オトナの夏フェス!? 「ワールドハピネス」

街を歩けば「今年は夏フェスどうする?」なんて会話が耳に飛び込んでくるほど、もはや海水浴やキャンプなどの定番レジャーと並ぶ恒例行事となった感のある「音楽フェスティバル」。いまや一部の音楽ファンのものだけではなくなり、大小さまざまな規模のフェスが全国各地で開催されているが、そのほとんどが数十組のアーティストが出演する大規模なものである。 そこで注目したいのが、YMOの高橋幸宏らが主催し、2008年から東京・夢の島公園陸上競技場で開催されている夏フェス「ワールドハピネス」だ。同フェスは、オーディエンスにはレジャーシートが配布され、2つのステージで交互にパフォーマンスが行われるので待ち時間も少なく移動も不要。さらに1日開催で体力的な負担も最小限という、若者だけでなくオトナも安心して楽しめる、コンパクトかつ充実した内容で好評を得ている。 そして好評のもうひとつの理由として、その絶妙な出演ラインナップが挙げられるだろう。今年の出演者を例に挙げると、主催の高橋はもちろん、鈴木慶一、大貫妙子、矢野顕子などのベテラン勢に加え、後輩枠の奥田民生、スチャダラパー、GREAT3、KIRINJI、など実力派たちは集客力も抜群だろう。 そしてなんといっても、確かな演奏力と個性的な楽曲を武器に海外からも評価される若手・トクマルシューゴを抜擢した意義は大きい。多くの先輩と同じステージに立つことで、国内でさらに大きく羽ばたかんとする若手を見届けるのも同フェスの醍醐味の一つなのだ。