婦人従軍歌

作詞:加藤 義清     作曲:奥 好義

火筒(ほづつ)の響き遠ざかる
跡には虫も声たてず
吹きたつ風はなまぐさく
くれない染めし草の色

わきて凄きは敵味方
帽子飛び去り袖ちぎれ
斃(たお)れし人の顔色は
野辺の草葉にさもにたり

やがて十字の旗を立て
天幕(テント)をさして荷(にな)いゆく
天幕に待つは日の本(ひのもと)の
仁と愛とに富む婦人

真白に細き手をのべて
流るる血しお洗い去り
まくや繃帯白妙(ほうたいしろたえ)の
衣の袖はあけにそみ

味方の兵の上のみか
言(こと)も通わぬあだ迄も
いとねんごろに看護する
心のいろは赤十字

あないさましや文明の
母という名を負い持ちて
いとねんごろに看護する
こころの色は赤十字