【特集】新譜の“ウラガワ”|スガ シカオが自ら紐解くソウルアルバム「Acoustic Soul 2014-2024」の魅力
ソウルフルな音楽性と人間の深層心理をとらえた歌詞で、多くの人の心を掴むシンガーソングライター・スガ シカオ。
このたび2024年10月30日に、メジャー復帰10年のスペシャルリリースとして、アルバム「Acoustic Soul 2014-2024」がリリースされました。同リリースを記念して、今回au・スマプレミュージック・KKBOXでは、アーティスト自身による楽曲解説企画「新譜の “ウラガワ”」にスガ シカオさんをお迎えしました。この解説を聞けば、スガ シカオさんのルーツを知れるだけでなく、「Acoustic Soul 2014-2024」をより楽しめること間違いなし。ここでしか聞けない秘話もたくさん飛び出していますので、コラムはもちろん音声コンテンツもあわせてお楽しみください。
シンガーソングライター・スガ シカオは、1997年2月26日に「ヒットチャートをかけぬけろ」でデビュー。現代社会や人間の心情に深く切り込む歌詞と、ソウルフルなサウンドで多くのファンを惹きつけてきました。SMAPの「夜空ノムコウ」やKAT-TUNの「Real Face」など、数多くのヒット曲の詞曲提供も行い、その才能を発揮しています。
2011年に所属事務所から独立し、メジャーとインディーズ枠を超えた独自の活動をスタートさせましたが、2014年にシングル「アストライド/LIFE」でメジャーシーンに復帰。2020年には新型コロナウイルス感染拡大の中で医療従事者への感謝を込めた楽曲「あなたへ」を、友人である桜井和寿(Mr.Children)や岡野昭仁(ポルノグラフィティ)とともに制作し、YouTubeで公開。このように、音楽を通して社会にメッセージを届け続けています。
2022年には25周年を迎え、スペシャルライブを東京と大阪で開催。さらに、一流のスケーターたちがパフォーマンスを繰り広げる「fantasy on Ice 2022」にて、フィギュアスケーターの羽生結弦とコラボレーションするなど、多岐にわたる活動で注目を集めました。
そんなスガ シカオが、メジャー復帰10周年を経てリリースするアルバムが「Acoustic Soul 2014-2024」です。本作は2014年にメジャー復帰を決意し、インディーズ最後の作品として制作されライブ会場のみでパッケージリリースされた「ACOUSTIC SOUL」と、2020年に通販のみでパッケージリリースされた「ACOUSTIC SOUL 2」のそれぞれから選曲した4曲に新録6曲を加えた全10曲、生演奏中心の「オレ流Soul Music」=「Acoustic Soul」です。スガ シカオのソウルミュージックの根幹と、2026年に控えるデビュー30周年に向けた胎動を感じられるグルーヴ・ソウルミュージックアルバムです。
初回生産限定パッケージには自身初となる自伝的エッセイ集「実録小説 ヤグルトさんの唄」も同梱。230ページを超える文庫本装丁で、自身の母親(ヤグルトさん)との半生が描かれています。さらに、このアルバムを引っ提げ、2024年12月から2025年3月まで全国ツアー「Shikao & The Family Sugar TOUR ~Acoustic Soul~」の開催も決定しています。
今回auスマプレミュージック・KKBOXでは、「Acoustic Soul 2014-2024」のリリースに伴い、アーティスト自身がアルバムの全収録曲を解説する音声付きのプレイリストを限定公開。各楽曲に対する思い入れや制作秘話を知ると、新たな視点で「Acoustic Soul 2014-2024」を楽しめること間違いなし。ここからは、同音声コンテンツを書き起こし、コラムとしてお届けします。
オープニング
auスマプレミュージック・KKBOXをお聞きの皆さん、こんにちは。スガ シカオです。今回はauスマプレミュージックさん、そしてKKBOXさんとのコラボで、僕のニューアルバム「Acoustic Soul 2014-2024」を僕自身が全曲解説する特別企画です。イェーイ、いいですね。
2024年を振り返って
2024年はものすごく忙しくて、1月1日、えーっと、その前の12月後半ぐらいからですね。制作に取りかかりまして、結構それが詰め詰めのスケジュールでギリギリで上がりまして、その後はですね、夏フェスなんかにもたくさん出たりとか、春フェスもね、たくさん出ましたけども。そんなことをしているうちにですね、もうスケジュールがパンパンになってしまい、その忙しいスケジュールの合間をぬって、コツコツコツコツ、「Acoustic Soul 2014-2024」というアルバムを作っていったわけなんですけれども。
