AX、ラストライヴに気鋭のバンドたちが集結

DISK GRAGEが主催するMUSIC MONSTERS SPECIAL 2014が5月31日SHIBUYA-AXで開催された。 この日は2000年12月の開業以来、約14年間にわたり音楽を届けてくれた人気のライブハウスSHIBUYA-AXの営業終了日に合わせた特別イベント。出演はthe pillows、9mm Parabellum Bullet、WHITE ASH。AXの有終の美を飾るに相応しいラインナップだ。 最初に今年メジャー1周年のWHITE ASHが登場。Arctic Monkeys直系のソリッドなサウンドがUSオルタナの骨太さを加え、タイトで日本的にまとめ上げられている。フロントマンののび太は「(AXに)the pillowsのライブも見に来たことがある。AXを埋めるのは1つの目標。」「普段僕らがやってないこともやりたい。特別な時間を過ごしたい。」と語り、中盤にthe pillowsの「White Ash」をカバー。「SEで使っているバンドと同じステージ」と嬉しそう。ラストの「Stranger」まで気合いを感じるライブだった。 続けて9mm。「Answer And Answer」から、ベスト級のセットリスト。「ボーカル・ギターの菅原卓郎は「今日は出禁になるつもり。早くthe pillows見たい、待ちきれない」と言ってthe pillowsの「インスタントミュージック」をプレイ。WHITE ASHによるカバーと同じくthe pillowsのトリビュート盤に収録されている曲だ。その後は「ステージから降りるのが名残惜しい。(出禁になるために)悪人にならなければなりません」とフロアを爆発させるナンバーを連発した。「(teenage)disaster」で締めてthe pillowsへ。 2014年9月16日にはバンド結成25周年を迎えるthe pillows。「久しぶりじゃないか」と山中さわおの第一声。「I think I can」からスタート。「Blues Drive Monster」「カーニバル」「サードアイ」「LAST DINOSOUR」と惜しみないセット。「AXがなくなる悲しみより共演者にちやほやされる喜びのほうが勝っている」と笑いを誘い、新曲「About A Rock‘n’Roll Band」へ。真っ直ぐなロックンロールがAXに突き刺さる。「Funny Bunny」ではサビを観客に。「感謝を込めて。連れてってやるよこの世の果てまで!」と「この世の果てまで」、感動的な「HYBRID RAINBOW」、拳を振り上げずにはいられない「No Substance」で本編を締めくくった。アンコールは「Swanky Street」でスタート、ラストはバンドを象徴するナンバー「Ready Stedy Go」でAXをひとつにした。 3バンドともに噛みしめるようなパフォーマンスが印象的で、語られるAXの思い出にこみ上げるものがあった。 the pillowsの終了後、全バンドが再びステージに。各バンドのフロントマンからAXのスタッフに花束が贈呈された。スタッフは「心に焼き付けて伝説を再現してもらえれば」「皆さんがいてこそのライブハウス」とコメント。言葉につまる姿にまたまたグッと来る。 2000年、AXのこけら落としを行ったDragon Ashの「陽はまたのぼりくりかえす」が会場に流され、歴史に幕を下ろした。 SHIBUYA-AXが建っている場所は代々木競技場の駐車場。元々は期間限定の仮設建築としてスタートした。閉鎖が決まったのは、東京五輪が決定する前。閉館後はすぐに取り壊され、駐車場に戻るという。 感動を生み出し続けてきたSHIBUYA-AX、ミュージシャンにもファンにも忘れられないライブハウスとなったはず。いやーエモい。 MUSIC MONSTER http://music-monsters.info/