氷室京介に学ぶ 男の色気とダンディズム

氷室京介に学ぶ 男の色気とダンディズム
森朋之
森朋之

氷室京介の全楽曲が2020年7月21日、ついにストリーミング配信された。2016年5月の東京ドーム公演『LAST GIGS』でライブ活動を無期限休止した氷室。1988年のソロデビュー曲「ANGEL」から2016年リリースのベストアルバム『L’EPILOGUE』までの全373曲が解禁されたことで、稀代のカリスマシンガーとしての存在感に再び注目を集まっている。ここでは、氷室京介の色気と官能、男のダンディズムがたっぷり感じられる楽曲を紹介!


BREATHLESS


アルバム「SHAKE THE FAKE」(1994年)収録。煌びやかなシンセを中心にしたゴージャズなサウンド、抑制と解放感をバランスよく備えたメロディとともに放たれるのは、<俺の胸にknifeのように/痕がつくKissが欲しい>というフレーズ。耽美性と攻撃性を同時に響かせるボーカルをたっぷり味わえるこの曲は、90年代の氷室京介の隠れた名曲だ。


Waltz

出典元:YouTube(OFFICIAL WEB SITE HIMURO.COM)


アルバム「MISSING PIECE」(1996年)収録され、翌年シングルカットされたバラード。憂いに溢れた旋律、アコギとストリングスの重厚なアレンジ、そして、<悲しみに濡れた夜は/優しさを重ねあった>という歌詞が重なり合い、聴く者を穏やかな悲しみで包み込む。希望と情熱を抱えて生きていた日々に思いを寄せ、一人、静かに佇む男を描き出すボーカルはまさに絶品だ。


STOMY NIGHT


アルバム「Higher Self」」(1991年)収録。バラードベスト「Ballad?La Pluie」の1曲目を飾り、ファンの間でも支持されている。嵐の夜、孤独を抱えた二人が抱きしめ合い、ひと時の安らぎを得る姿を描いたこの曲は、まるで映画のワンシーンのように美しくも切ない情景を想起させる。幻想的なサウンドメイク、むせび泣くサックと氷室の声が絡み合うアレンジも素晴らしい。


MOON


同じくアルバム「Higher Self」に収録された「MOON」は、アコギ、ピアノの音色を活かしたアレンジが印象的なナンバー。過去の思い出や後悔に苛まれながら、<なにもかも ひとつになれるまで><ずっとみつめてほしい>という切実な思いを歌い上げる氷室の歌声には、孤独、優しさ、憂いといった繊細な感情が込められ、リスナーの心を強く揺さぶる。


YOU’RE THE RIGHT


ミリオンセールスを記録したシングル「KISS ME」(1993年)のカップリング曲(アルバム「Memories Of Blue」収録)。<心を求め過ぎて/いつでも 傷つくだけの二人>に象徴される切なさと愛おしさが絡み合う歌詞は、まさに大人の恋愛ソング。男の色気、悲しみを滲ませながら、スタジアムサイズのロックチューンとして成立されるボーカルに圧倒される。


堕天使


アルバム「I・DE・A」(1997年)収録。エキゾチックな音像、壮大なストリングスを取り入れたアレンジのなかで描かれるのは、情熱と退廃が絡み合うセクシーな恋愛。<愛は冷めたって/嘘の裏側で/熱病のように熱い指>という美しいラインは、日本のポップスを代表する作詞家・松本隆によるもの。「堕天使」というモチーフと氷室の憂いを帯びた歌声のコントラストに心を打たれる。


NATIVE STARANGER

出典元:YouTube(OFFICIAL WEB SITE HIMURO.COM


同じくアルバム「I・DE・A」に収められたこの曲は、スティーブ・スティーブンス(マイケル・ジャクソンとの共演でも知られるロック・ギタリスト)のギターが炸裂するアッパーチューン。“生まれながらのストレンジャー”を意味する曲名通り、いつも孤独を感じ、<なぜここにいまがあるかを 知りたい>と叫ぶ歌詞は、孤高のカリスマシンガーとしての氷室のイメージと強く重なる。


SEX&CLASH&ROCK’N’ROLL


2016年5月23日に東京ドームで行われた「KYOSUKE HIMURO LAST GIGS」ファイナル公演のアンコールでも披露されたこの曲は、ソロ1stアルバム「FLOWERS for ALGERNON」に収録。軽やかなロックンロールに乗せて、<くせになるくらいDeep&Slow><今スリルに溺れたい>というフレーズをカッコよく決められるシンガーは、やはり氷室京介だけだ。



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