C-POPの魅力が詰まった台湾のグラミー賞:金曲賞

坂井彩花
突然ですが、「音楽って、なに聴くの?」って聞かれたらなんて答えますか。邦楽? 洋楽? はたまたK-POPでしょうか。おそらく「C-POPなんだよね」っていう人、多くはないと思うんです。Chinese POPこと、C-POP。今回は、その中でも台湾の音楽に絞ったイベントに参加してきました。

題して、トーク&ライブ『台湾最大の音楽賞 金曲奨を探る』。このイベントは『ディープ台湾編』と『ポップス編』の2部構成になっていて、台湾文化センターにて2日間に渡って開催されました。最初は「良さがわからなかったらどうしよう……」って、ちょっと不安だったんです。でもイベントに参加してみたら、めっちゃ台湾音楽を聴いてみたい! って思えました。ということで、初心者でも魅了されてしまった台湾音楽の世界をお届けします♪

そもそも金曲奨ってなに?

▼2017年6月24日、台北アリーナで開催された第28回金曲奨の模様

▼2017年6月24日、台北アリーナで開催された第28回金曲奨の模様


イベントタイトルにも入っている“金曲奨”(日本語だと金曲賞、英語ではGolden Melody Awards)が、まず何ってところからですよね。“金曲奨”は簡単にいうと、台湾のグラミー賞なんです。台湾では最高峰に位置する名誉ある賞で、中華圏の言語の作品であれば全世界のアーティストが対象となります。何がすごいって、公平・公正を追求した音楽賞だということ。有名も無名も関係ない、誰にだって受賞チャンスのある賞なんです。選考委員が何か月にも渡って全部の曲を聴き、優秀な音楽を平等に選ぶ。そして、その選考に歌詞はそこまで加味されず楽曲の良さが評価されるっていうところもポイントの1つです。

さすが多民族国家! 言語で分けられた部門

“金曲奨”という括りは1つなのですが、それに応募できる部門は言語によって分けられています。音楽性じゃなくて言語で分けるなんて、さすが多民族国家ですよね! 面白い!気になる部門は中国語、客家語(ハッカご)、台湾語、原住民語の4つ。実はこの4言語、全く違う音楽性で発展していくんです。

例えば、台湾語は日本の統治時代の影響を色濃く反映しています。それなので、日本の歌謡曲とか演歌みたいな音がするんですよ。日本の80年代みたいな音が今鳴ってるって、すごく不思議。客語音楽に至っては、寺院でライブしていた時代もあるんですって。あんまり想像つかないですよね、そういうの。音楽のルーツも山歌や童謡らしく、日本では評価されなさそうなものでびっくり。それが適宜適正で評価されるんだから、台湾は本当に音楽に対しても寛容な国なんだなと思わずにはいられませんでした。

台湾のロックスター伍佰登場!


1日目のライブアクトで登場したのは、台湾のロックスター(らしい)伍佰さん。風貌は違えど空気感は、ディーンフジオカさんみたい。正直、パッと見でロックスターな感じはあんまりしませんでした。「謎のおじさん登場…」っていう感想(笑)。

出典元:(YouTube:UNIVERSAL MUSIC TAIWAN 環球音樂)


こちらが、そんな彼のMV。(むむむ…、絶妙にダサくない?)
キラキラしているわけでもないし、テクニカルなフレーズを弾いてるわけでもないし、正直なところ一般的な若者に刺さる気はしませんでした。
そんな彼の何が魅力なんだろうって不思議だったんですけど、その日のコメンテーターの倪(ニー)さんがひも解いてくれてストンっと腑に落ちました。


「彼の魅力は、完璧じゃないところなんだよ。ズバ抜けて歌が上手いわけでもなければ、言葉も訛りが強い。それでも伝えようとしているから伍佰はロックスターなんだよ」と。
それは、確かにかっこいい!! 誰しも欠点って見せたくないじゃないですか。かっこよく見せたいし。それにも関わらず、一生懸命に自分の音楽をしている伍佰さんは素直にかっこいいと思いました。

若きQueen Of Hip-Hop Miss Ko君臨!

2日目のライブアクトで登場したのが中華圏初の女性ラッパー&シンガーのMiss Ko さん。登場した瞬間からキラキラした笑顔だったので「あ、好き」ってなりました。一瞬で人の心を盗むほど、本当に魅力的!

出典元:(YouTube:UNIVERSAL MUSIC TAIWAN 環球音樂)


こちらが、彼女のMVなんですけど……え、ちょっ、かっこいいじゃないですか。普通に日本の若者も好きそうな感じでびっくりしました。SuchmosやRIRI好きな人には絶対に聴いてもらいたいですね。


私たちが普段耳にしているラップって“日本語×英語”か“英語オンリー”じゃないですか。だからなのか、中国語の響きで繰り広げられるラップがすごく新鮮に映りました。音の乗せ方も韻の踏み方も日本語と違う中国語ラップ。意味がわからなくても、かっこよさはわかるので彼女はやっぱり伝わる音楽をしているのだと実感しました。ライブ自体もファンの人を煽ったり躍らせたりしていて、ライブ感があって楽しかったです。

寛大な台湾音楽ならお気に入りの1曲に出会える

初めてまともに聴いた台湾音楽。なによりも感動したのは、音楽自体の懐の広さでした。日本にいると方言を活かした音楽や原住民の言語を文化として語り継ぐ音楽って、ヒットチャートにはあがってきませんよね。ましてやテレビで放送される○○賞とかにノミネートすることもない。でも、台湾は金曲奨という形でそれを次の世代に受け継ごうとしている。それと同時に、レゲエやロックなどの新しい音楽も柔軟に取り入れようとしている。音楽に対して間口を広く構えつつも、大切なところを残しておこうとする姿勢にとても好意を持ちました。それと同時に、色々な音楽の良いところを吸収して残している台湾音楽なら絶対にお気に入りの1曲に出会える気がしました。邦楽や洋楽で、なんか物足りなさを感じているアナタにこそC-POPを聴いてほしい。台湾音楽を聴いてほしい。心の底からそう思える素敵な2日間でした。



台日クリエーター・トークセッション決定!

このコラムを見て「あぁ、行ってみたかったなぁ」と後悔したアナタ。実は2017年9月3日(日)にも、同じように台湾音楽に触れられるイベントがあるのです。その名も『台日クリエーター・トークセッション』。こちらの回は、音楽を中心として台湾と日本のクリエイター交流に焦点を当てたイベントになっております。予約さえすれば入場無料なので、お時間がある方はぜひ行ってみてくださいね!



※写真提供:SPACE SHOWER NETWORKS INC.、TAIWAN TV、KKBOX Taiwan
坂井彩花

ライター。1991年生。音楽記事を軸に恋愛・妄想・ネタとか色々。音楽と人とお酒が好き。 主な掲載先:『Diggity』『DOMO+』『MTRL』『Eggs』『avexコラム』etc…   twitter:ayach___  過去記事まとめ:https://matome.naver.jp/odai/2149374870505904501

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