アルバムコンセプト〜歌詞 & サウンド〜
そのニューアルバム「Acoustic Soul 2014-2024」。こちらはですね、自分で言うのもなんですけども、非常によくできているアルバムで、自分のオリジナルアルバムの場合はですね、どっちかっていうとなんかいろんなジャンルがごちゃ混ぜになって、それこそロックだとか、ブラックミュージック全般、それからちょっとエレクトロっぽいのとか。そういうのがごちゃまぜになって、ひとつの世界を作っているっていう感じなんですけれども、今回の「Acoustic Soul 2014-2024」は僕のルーツミュージックであるソウルミュージック一本に絞ってアルバム10曲を全部作っています。なので、ものすごくこうコンピューターのにおいが一切しない、ほとんどがバンド一発撮りで録ってたりとかするので、コンピューターのにおいがしないので、「Acoustic Soul 2014-2024」っていうね、タイトルにしたんですけれども。
そして歌詞もですね、いつもの自分のアルバムだとものすごい攻撃的だったり、独自性があったり、人間の影の部分が多く書かれていたり、そういう歌詞になりがちなんですけれども、今回は「Acoustic Soul 2014-2024」というアルバムのテーマとしては、「近しい人に出す手紙」というのをテーマに歌詞を書いています。
なので、最近僕が思ったこととか、最近身近に起こったこととかを一つずつ、誰か近しい人に出す暑中見舞いとか年賀状みたいな感じで歌詞を書いておりますので、ものすごく日常感あふれる生活に近い感じの歌詞で全曲仕上がっております。すごく聴きやすくなっておりますし、ところどころものすごく考えさせられたり、ホッとしたり、いろんな感情の曲が入っておりますので、楽しんでいただければと思います。ということでさっそく、そんな僕の「Acoustic Soul 2014-2024」の裏側、こちらをですね、たっぷりと語っていきたいと思います。
1.ゼロジュウ
それでは、ここからはニューアルバム「Acoustic Soul 2014-2024」を実際に僕の言葉で解説していきたいと思います。まずは1曲目に収録されています「ゼロジュウ」という曲なんですけども、この曲はね、ビル・ウィザースっていうソウルシンガーがいたんですね。で、まあいろんな名曲を残していったんですけれども、2020年に亡くなってしまいまして。そのビル・ウィザースのヒット曲のひとつに「Use Me」っていう曲があったんですね。クラビ(クラビネット)っていう楽器がずっと伴奏して、それとドラムとベースというすごくシンプルな形で曲が進行していくんですけれども、なかなかここまでクラビが前面に出てくる曲っていうのは他になくてですね。
で、このビル・ウィザース、僕は大好きなんですけども、このビル・ウィザースっぽい、クラビの感じの曲が作れたらいいなっていうことで、プロデューサーの森さんと一緒にですね、この「ゼロジュウ」という曲で、クラビを中心にグルーヴを作り、そこにメロディーが乗っかっていくというね。かなり聴く人が聴いたら、お前これはビル・ウィザースじゃねえかよ!ってすぐ分かってしまうようなぐらい、ビル・ウィザースに近いニュアンスで作った曲です。歌詞はね、恨みつらみじゃないですけど、ちょっときつい歌詞を書いてみました。かなりね、ビル・ウィザースに近づけたんじゃないかなと思います。それでは聴いてください。スガ シカオで「ゼロジュウ」。
2.Let's get it on
ニューアルバム「Acoustic Soul 2014-2024」からの2曲目。こちらはですね、「Let's get it on」という曲なんですけれども、80年代の半ばぐらいにすげえ流行っていたブルー・アイド・ソウルっていうジャンルの曲を現代に復活させようなんていう風な感じで作り始めた曲です。
ブルー・アイド・ソウルって言ってもね、なんじゃそりゃっていう感じなんですけど。まあソウルミュージック自体がもう本当に昔の音楽なんでね。今はあまりやってる人がいない。しかも、このブルー・アイド・ソウルなんていうのをやってる人はもうほとんどいないので、なかなか再現するのが難しかったですね。
