乃木坂46「アンダーメンバー」?
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乃木坂46「アンダーメンバー」?

2016-01-20
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乃木坂46が12月17、18、20、21日の4日間にわたり、日本武道館で単独ライブを開催。このうち前半の17、18日はアンダーメンバーのみによる単独公演「アンダーライブ」として、2日間で約2万人もの観客を動員した。生駒里奈や白石麻衣、西野七瀬などといった主要メンバーを含む選抜メンバーを欠く編成ながらも、なぜアンダーメンバーだけでここまでの盛り上がりを得ることができたのか、そもそも「アンダーメンバー」って何なのか。アイドルに疎い人たちにとっては謎ばかりかもしれない。

「アンダー」とは映画や演劇における代役のこと。アイドルの世界でこの言葉が一般的になったのはAKB48が発端で、劇場公演にてチーム所属メンバーが出演できない際に代役として舞台に上がる、研究生メンバーや他チームのメンバーのことを指していた。そして後に、48グループのシングルで表題曲を歌う選抜メンバーに対して、カップリング曲を歌うメンバーのことを「アンダーガールズ」と呼ぶようになった。

乃木坂46の場合は、メディアで活躍する(シングル表題曲を歌う)選抜メンバー以外のメンバーのことを「アンダーメンバー」と呼んでいる。CDデビュー後はこれといって大きなアクションもなく、一般的には選抜以外のメンバーはあまり知られていなかった。彼女たちは、2014年春にCD特典企画としてアンダーメンバーのみによるライブを実施。これが「アンダーライブ」の原点で、スタート当初は応募締切時点で定員に満たないなどの苦労もあったが、いざライブが実施されると、小規模会場で開催される公演や、日の当たる機会が少ないメンバーによる全力のライブなどが評判に。同年6〜7月、10月にはブルーシアター六本木やAiiA 2.5 Theater Tokyoで有料公演も実施され、公演を重ねるごとに「選抜メンバーだけが乃木坂46ではない! 」「アンダー、熱い! 」など高評価を獲得、全公演早々にソールドアウトとなった。さらに同年12月にはアンダーメンバーのみで有明コロシアムでの単独公演も実現。800人前後からスタートしたアンダーライブは、短期間でその10倍の8000人を動員できるほどに成長した。

このアンダーライブを通して個性、実力を高め、今では選抜メンバーとして活躍するメンバーも少なくない。2014年のアンダーライブで中心的存在としてグループを牽引した伊藤万理華、齋藤飛鳥は、2015年になるとシングル3作連続で選抜入り。伊藤は鈴木光司原作の映画『アイズ』で初主演を務め、齋藤はファッション誌『sweet』のレギュラーモデルに選出されるなど、それぞれ2015年は大躍進の1年となった。それ以外にもアンダー楽曲「嫉妬の権利」や今年秋の『アンダーライブ 4thシーズン』でダブルセンターとして活躍した堀未央奈と中元日芽香の輝きは選抜メンバーにも引けを取らないし、北野日奈子はファッション誌『Zepper』の専属モデルとしても活動している。

そんな中、アンダーライブで中心的存在としてグループを引っ張ってきた永島聖羅が17日の武道館公演で突如、グループ卒業を発表した。精神的支柱でもある彼女の存在はアンダーメンバーの今後に大きな影響を及ぼすはずだ。しかし彼女は後輩メンバーたちの成長もしっかり感じられたので、安心して卒業できると話している。永島の卒業を機にアンダーメンバーは大きく変化することは間違いない。

アンダーメンバーは2016年、全国ツアーを敢行する。世間的に知名度の高いメンバーがいないままでの全国ツアーはリスクが大きいだろうし、もしかしたら完売しない地方公演もあるかもしれない。しかし東京での定期公演がそうだったように、各地で熱演を繰り広げることで彼女たちの魅力はすぐに広まるはずだ。なお、ツアーのスタート地点である3月19、20日の名古屋国際会議場 センチュリーホール公演が、永島の最後のステージとなる。まずはKKBOXで乃木坂46の各シングルに収録されているアンダーメンバーによる歌唱曲をおさらいして、来たる全国ツアーに備えておきたい。

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    最終更新

    2016-01-20