今度の相手は片平里菜! スカパラ、歌モノコラボの歴史を振り返る

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西廣智一

東京スカパラダイスオーケストラのニューシングル「嘘をつく唇」が、12月9日にリリースされた。本作はゲストボーカルに注目の女性シンガーソングライター片平里菜を迎えた、昭和歌謡色の強いクールな楽曲に仕上がっている。同じ事務所に所属する2組だが今までありそうでなかった組み合わせだけに、情報解禁後は納得と驚きの声が同じくらい上がったのも記憶に新しい。

(YouTube: TOKYO SKA PARADISE ORCHESTRA OFFICIAL)

スカパラといえば「歌モノシングル」企画という印象を強く持つリスナーも多いことだろう。外部のシンガーをゲストに迎えた「歌モノシングル」企画がスタートしたのは今から14年前、2001年夏にさかのぼる。最初の「歌モノシングル3部作」では田島貴男(ORIGINAL LOVE)、チバユウスケ(当時THEE MICHELLE GUN ELEPHANT、現The Birthday)、奥田民生をそれぞれフィーチャーし、着実にセールスを上げていった。特に他アーティストの作品で歌う印象のなかった当時のチバとのコラボ曲「カナリヤ鳴く空」には多くのロックファンが歓喜し、民生とのコラボ曲「美しく燃える森」はCMソングに採用されたこともあって、チャート的にもセールス的にも過去最高を記録。これら3曲を収めたアルバム『Stompin' On DOWN BEAT ALLEY』も初のチャート1位を獲得するなど、スカパラにとって大きな転機になったことは間違いない事実だ。

(YouTube: TOKYO SKA PARADISE ORCHESTRA OFFICIAL)

彼らはその後も2005年12月から「歌モノシングル3部作」その2を実施。「追憶のライラック」でハナレグミ、「サファイアの星」でCHARA、「星降る夜に」に甲本ヒロト(ザ・クロマニヨンズ)をフィーチャーし、それぞれスマッシュヒットを記録した。また2010年1月発売のシングル「流星とバラード」では再び奥田民生とコラボ。2013〜14年には「25周年スペシャルプロジェクト バンドコラボ」という新たな企画を打ち立て、10-FEET、MONGOL800、ASIAN KUNG-FU GENERATIONという強力なコラボレーションでシーンの話題をさらった。

そしてスカパラの「歌モノシングル」は、今年に入ってもリリースが続いている。片平との共演作「嘘をつく唇」が発売される4、5ヶ月前には尾崎世界観(クリープハイプ)をゲストボーカルに迎えた「爆音ラヴソング / めくったオレンジ」を発表。同作については発売2週間前までゲストボーカルの名前が明らかにされず、ラジオでオンエアされるこれらの楽曲に対して「誰が歌っているの? 」と大きな注目を集めたことも記憶に新しい。

(YouTube: TOKYO SKA PARADISE ORCHESTRA OFFICIAL)

スカパラのボーカリストコラボはシングルだけではない。過去のアルバムでもさまざまなシンガーと共演しており、吾妻光良(吾妻光良 & The Swinging Boppers)、伊藤ふみお(KEMURI)、Crystal Kay、斉藤和義、アンジェロ・ムーア(フィッシュボーン)、マヌ・チャオ、中納良恵(EGO-WRAPPIN')、細美武士(the HIATUS、MONOEYES)など、そのメンツは非常にバラエティに富んでいる。その時代に合ったシンガーをフィーチャーすることで、それぞれの歌い手に合った楽曲を制作し、スカを基盤にしつつも新たな方向性を模索し続けたスカパラ。今後も思わず体を動かさずにはいられなくなる普遍的なスカナンバーと同時に、リスナーがアッと驚くようなコラボ楽曲を提供してくれることを期待したい。
西廣智一

音楽系ライター。2006年よりライターとしての活動を開始し、「ナタリー」の立ち上げに参加する。2014年12月からフリーランスとなり、WEBや雑誌でインタビューやコラム、ディスクレビューを執筆。乃木坂46からオジー・オズボーンまで、インタビューしたアーティストは多岐にわたる。

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