有名なところで言うと、ホール・アンド・オーツ(ダリル・ホール&ジョン・オーツ)の「Private Eyes」とかね。「Kiss on My List」とかね。ああいうピアノの鍵盤の四つ打ちから始まる軽快な感じ。それがね、ブルー・アイド・ソウルの特徴ですけれどもね。ボズ・スキャッグスなんかもありましたけど、もうちょっとAOR寄りだったんですけどもね。僕はホール・アンド・オーツが本当に昔大好きで、コピーバンドとかもやってたぐらい好きだったんでね。そのホール・アンド・オーツのルールに則ってこの「Let's get it on」という曲を作り上げました。かなり軽快ないい感じの曲になっております。それでは聴いてください。スガ シカオで「Let's get it on」。
3.ヤグルトさんの唄
ニューアルバム「Acoustic Soul 2014-2024」からの3曲目。「ヤグルトさんの唄」という曲です。ヤグルトさんっていうのは何かなって皆さん思うんでしょうけれども、このヤグルトさんっていうのは僕の母親、もう90歳ですけれども、僕の母親についたあだ名なんですね。若かった頃にヤクルトとヨーグルトが頭の中で一緒になってしまって、ヤクルトのことをヤグルトヤグルトって言ってたんで、みんなからヤグルトさんっていうあだ名がついたんですけれども。
まあ自分が現役のミュージシャンで第一線でやっているうちに、この母に対する感謝の気持ちを一曲ぐらいちゃんと形に残しておきたいなと思って、この「ヤグルトさんの唄」っていうまあ母に対する感謝の歌ですね。こちらを作りました。そして今回のニューアルバムはですね、なんとですね、初回限定盤だけなんですけれども小説がついておりまして、その小説のタイトルも「ヤグルトさんの唄」という同名のタイトルになっています。この小説めっちゃ面白いんで、ぜひねほんと読んでほしいんですけれども。
ヤグルトさんはね、なかなかパンチのある母親でしたのでね。そのパンチのある母親からいろんなことをですね、まあ被害を受けたというかですね。もう無茶苦茶なことをされてきたんで、それを一つずつね、物語にして一冊の小説にまとめました。
小説を読みながら、この「ヤグルトさんの唄」を聴いていただくと、よりリアルに感じていただけるんではないかなと、そんなふうに思っています。それでは、スガ シカオで「ヤグルトさんの唄」聴いてください。
4.発芽
ニューアルバム「Acoustic Soul 2014-2024」からの4曲目。なんか金木犀がこう匂ってくる季節っていうのをテーマに書きたかったんですよね。自分の心の中でですね、例えば誰かをこう好きになった時に、なんかどうにも止められない気持ちってあるじゃないですか。それがなんか心の中でどんどんどんどん大きくなっていってしまう、その感じを植物になぞらえて作った歌詞です。そのなんか大きくなっていく、そして自分の心の殻を破って、どんどん芽が出ていく。その様子を「発芽」という風にね、タイトルにしたんですけれども。
なかなかね、ちょっとAORソウルっぽくてね、いい感じの曲になっております。これバンドでやるとね、またすーごい感じの曲になるので、ぜひライブでね、聴いていただきたいなって思ったりしています。それではスガ シカオで「発芽」聴いてください。
5.Soul Music
ニューアルバム「Acoustic Soul 2014-2024」からの5曲目。「Soul Music」という曲です。僕があの本当にソウルミュージックというのにハマったのは高校生の終わりぐらいだったと思うんですけれども、なんかFMの番組を聞いてたらね、その時の特集がソウルミュージックのレジェンドたちっていうような内容の番組で、次から次へとそのソウルミュージックの名曲がかかってたんですけど、まだその頃は僕はソウルミュージックっていうものを認識していなくてですね。そのラジオ番組をカセットにレコーディングして友達に持って行ってですね、聴いてもらってこういう音楽ってどういう風に検索したら探せるの?って言ったら「スガ、こういう音楽はソウルミュージックって言うんだよ」って言われてですね。あ、ソウルミュージックってそのことなんだって。そっからですね、ソウルミュージックにどっぷりハマっていったんですね。
そして、ソウルミュージックをやるバンドを組んだりとかしてですね。でもその頃はね、ソウルミュージックぐらい歌えるや、俺はもう歌うまいしとかって本当に思っていて、だんだんだんだんまあ、自分の耳も肥えてきてスキルも上がってきたら、とてもとてもね、そのソウルミュージックのレジェンドたちのような歌なんかね、とてもじゃないけど歌えないなって。
そういう風に心が変わってきたんですね。まあ、そういうなんか自分の中でのソウルミュージックの変化をですね、包み隠さず告白したのがこの「Soul Music」という曲です。それでは聴いてください。スガ シカオで「Soul Music」。
