わらず、地球が呼吸を始めて100秒、というタイム感が存在していて、それまでは、この海にも飛び込まないし、“この気持ち”を伝えることもしません。もっと考えると、まだ「きっと伝えるよ」と、曖昧にしか言っていないので、この海に飛び込んだとしても、もしかしたら伝えないままかもしれません。そんな、遊び心がたっぷり詰まった歌詞となっているんです。  まぶしい太陽のキラメキのなかで とびきり熱いままで恋をしたいよ  この手を いつまでも話しちゃいけないのは あなたひとりだけだよ  抱きしめていて サビの歌詞は、最後まで一貫していて、この部分だけに現実性が含まれたようなニュアンスになっているのが、この曲の何よりの特徴となっています。ここでは、「とびきり熱いままで恋をしたいよ」「抱きしめていて」と語るように、あくまでも主人公の願望、正直な感情が表現されており、それがまだ現実のものにはなっていないことを意味します。このような願望だったり、妄想だったりが詰め込まれるのが、初夏のラブソングの大きな特徴であり、そこに全開の比喩表現が加わることで、その夏ムードをより一層膨張させているのですね。
全てをひっくり返すオチに注目の、アゲアゲナンバー
 この夏こそは 上げていかなきゃ!  オシャレもしないで どうするつもり!?  肌もいつもより 出てても良いんじゃない?  グロスだって 太陽 光らせてくれる  歌おう ラブソング 叫んで  見つけよう この浜辺で  海には 女同士出陣!!  盛り上がる GIRLS TALK(トーク) ライブでも人気の、倖田來未の夏の名ナンバー『girl』は、まさしくガールズトークをテーマにした夏の妄想ソング。まずは、みんなでガールズトークを繰り広げる場面から展開します。とにかく、この夏を良いものにしようと、必死さが伝わってくるようですね。そして、みんなで海に出かけ、恋人を見つけようと展開していきます。こういったやりとりも、女の子ならでは。曲の中でも現実のものになっているようですし、実際に皆さんも、夏のこんな経験、あるのではないでしょうか。  そんなときに あなたの瞳に溺れて 一言  「責任とって!!火をつけたのはあなた!」もう消えない この曲の主人公は、そんなストーリーの中で、遂に恋心に火をつけられます。「瞳に溺れて」という歌詞は、夏と海にぴったりの表現になっていますね。  最高のファッション ハイテンション  用意して さあ 出かけよう  夏の絵日記 ラブチャンス  描いて ページめくろう  研究結果出ました!発表!  答えは あなた!!  判決は 有罪!!!だから!!  ...って 言えたら いいな...(>_<;)そんな夏 しかし、サビの最後にとんでもないオチが待っていました。「そんな夏」と言い切ってしまうことで、「言えたらいいな...」だけに限らず、そんな主人公の妄想が一体どこからスタートしていたのか、分からなくなります。もしかしたら、最初から妄想?しかし、そんな理想形を妄想させられるからこそ、「そんな理想を目指そう!」と、夏のアゲアゲナンバーに、リスナーの心も火をつけられるのです。
こっちがつい妄想してしまう、夏の飛びきりラブソング
出典元:(YouTube:Victror Entertainment)  初めから惹かれてた  今になって思う  違和感は恋だと  この夏は何か違う  やけに胸が騒ぐ 藤田麻衣子の夏のナンバー『この恋のストーリー』は、夏のドキドキ感がたっぷり詰まった、ドラマティックなラブソング。そんな“違和感”だって胸騒ぎだって、「今年は何か違う」と思う予感だって、全ては主人公の心の中にある、どこか不確かなもの。女の子であれば毎年、この時期にはこんな風に思っているものではないでしょうか。  花火が夜空を染める  そんな夜は隣にいたい  息が詰まりそうな  ときめき 勇気を出して  特別な君の特別な人になりたい この曲の主人公は、自分の中の感情が徐々に露わになっていきます。「隣にいたい」「特別な人になりたい」という願望が、より一層その気持ちを増長させています。この曲では、そんなひと夏のストーリーがしっかりと展開されていきます。  急に届くメール   「どこで待ち合わせる?」  慌てて浴衣や髪型どうしよう  花火が夜空を染める  この景色きっと忘れない  こんなにも誰かを好きになることなかった  一年後も十年後も君に恋をする まるで少女漫画のように展開していく胸キュンのストーリー。この曲の主人公が抱いていた、「何か違う」という感情が、最終的に現実のものとなりました。こんなストーリーが、実際この夏に起こったらいいな!そんな風に、誰もが羨むような歌詞ですよね。でもそれが、夏ソング1番の醍醐味。歌詞の中で実際のものとなっていく展開は、何よりそれを妄想してしまうリスナーのためにあると言えます。 夏のナンバーにおける妄想、そして現実は、リスナーにとっての妄想に繋がります。これから来る夏に向かって、そんな妄想を掻き立てられるような、ドキドキと胸騒ぎが感じれるナンバーを取り揃えてみました。そんな夏ソングのように、飛びっきりの夏を過ごせるかどうか、そんな歌詞を読み取りながら、ぜひ聞いてみて下さい。
kimkim
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