なぜこの曲が100万枚売れなかったのか!? ~このJ-POPの片隅に~

なぜこの曲が100万枚売れなかったのか!? ~このJ-POPの片隅に~
ふくりゅう
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音楽ファンが集まると、“なぜこの曲が100万枚売れなかったのか!?”というテーマでトークをすると盛り上がる。しかし、その逆もしかり。ファン以外に注目されていなかった楽曲が、とあるきっかけで100万枚を超える爆発的大ヒットとなる場合があるのだ。 例を挙げてみよう。その曲とは、米米CLUBの「浪漫飛行」だ。 当初は、ブレイク前の1987年リリースの3rdアルバム『KOMEGUNY』、3曲目に収録されていたアルバム曲だった。えっ、あの国民的ヒット曲がアルバム曲だって? なぜ?  「浪漫飛行」が大々的に注目されたのは1990年、日本航空沖縄リゾート・キャンペーン『JAL OKINAWA'90』のテーマソングとしてシングル・カットされてからだ。その後「浪漫飛行」はミリオン・セールスを突破。米米CLUBは大ブレイクを果たし、1992年にリリースしたシングル「君がいるだけで」が300万枚という驚異的なセールスを記録したことで国民的バンドとなった。 そんな中、米米CLUBで “なぜこの曲が100万枚売れなかったのか!?”と思わせる楽曲としてレコメンドしたいのが「ヴィーナス」と「PARADISE」だ。思わず口ずさみたくなるキャッチーなメロディー、シティポップなセンスなど2017年の“いま”を感じさせる楽曲なので聴いてみてほしい。
TM NETWORK「Be Together」ブレイク秘話
TM NETWORKの代表曲といえば、この春リリースされ、何かと話題のTM NETWORKの4枚組CDアルバム『GET WILD SONG MAFIA』に36曲収録された「GET WILD」だろう。 一般的には「Be Together」も知られるところではあるが、本作は1994年のTMN終了後、1999年にTKプロデュースの元、鈴木あみのカバーによって人気曲となったパターンだ。もともとTM NETWORK版「Be Together」はシングル・カットされておらず、ライブで盛り上がるナンバーとして、1987年リリースの5thアルバム『humansystem』の3曲目に収録されていたアルバム曲だった。 小室曰く、BOØWYが1986年にリリースした「B・BLUE」のヒットを意識して誕生した楽曲であり、ゆえにタイトル始まりが“B”つながりだという。ギターはB’zの松本孝弘、ドラムにはREBECCAの小田原豊という豪華ミュージシャン参加となったレコーディングも気になるところだ。ぜひ、プレミアムなプレイを耳を澄まして聴いてみてほしい。 そんなTM NETWORKで“なぜこの曲が100万枚売れなかったのか!?”、“なぜシングルシングル・カットしなかったのか?”、“なぜカバーをしないのか?”と思わせる楽曲としてレコメンドしたいのが1987年リリースの4thアルバム『Self Control』収録の10曲目「Here, There & Everywhere (冬の神話)」だ。小室哲哉が中学2年生の頃に作った楽曲としてコアなFANKS(TMファンの意)の間で知られる人気チューンだ。 ▼「Here, There & Everywhere(from TM NETWORK 30th FINAL)」
出典元:(YouTube:avex) さらにもう1曲。FANKSの間で圧倒的人気を誇るTM曲が、実は木根尚登作曲であることをご存知だろうか? 「Fool On The Planet (青く揺れる惑星に立って)」と言う名曲の存在を知ってほしい。10CCを彷彿とさせる多重コーラスを取り入れた小室哲哉による絶妙なアレンジ。宇都宮隆による心を奪われる甘い歌声。そして、小室みつ子によるエモすぎる歌詞の魅力。“ただのdreamer人は言うけれど この地上に溢れる全ては 僕に似た昔の誰かが 夢見てはかなえてきたもの”と言うフレーズが持つドラマティックすぎる魔法めいた魅力に注目してほしい。
なぜこの曲が100万枚 大ヒットしなかったのか?
このように、ヒット曲とは必然的に生まれるのは難しく、幾たびもの偶然が重なり合うことで誕生していくことがある。ヒット曲を生み出すには、ヒットするまでやり続けること、それが答えなのかもしれない。 そんな中、“なぜこの曲が100万枚売れなかったのか!?”をテーマに、思い入れたっぷりのナンバーを挙げていこう。聴き放題サービス時代、新譜も旧譜もフラットに扱われる時代となってきている。それこそ、ひょんなきっかけで、J-POPの片隅に埋もれていたかもしれない「浪漫飛行」や「Be Together」のような、時代を超えていく思わぬヒット曲が生まれるかもしれない。ぜひ、お宝曲をチェックして、よかったら自分なりのプレイリストを作ってみてほしい。
プレイリスト収録曲解説
Chara「Break These Chain」 1stアルバム収録の心震える美しきピアノ・ナンバー。 ZELDA「黄金の時間」 1979年結成、ガールズ・バンドの元祖ZELDA。 種とも子「ゲンキ力爆弾」 キュートな歌声で、ユーミンっぽいところにも惹かれたのです。 Rie fu「decay」 凛とした真っ直ぐな眼差し、儚さの中に秘める力強い美しさ。 おおたえみり「集合体」 どう考えても天才的すぎる圧倒的才能を誇るナンバー。 高宮マキ「鍵穴」 ゴスペル的でありソウルフルな魂を震わすナンバー。 小谷美紗子「off you go」 悲しさと怒りと美しさと。最強のピアノポップ。 安藤裕子「水色の調べ」 宝石のように煌めくカラフルなポップチューン! 忌野清志郎「毎日がブランニューデイ」 生前最後のスタジオ・アルバムより、最高にポップな人生賛歌。 石橋凌「AFTER’45」 心から戦争反対といえる、時代を超えていく心の名曲。 Monkey Majik「Lily」 インディーズ時代のミドル&メロウなポップロック・チューン。
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