夏の甲子園100回記念SP〜ブラバン!甲子園で「夏の甲子園」を10倍楽しむ

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この夏、100回目を迎える「夏の全国高校野球選手権」。今年の夏も白球を追いかける球児たちの姿に、私たちは世代を問わず歓喜し、涙してしまうことでしょう。そして甲子園のもうひとつの主役が、アルプススタンドで熱い応援を繰り広げる各高校の吹奏楽部。ここ数年で「ブラバン甲子園」という言葉が定着するほど、各出場校の吹奏楽部の演奏が注目されています。今回は高校野球ブラバン応援研究家で、『ブラバン甲子園大研究』の著者である梅津有希子さんの長年にわたる取材から、「ブラバン甲子園」のとっておきのエピソードを紹介します。KKBOXのプレイリストとあわせてお楽しみ下さい。

球児だけじゃない!高校生たちの熱い夏

まずは、第100回全国高校野球選手権記念大会を記念して制作された「栄冠は君に輝く」ダンス篇の映像をご紹介します。普段はライバルとしてしのぎを削っている同志社香里高校、大阪府立今宮高校、大阪府立登美丘高校のダンス部が、阪神甲子園球場で共演。そして演奏、合唱を兵庫県尼崎市立尼崎高校が担当したこの映像は、誰の心にも響く応援曲になっています。プレイリストでは、昨年東京・NHKホールで開催された「ブラバン!甲子園ライブ~1都3県編~」に出演し、高校生とは思えない力強い歌声が話題となった鈴木瑛美子さんの「栄冠は君に輝く」を収録しているので、こちらも是非聴いてみてください。


出典元:YouTube(朝日新聞社)

また、史上初となる2度目の春夏連覇を狙う大阪桐蔭高校は、吹奏楽部も強豪校で全日本吹奏楽コンクールに過去10回出場し、4度の金賞を受賞しています。グラウンドでのゲームも、アルプス•スタンドの演奏も、どちらも目が離せそうにありません。

出典元:YouTube(UNIVERSAL MUSIC JAPAN)

誰もが知っているあの応援曲は天理高校のオリジナルだった

チームにチャンスが訪れた時に演奏される「ファンファーレ」と「ワッショイ!」は、高校野球を観戦した人ならおなじみの応援曲ですが、なんとこれは甲子園の常連校である天理高校のオリジナル曲なのです。「ファンファーレ」は「アクシンカッキー序曲」のフレーズをアレンジし、1959年から使用。「ワッショイ!」は、応援に来る一般のお客さんが参加しやすいようにと作られ、1972年の夏の甲子園から演奏が始まったそうです。現在「ワッショイ!」は、ランナーが2塁、3塁の際に演奏されるのが基本ルールとのことで、演奏する機会がなかった時は“なぜ今日は「ワッショイ!」を演奏しないの”と学校に問い合わせがくるのだとか。この応援曲は50年後も、100年後も残っていくのでしょうね。

人気No1の応援曲は「アフリカン・シンフォニー」

高校野球応援曲で一番人気のある曲は、なんの曲だと思いますか? それは1974年に発表されたヴァン•マッコイのディスコ・ミュージック「アフリカン・シンフォニー」です。この曲は、智辯和歌山高校が全校生徒の大きな声を生かし、相手に威圧感を与えるような曲として演奏するようになり、全国に広がりはじめました。そして「アメリカン・シンフォニー」を「智辯」と呼ぶ学校も少なくないそうです。ディスコ•ミュージックが、日本の高校野球の応援に欠かせない曲になっているなんて驚きです。

もう聴くことができないPL学園の「ウイニング」と「ヴィクトリー」

甲子園の常連校で春夏7回の優勝を誇るPL学園野球部は、残念なことに2106年夏の大会を最後に休部、あの印象に残る巨大な人文字も見ることができなくなりました。PL学園の応援曲はオリジナルが多いのも特徴。「ウイニング」は国語を担当していた正井一真先生が作曲し、PL学園にとって欠くことのできない応援曲になりました。また桑田真澄、清原和博のKKコンビの時代に“もっと応援曲を増やそう”と作られたのが「ヴィクトリー」。PL学園の強力な攻撃とともに、この応援曲を嫌というほど聴かされた対戦校も多かったことでしょう。そしてこの応援曲は、2016年に甲子園に出場した佐久長聖高校の吹奏楽部によって演奏され、甲子園ファンを沸かせました。

ブラバン応援曲で懐かしい歌が人気の理由

甲子園の応援曲には懐かしい曲が多いと思いませんか。その代表曲のひとつ、山本リンダの「狙いうち」は、いまから45年前のヒット曲です。もともと明治大学のOBに作詞家の阿久悠がいたことから、明治大学で応援曲に取り入れ、それが高校野球にも普及していったそうです。これに対抗して“他の流行歌を使いたい”という風潮があったのか、ピンク•レディーの「サウスポー」も使われるようになりました。ちなみに両曲とも作詞を阿久悠、作曲を都倉俊一という昭和のヒット曲メーカーが手がけています。やっぱり時代を超えて受け継がれる名曲なんですね。

「ブラバン甲子園大研究」を読んで、夏の甲子園を楽しもう!

今回ご紹介した「ブラバン甲子園」をさらに深く知りたい方は、梅津有希子さんの『ブラバン甲子園大研究』(文春文庫)を是非チェックしてみてください。中高生時代に吹奏楽部の強豪校で過ごし、現在は大人気の「ブラバン!甲子園ライブ」でMCと構成を担当する梅津さんだからこその視点で、数々のブラバン甲子園のトリビアなお話が紹介されています。

そして今年のアルプス•スタンドの注目の学校を、梅津さんに選んで頂きました。どの学校の演奏も聴いてみたくなりますね。

●近江高校の洋楽応援メドレー。今年の選抜で応援をフルリニューアルしました。
    ●佐久長聖がやるPL学園応援曲(「ウィニング」と「ヴィクトリー」)。監督がPL学園出身です。
   ●常葉大菊川の「エル・クンバンチェロ」。ラテン音楽が上手な学校で、とてもかっこいいです。
   ●智辯和歌山の新曲「ミラクル・ショット」。報道ステーションのスポーツコーナーの曲です。
   ●前橋育英のオリジナル曲「Run and Go」。グロッケン(鉄琴)が多いのも特徴です。
   ●浦和学院のオリジナル曲「浦学サンバ」。ノリがよくアルプスが明るくなります。
   ●報徳学園の「アゲアゲホイホイ」(サンバ・デ・ジャネイロ)。近年大流行中の応援の元祖です。
   ●横浜高校の応援。男子の野太い迫力と圧がすごい。2020年から共学化されるので、この応援も来年まで。

最後に、梅津さんに「ブラバン甲子園」をテレビ観戦でも楽しむ方法を教えて頂きました

テレビの音量を25以上に上げると、吹奏楽の応援がよく聴こえておもしろいです!
わたしのツイッター(@y_umetsu)で、「#ブラバン甲子園」というハッシュタグで、現地からブラバン応援を解説しながらツイート中継します。ツイートを見ながらテレビを見ていただくと、より楽しめると思います!

梅津さんによる解説ツイッター中継で楽しむ「夏のブラバン甲子園」、とても楽しみです。皆さんも是非チェックしてみてください。100回目を迎える夏の甲子園。グラウンドでの熱戦とともに、アルプス•スタンドの吹奏楽部の熱い演奏に耳を傾けてみませんか。


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