Hi-STANDARDが日本の音楽シーンにもたらした衝撃とは?

邦楽 総合 特集
森朋之

4月22日、Hi-STANDARD(PIZZA OF DEATH RECORDS)の楽曲がついにストリーミング・サービスで解禁された。

出典元:YouTube(histandardofficial)

2019年6月にPIZZA OF DEATH RECORDSの代表・横山健(Hi-STANDARD、Ken Yokoyama)が、「ピザオブデスレコーズの音源をサブスクリプションで聴けるようにします」と宣言し、その第一弾としてWANIMAが同レーベルからリリースしたタイトルを開放。その後、約10ヶ月のインターバルを経て、ハイスタの音源が満を持して“サブスク解禁”されたというわけだ。そこでここでは、PIZZA OF DEATH RECORDS、そして、Hi-STANDARDが日本の音楽シーン/パンクシーンに与えたとてつもなく大きな影響について改めて紹介したい。


PIZZA OF DEATH RECORDSとは?


PIZZA OF DEATH RECORDS(以下“PIZZA”)が設立されたのは、1994年。最初のリリース作品はハイスタのアルバム「LAST OF SUNNY」で、当初はTOY’S FACTORYのレーベル内レーベルという形だった。1999年に発表されたアルバム「MAIKING THE ROADS」の大ヒットによって、メロディック・パンクのみならず、一般的な音楽ファン、ロックファンにまで浸透したハイスタ。日本にパンクロック/メロディック・パンクを定着させたことはもちろん、PIZZAから数多くのバンドを輩出したことも、彼らのきわめて大きな功績だ。HUSKING BEE、SUPER STUPID、BBQ CHICKENS、HAWAIIAN6、ASPARAGUS、そしてWANIMA。


出典元:YouTube(pizzaofdeathofficial)


出典元:YouTube(pizzaofdeathofficial)


出典元:YouTube(pizzaofdeathofficial)


出典元:YouTube(pizzaofdeathofficial)


The Offspring、Rancid、NOFX、BAD RELIGION、GREEN DAYといった洋楽バンドとリアルタイムで重なりながら、国内のバンドキッズを熱狂させ、圧倒的な支持を得たPIZZA発のバンドは、まちがいなく日本のシーン、ライブの在り方を変貌させた。そのもっとも大きな要素は、メジャー資本に頼らないDIY精神、そして、リスナーに対し、“おまえらには無限の可能性がある”というポジティブな意思を与えたことだろう。PIZZAがもたらしたインパクトは、BRAHMAN、dustbox、04 Limited Sazabysをはじめ、多くのバンドに大きな影響を与えていることも記しておきたい。

また、ハイスタを中心に行われた伝説的フェス「AIR JAM」、PIZZA主催のロックフェス「SATANIC CARNIVAL」など、パンク、ラウドロック、ハードコアを軸にした大規模イベントを成功させたこともきわめて重要。“バンドが主体となり、明確な意志とコンセプトを掲げたフェスを行う”と言うスタンスは、10-FEETを中心とした「京都大作戦」、SiM主催による「DEAD POP FESTiVAL」、04 Limited Sazabysが立ち上げた「YON FES」などに引き継がれている。


ハイスタ いま聴くべき3曲

横山健、難波章浩、恒岡章を中心に1991年に結成され、パンクシーンはもちろん、日本のロックの歴史に大きな軌跡を刻んできたハイスタ。ストリーミングサービス解禁を機に、彼らのキャリアを象徴する楽曲を紹介しよう。


出典元:YouTube(histandardofficial)


「MAXIMUM OVERDRIVE」

1995年に発表された1stアルバム「GROWING UP」の1曲目に収録。圧倒的なスピード感と勢いに貫かれたバンドサウンド、キャッチ—なギターリフとシンガロング必至のメロディがひとつになったこの曲は、初期のハイスタを象徴する楽曲であると同時に、90年代半ばのメロディック・パンクムーブメントの発火点となった。粗削りながら、サーフロック的なハーモニーや緩急自在のアレンジを含め、このバンドの音楽的ポテンシャルの高さも感じられる。


出典元:YouTube(pizzaofdeathofficial)


「STAY GOLD」

一瞬にしてリスナーを興奮へと導くイントロのギター、一気にトップスピードに達するビート、濃密なエモーションを放ちまくるメロディ、そして、大合唱必至の「I won’t forget/when you said to me “stay gold”」というサビのフレーズ。日本のメロコア史上に輝く4thアルバム「MAKING THE ROAD」に収められた「STAY GOLD」は、楽曲のテイスト、サウンドの質感、歌詞のメッセージ性を含め、ハイスタというバンドを完璧に体現しているナンバーだ。

出典元:YouTube(pizzaofdeathofficial)


「ANOTHER STARTING LINE」

2016年10月、事前告知がまったくない状態で突如CDショップに出現した、じつに16年ぶりとなるシングル曲。ずっしりとした重量感と圧倒的なグルーヴを兼ね備えたサウンド、大らかさなスケール感と備えたメロディがぶつかり合うこの曲によってハイスタは、完全再始動を強烈に印象付けた。“これはもうひとつのスタートライン/キミと僕への”という意味のサビのラインに感激の涙を流したファンは数知れず。そして3人のストーリーは、2020年の現在もさらに先に向かった進んでいるーー。


森朋之

音楽ライター/’00年頃からライター活動をスタート。J-POPを中心に幅広いジャンルでインタビュー、執筆を行っている。個人的に好きなジャンルは、ストーンローゼズ、オアシス、プライマルスクリームなどのUKロック。