MONDO GROSSO新作が話題のワケ

  • 邦楽
ふくりゅう

復活したMONDO GROSSO(モンドグロッソ)がシーンを騒つかせている。小沢健二やCornelius、サニーデイ・サービスが出演する、ミュージックラバー話題騒然の『FUJI ROCK FESTIVAL '17』へ出演が発表されたことも人気を後押しすることだろう。

突然の復活。

きっかけは、14年ぶりの復活曲として、TOKYO SKA PARADISE ORCHESTRAの谷中敦による作詞、満島ひかりを女性ヴォーカリストとしてフィーチャーした新曲「ラビリンス」をリリースしたことだ。しかも、先行販売されていたアナログ盤では名を伏せていたというのだから面白い。気がついた方はいたのだろうか?

出典元:(YouTube:avex)

2017年、上半期の話題を独占した人気ドラマ『カルテット』で愛らしいチェリスト“すずめちゃん”を演じた彼女が、メインを張って歌うとは思ってもいなかった。もともと10代の頃、7人組歌手グループFolderのメンバーとして三浦大知とともに活躍していた彼女。その後、園子温による監督作品『愛のむきだし』への主演抜てきによって道開いた評価の高い女優活動。たくさんの経験を重ねた、透明感あるオトナ可愛い歌声に痺れる。

中毒性の高い魔法めいたサウンドの魅力。注目はトラックの美しさに秘密があるかもしれない。音の鳴りひとつひとつへの繊細なこだわり。迷路のように時間軸が折り重なっていくかのような、めくるめくビートとピアノ、ストリングスによる芳醇な調べ。インスト・ヴァージョンもリリースされているので合わせてチェックしてほしい。


常に世界水準で生み出された作品たち

90年代を駆け抜けた伝説のプロジェクト、MONDO GROSSOとは何だったのだろうか? そもそもは、1991年に京都にて大沢伸一がリーダーとして結成されたバンドを起因とする。世界水準で生み出された作品は、アシッドジャズ・ムーヴメントや、ブラジリアン、ソウルを経由。“渋谷系ムーヴメント”発展系とも言えるCDショップ&レコード・ショップよりなサブカルチャーを促進する存在となる。

1997年にリリースした3rdアルバム『CLOSER』からは、バンドから大沢伸一を軸としたソロ・プロジェクトへと進化。MISIAや宇多田ヒカルのブレイクによって一般化するR&Bを先んじて取り入れ、楽曲ごとに参加ミュージシャンをフィーチャリングするスタイルへと生まれ変わった。同時期にUA、Chara、Monday満ちるのプロデュースでシーンのトップ・プロデューサーとして躍り出たことも忘れてはならない。

1999年、世界25カ国でリリースされた4thアルバム『MG4』では大沢のルーツの一つであるブラジリアン・サウンドと2ステップを融合。シングル・カットされた「LIFE feat. bird」が大ヒットした。

出典元:(YouTube:Sony Music (Japan))


パンキッシュな精神によるメインストリームへの挑戦

2003年にリリースされた5thアルバム『Next Wave』では、全編フロア対応のエレクトロなサウンドへとより進化する。パンキッシュな精神によるメインストリームへの挑戦とも取れる革新的なサウンドワークは、多くのアーティストへ影響を与え、オリコンチャートでも野心的な作品ながら10位を記録している。UAをフィーチャリングした「光」は、2017年の現在も全く古びることなき神曲だ。

出典元:(YouTube:Sony Music (Japan))

あれから14年。

2017年6月7日、MONDO GROSSO史上初となる全曲日本語ボーカル曲による新作アルバム『何度でも新しく生まれる』をリリースする。まさかの日本語タイトル。そして、まさかの全曲日本語ボーカルという試み。“何度でも新しく生まれる”、このシンプルな言葉が持つメッセージ性の強さに救われる方は多いかもしれない。そして、90年代リバイバルという世の風潮を超えて、わかりやすくもエッジーさを兼ね備えた先鋭的な音楽美を聞かせてくれること間違いないだろう。

なお、2000年に発表されたMONDO GROSSOのヒット曲「LIFE」以来17年ぶりにbirdとのタッグが復活することも発表されている。アルバムには、要注目なゲスト・アーティストが多数参加するという。早速、参加ヴォーカリスト不明のまま新作ミュージックビデオが発表されているので紹介しておこう。時代の先を読む大沢伸一がプレゼンテーションする、新作アルバム『何度でも新しく生まれる』を通じてのポップミュージック最新スタイルの提案が、心から待ち遠しい。

出典元:(YouTube:avex)


ふくりゅう

happy dragon.LLC 代表 / Yahoo!ニュース、J-WAVE、ミュージック・マガジン、音楽主義などで、書いたり喋ったり考えたり。……WEBサービスのスタートアップ、アーティストのプロデュースやプランニングなども。著書『ソーシャルネットワーク革命がみるみるわかる本』(ダイヤモンド社)、DREAMS COME TRUEツアーパンフ、TM NETWORKツアーパンフ、SMAPタブロイド風新聞フライヤー、『別冊カドカワ 総力特集 布袋寅泰』、『小室哲哉ぴあ TM編&TK編、globe編』、『氷室京介ぴあ』発売中! https://twitter.com/fukuryu_76

関連アルバム

関連記事