乃木坂46から前野健太まで! アーティストの執筆活動を探る

乃木坂46から前野健太まで! アーティストの執筆活動を探る
西廣智一
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1月上旬、乃木坂46の高山一実が自身初となる短編小説『キャリーオーバー』を雑誌「ダ・ヴィンチ」のオフィシャルサイトにて公開した。高山は「ダ・ヴィンチ」で「乃木坂活字部! 」という連載を担当するほどの読書家としてファンの間で知られ、このたび連載の一環として気鋭のショートショート作家・田丸雅智のワークショップに参加。しかしワークショップ内では作品を書き終えることができず、その後数日かけて処女作を完成させている。 子供の頃からいじめられていた男性と人格を持つ“宝くじ”による、ハートウォーミングな物語はアイドルが片手間で書いたとは思えないような仕上がり。バラエティ番組で持ち前の明るさを発揮する高山の、新たな魅力が感じられるこの作品をぜひ一読してみてほしい。
(YouTube: 乃木坂 46 OFFICIAL YouTube CHANNEL) 高山の初小説公開と同じ頃、アイドル界の執筆活動では大先輩となるNEWSの加藤シゲアキの小説2作品が映像化。すでに放送は終了しているが、フジテレビ系では最新作『傘をもたない蟻たちは』を原作とした同名ドラマが放送された。そして加藤の小説デビュー作『ピンクとグレー』も中島裕翔(Hey! Say! JUMP)、菅田将暉、夏帆らの出演により映画化されたばかりだ。同映画の主題歌にはASIAN KUNG-FU GENERATIONの新曲「Right Now」が採用され、MVは映画同様に行定勲が監督を担当。夏帆が主演を務めて話題を集めた。
(YouTube: ASIAN KUNG-FU GENERATION Official YouTube Channel) また女性アイドルに目を向けると、元AKB48の内田眞由美がグループ在籍中の2014年に 『言えない恋心』でAKB48グループ初の小説家デビュー。グラビア方面で活躍する吉木りさも『誰かさんと誰かさんがネギ畑』を上梓している。数年前とは比較にならないほど数が増えた女性アイドルの世界において、こういう形で各々の個性を発揮する機会は今後さらに増えそうだ。 アイドルのみならず、音楽界における執筆活動は古くはさだまさしに始まり、80年代以降には尾崎豊や木根尚登(TM NETWORK)、辻仁成(ECHOES)などが活躍している。その後も町田康が2000年に小説『きれぎれ』で第123回芥川賞を受賞。最近では黒木渚や前野健太といった意外な面々も、音楽活動と並行して文豪デビューを果たしている。黒木の処女作『壁の鹿』はアルバム『自由律』の限定盤に付属したほか、文芸誌「en-taxi」に第1話が掲載。前野の初短編小説『いびきが月に届くまで』はエクササイズ系雑誌「Number Do」にて掲載され、音楽ファンのみならず文学ファンからも反響を集めたばかりだ。音楽活動を通じて研ぎ澄まされた独自の感性が、執筆活動にどのように反映されているのか。ぜひ各作品を手に取って、それぞれの楽曲を耳にしつつ確認してみてはどうだろう。
(YouTube: Errand Press)
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