「旅と音楽:パリ」〜フランス憧れの芸術の都

「旅と音楽:パリ」〜フランス憧れの芸術の都
栗本斉
栗本斉
エッフェル塔、凱旋門、シャンゼリゼ通り、そしてたゆたうセーヌ川。フランスの首都パリほど絵になる街はないかもしれません。実際、パリを舞台にした芸術は無数に存在します。古くは多くの画家を輩出し、この地を舞台に多数の映画が撮影されました。音楽だって同様。この美しい街の風景を切り取るように、たくさんの名曲が生まれています。 日本でパリを象徴する音楽というと、最初に思い浮かぶのが、いわゆるフレンチ・ポップスでしょう。あくまでもフランスの大衆音楽という意味ですが、とくにフランス・ギャルやシルヴィ・バルタンを筆頭にキュートな女性シンガーというイメージが濃厚。また、フランソワーズ・アルディやジェーン・バーキンといったちょっとアンニュイでアダルトな雰囲気のシンガーも、日本では人気があります。 こういった女性シンガーを演出したひとりが、セルジュ・ゲンスブール。彼はシャンソン歌手としてデビューしましたが、ブリジット・バルドーやジェーン・バーキンをプロデュースして成功を収め、スキャンダラスな話題を振りまきながら先鋭的な問題作を発表し続けました。真っ先にレゲエを取り入れるなどトリッキーな反面、美しい楽曲を書くメロディメイカーとしても評価が高いです。 パリを象徴する音楽は、もちろんフレンチ・ポップスだけではありません。エデット・ピアフ、シャルル・アズナブール、ジュリエット・グレコといった古くからのシャンソンも馴染み深いし、アコーディオンが奏でるミュゼットもよく耳にします。また、移民の街だけに、アフリカや中東などから来たワールド・ミュージックもパリを象徴する音楽です。 最近では、二世ミュージシャンの活躍も目立つようになりました。シャルロット・ゲンスブールやルル・ゲンスブール、そして女優でもあるルー・ドワイヨンなどは音楽的にもセールス的にも成功を収め、パリ発の音楽シーンを牽引する存在となっています。この街はいつだって話題を欠くことはないのです。
Comment Te Dire Adieu? / Francoise Hardy
出典元:(YouTube:TheSenbee) ▼フレンチ・ポップ・アイコンのひとりがフランソワーズ・アルディ。この曲は「さよならを教えて」というタイトルで、1973年に日本でも大ヒット。ユーミンにも多大な影響を与え、「私のフランソワーズ」という曲が生まれたのは有名な話。
Je Suis Venu Te Dire Que Je M'En Vais / Serge Gainsbourg
出典元:(YouTube:Yan Kuzmin) ▼数々の女優と浮き名を流し、その上で彼女たちをポップ・スターへと育てた伊達男、セルジュ・ゲンスブール。プロデューサーとしてはもちろん、ソロ・アーティストとしてもフランスでは別格の存在です。こんなセンチメンタルな歌をさらりと歌えるのも魅力。
Where To Start / Lou Doillon
出典元:(YouTube:LouDoillonVEVO) ▼映画監督のジャック・ドワイヨンとジェーン・バーキンとの間に生まれたサラブレッドのルー・ドワイヨン。最初は女優としてデビューしますが、シンガー・ソングライターとしての才能も発揮。この曲を含むアルバム『Lay Low』(2015年)も大きな評価を得ました。
栗本斉
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