6.あなたへの手紙
ニューアルバム「Acoustic Soul 2014-2024」からの6曲目。「あなたへの手紙」という曲です。今年の初めに能登で大きな地震がありましてですね。そこに僕は2月ぐらいにギター1本持って避難所とか児童会館とかに避難している方に歌を届けに行こうということで、向こうで働いているNPOの方とかと一緒にコンサートをやったんですね。
で、その時にすごく感じたんですけれども、自分自身のために生きる時間っていうのはもちろん必要で、どの方も自分自身のために生きる時間っていうのが大半だと思うんですけれども、その中のほんのちょっとだけ誰かのために生きる時間っていうのが時々出てくると思うんですね。で、そのチャリティでライブをやったりとかすると、完全に誰かのために歌を歌うっていう時間になるわけですね。そうすることでですね、自分の人生が逆に豊かになっていったり、ものすごく人の気持ちとかが分かったり、なんかそういう人生を豊かにするのは自分のための時間ではなくて、誰かのために使った時間なんじゃないかなっていうことに、そのライブを通して気づきまして。そしてこの「あなたへの手紙」という曲を書くに至りました。
「あなたへの手紙」という曲は、ピアノとストリングスだけのすごくシンプルな曲なんですけれども、すごくメッセージ性の強い、本当に今僕が考えているとても大事なことっていうことがメッセージとして含まれております。それでは、スガ シカオで「あなたへの手紙」聴いてみてください。
7.見る前に跳べ.com
ニューアルバム「Acoustic Soul 2014-2024」からの7曲目。「見る前に跳べ.com」という曲ですけれども、この曲は実は作った時に企画がありまして、マジシャン志望の男の子がいたんですね。で、その男の子が大学を卒業してマジシャンになるためにね、アメリカに行ってマジシャンの勉強をするか、それとも普通の会社に就職するかで非常に迷っていると。
その後、彼に向けて何か一曲を書いてくださいっていう企画があったんです。で、僕はそれに対してですね、「見る前に跳べ.com」っていう曲を書いたんですよね。それはまあマジシャン志望で行ってうまくいくかどうかは分からないけれども、うまくいかなかった時のことを考えて、うじうじしてやめるくらいだったらね、絶対あとから後悔するし、そんなことを考える前にもうさっさとアメリカに飛んだほうがいいんじゃないの?っていうニュアンスのメッセージで「見る前に跳べ.com」っていうメッセージを送ったんです。
で、この「見るまえに跳べ」っていうのは大江 健三郎さんの作品のタイトルなんですけれども、そのままパクるのはちょっと申し訳ないので、「見る前に跳べ.com」っていう風にね、タイトルを変えて作ったんですけど、まあそんな感じのできた経緯があるんですね。だから何か迷ってる人とか、そういう人に向けて、この曲が響いてくれるといいかななんて思っています。スガ シカオで「見る前に跳べ.com」聴いてください。
8.きみが好きです
ニューアルバム「Acoustic Soul 2014-2024」からの8曲目。「君が好きです」という曲です。この曲はある人に聴かせたらですね、ああハワイアンやってるんだって言われたんですけども、これはハワイアンじゃないんですよね。ドブロギターっていうちょっとマニアックなギターがありまして、日本ではあんまり弾いてる人いないんですけど。Original Loveの田島さんとかがね、めちゃくちゃ上手でよく弾いてますけれども。
これはなんか金属でできているギターで、スライドって言ってね、指に金属の輪っかみたいのをはめてビヨーンって伸びる、指で押さえるんじゃなくて伸びる感じの金属音がする。そういう特殊なやつなんですね。でまあ、これ弾くのが非常に難しいんですけれども、そのドブロギターのスライドを中心に曲を作ったんですね。
で、これはブルースソウルに近いですね。なんかアメリカとかだとこういう感じのブルースとかソウルとかっていうのが時々あるんですけれども、なんかね、ちょっとこう歌詞の中にね、放送ではちょっとよろしくない二文字の歌詞が出てくるんでね。あんまりね、ちょっと放送とかではかけられないんですけれども。
まあでもすごいね、あなたが好きだったけどみたいな。そういう未練がましい感じのうじうじした男性特有のなんかこう、うじうじギトギトとした感じの感情がね、ドブロギターと相まって、すごく上手に表現できたなと思っています。それでは聴いてください。スガ シカオで「君が好きです」。
9.6月9日
