今日で震災から5年。音楽を通して様々な形で続く復興支援活動

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西廣智一
本日3月11日で東日本大震災からまる5年を迎えた。被災地で生活する人を含め、今でもあの日の出来事を忘れられない人が多いことだろう。……と同時に、平穏な日常を過ごす中で少しずつ震災に対する恐怖心が薄らいでいる人も少なくないかもしれない。そういう意味でも、この3月11日という日は改めて襟を正す上で重要な1日になるのではないだろうか。 震災での悲劇を忘れないようにしよう、今でも続く被災地復興を支援しようと、今年も音楽を通じてさまざまなイベント/企画が実施されている。今回は視点の異なる3つのプロジェクトを通して、それぞれの復興支援に対する取り組みを紹介したいと思う。
こころ音(ね)プロジェクト
JASRAC(日本音楽著作権協会)による「こころ音プロジェクト」は、同企画への参加作品をカラオケで歌ったり、ダウンロードしたり、CDを買ったりすることで、その著作物使用料を被災地の復興支援「こころ音基金」に充てようというもの。2016年1月末現在、119作品の権利者が同企画に参加しており、国内のみならずJASRACと管理契約を結んでいる外国の著作権管理団体からも様々な協力の申し出があるという。参加作品には吉川 晃司が歌う「あの夏を忘れない」や、ゴスペラーズの安岡優が歌唱した「坂道のうた」をはじめ、川口まこ、Octo.、ままん、大石まどか、琴音ひさえ、橘あきら、BEAUTIFUL SPIRITSなど、バラエティに富んだアーティストの楽曲が含まれている。その119作品のうちの一部はKKBOXでも配信されているので、是非耳にしてみてほしい。
(画像:こころ音プロジェクトHPより引用)
復興応援キャンペーン「大好き♡東北」
音楽を通じた復興支援というと、まず「花は咲く」という曲を思い浮かべる人も多いことだろう。この曲は今でもNHKを通じて定期的に放送されており、今後も震災での悲劇を風化させないための重要な役割を果たすことになるはずだ。特に今年は「復興応援キャンペーン『大好き♡東北』」と題した取り組みにあわせ、May J.が歌うキャンペーンソング「花は咲く~大好き♡東北Ver.~」が制作され、現在WEB上や東北地方のNHKで公開されている。このバージョンはMay J.が歌うにあたり、作曲を担当した菅野よう子が作詞者の岩井俊二と相談し、「わたしは何を残しただろう」という歌詞を「わたしは何を残すだろう」に変更している。震災から5年を経た今、この新たな歌詞の「花は咲く」を聴くことで、東北に対する思いもまた変わってくることだろう。
(画像:復興応援キャンペーン「大好き♡東北」HPより引用)
AKB48「誰かのために」プロジェクト
最後は、震災直後からさまざまな形で復興支援に携わっているアイドルグループ、AKB48の動きについて。AKB48グループは東日本大震災被災地支援プロジェクトとして、震災直後から「『誰かのために』プロジェクト」を立ち上げ、復興支援活動を続けてきた。これは義援金の寄付や定期的に行われるメンバーの被災地訪問、震災復興応援ソング「風は吹いている」などCDの売り上げの一部を寄付するなど、現在まで継続。今年3月6日には岩手県民会館大ホールにて被災地復興支援ライブも行ったばかりで、48グループのメンバー26名が地元の招待客などを前に大ヒット曲の数々や、復興応援ソング「掌が語ること」を披露した。この「掌が語ること」は現在、プロジェクト公式ページにて無料配信を実施しているので、気になる人は歌詞とあわせてぜひダウンロードしてみよう。なおAKB48、SKE48、NMB48、HKT48、NGT48の各48グループは本日11日、それぞれが活動拠点とする劇場にて、「東日本大震災復興支援特別公演~誰かのためにプロジェクト2016~」を開催する。
(YouTube: AKB48) 復興支援の動きはテレビや大型イベントなどを通じた大掛かりなものから、ごく個人的な動きまで数々存在する。それぞれが自分に合ったやり方で、定期的に活動を続けることが被災地および被災者へのさらなる支援につながるのではないだろうか。音楽を通じてでもいいので、ぜひ今日という日を機会に改めて何らかのアクションに移してみてはどうだろう。
西廣智一

音楽系ライター。2006年よりライターとしての活動を開始し、「ナタリー」の立ち上げに参加する。2014年12月からフリーランスとなり、WEBや雑誌でインタビューやコラム、ディスクレビューを執筆。乃木坂46からオジー・オズボーンまで、インタビューしたアーティストは多岐にわたる。

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