番狂わせ!異端児大集合!グラミー賞に時代の波

番狂わせ!異端児大集合!グラミー賞に時代の波
齋藤奈緒子
齋藤奈緒子

日本時間12月7日(土)、ついに発表された第56回グラミー賞のノミネート。ダフト・パンク、テイラー・スウィフト、マックルモア&ライアン・ルイス、ロードなど、今年のヒットチャートをにぎわせた面々が順当にノミネートされる中、最大にしてうれしい「番狂わせ」が起こった。それが、サラ・バレリスの「年間最優秀アルバム」へのノミネートだ。 サラ・バレリス。2011年の東日本大震災の直後の5月に来日、ライヴ後に岩手県大船渡市に飛び、泥だらけで瓦礫を拾ってくれたのを覚えている方もいるだろう。2007年、デビューシングル「こんなハズじゃなかったラヴ・ソング」で大ブレイクした実力派シンガーソングライターで、昨年リリースしたアルバム『ザ・ブレスド・アンレスト』は、ビルボード200チャートで初登場2位を獲得し、収録曲「ブレイヴ」がロング・セールスを記録している。 しかし、ブルーノ・マーズやジャスティン・ティンバーレイクなど、グラミー常連たちの超強力アルバムをしりぞけての電撃ノミネートには、本人も驚きを隠せないようすで、「まさか年間最優秀アルバムにノミネートされるなんて絶対絶対思ってなかった。文字通り震えてる。最高の誕生日プレゼントよ」とツイートしている。 もうひとつの見どころは、異色ぞろいの「最優秀新人賞」。<おれら超貧乏だけど古着でキメるぜ!!>とラップした「スリフト・ショップ」で全米No.1を奪取した、成り上がりの星・マックルモア&ライアン・ルイスに、ヒップホップ史に残る傑作アルバム「グッド・キッド、マッド・シティー」で7部門ノミネートのケンドリック・ラマー、孤高のエレクトロ・ソウル・シンガー、ジェイムス・ブレイクなどがノミネート。お金をたっぷりかけたプロモーションより、ネット発の盛り上がりや支持が強いというか、こういうエッジの立った異端児たちが世界最大の音楽賞を争うところに、いまの時代を感じます。

齋藤奈緒子
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