ニューアルバム「Acoustic Soul 2014-2024」からの9曲目。「6月9日」という曲です。この曲はRCサクセションっていう伝説的なバンドがありまして、そのRCサクセションのボーカルの忌野清志郎さんが、当時のマネージャーさんが突然亡くなった時に書いた歌で「ヒッピーに捧ぐ」っていう大大大名曲があるんですけれども。
実は僕もですね、今年の6月9日に一緒にずっと仕事を12年ぐらいやっていた現場マネージャーがね、突然亡くなってしまいましてですね。で、もうその感情というかですね、喪失感とか悲しみとか、いろんなものが頭の中と心の中に渦巻いている時に、もうこのRCサクセションの「ヒッピーに捧ぐ」みたいな曲を書くしかないと思ってですね。
そして、この「6月9日」という曲を書いたんですね。ものすごくなんていうんですかね、個人的な話ですごく悲しみに溢れた曲なんですけれども。でもなんか自分ではやっぱりこの曲を書かないと彼の死を乗り越えられないんじゃないかなっていうのがあって。
で、あの葬式の時に弔辞っていうんですかね。あの最後の挨拶をするのを僕がやったんですけれども、その弔辞のところでですね、亡くなった彼に向けて、君の曲を一曲今度のアルバムに入れるよっていう風な約束をしたんで、約束通りこの「6月9日」という曲を作りました。これは彼のね、命日になりますけれども。それではスガ シカオで「6月9日」聴いてください。
10.情熱と人生の間(2024ver.)
ニューアルバム「Acoustic Soul 2014-2024」からの10曲目、「情熱と人生の間」。この曲はね、実は「THE LAST」っていう3枚前に出たアルバムですかね。それを作ってた時に、プロデューサーの小林武史さんという方がいらっしゃいまして、その小林武史さんに「THE LAST」というアルバムをプロデュースしてもらったんです。で、その直前にこの「情熱と人生の間」っていう曲を作ったんですね。
で、曲ができて、小林武史さんに実はそのアルバムの前にこんな曲を作ったんで、この曲をリリースしたいんですよね、なんて言って聴かせたんですね。そしたら小林武史さんに、スガくん、こんな詩じゃダメじゃないって言われたんです。こんな個人的なことを書くんじゃなくて、もっとみんなに共通するような感情の曲を書いたほうがいいんじゃないの?って言われて。あぁ、それはそうだなとかって思って、全部頭から書き直したんですよね。
で、それが今のこの「情熱と人生の間」っていう曲になるんですけれども、実はね、それを言われなかったらこんなタイトルでもないし、こんな曲でもなかったんですよ。でも、やっぱりみんなが体験しそうなこと、みんなが思い描きそうな心の中の、なんか心情みたいなものを書いたほうがいいよっていうアドバイスで、「情熱と人生の間」っていう曲が生まれました。それではスガ シカオで「情熱と人生の間」聴いてください。
エンディング
はい、ということで、僕のニューアルバム「Acoustic Soul 2014-2024」の解説以上となります。いかがだったでしょうか? 僕もですね、自分で自分の言葉でアルバムの聴きどころとか、楽曲の一つひとつのエピソードを話すのは、とても新鮮な気持ちになりますし、ああそういえばそうだったななんて改めて振り返ったりもしますし、アルバムのリリースという大事なタイミングでね、リスナーの皆さんにそういうようなことを語りながら、一つひとつの楽曲について振り返ることができてとても貴重な時間でした。
そして今回はですね、アルバムの初回限定盤に「ヤグルトさんの唄」という小説がついているんですね。で、やっぱりこの小説がですね、実はアルバムの11曲目という風に位置づけられていて。この小説を読んでもらって、アルバムが完成するっていう風な自分の中の一つのプログラムになっているんですね。この小説にもすごい力を入れて、アルバム以上に力と時間を注いで作ったので、ぜひアルバムを聴きながらこの小説を読んでいただけると本望でございます。
という感じでいろいろね、聴きどころ満載のアルバムになっていると思いますけれども、僕の解説とともに、たくさんアルバムを聴いて楽しんでいただけると嬉しいなと思っています。
そして最後に告知です。今回紹介したアルバムを引っ提げての全国ツアー「Shikao & The Family Sugar TOUR ~Acoustic Soul~」というのが全国展開されます。もし気に入った方いらっしゃいましたら、ぜひライブにも遊びに来てください。SNSや僕のHP、こちらでもチェックできますのでお忘れなくということで、以上スガ シカオがお届けしました。お聴きいただきありがとうございました。