我が家はルーヴル

作詞:熊谷和海    作曲:熊谷和海

我が家はルーヴル ルーヴル
坂の上の公園に臨むルーヴル ルーヴル
空 行く雲はミロのヴィーナス

ルーヴル ルーヴル
在り触れた毎日の景色が
老いた私には美しい
あぁ

君はモナ・リザ 先立ちし最愛の妻よ
黒い額縁が引き立てる 絶世の笑みよ

鏡は絵画 永遠に未完成な自画像
増える皺も 減る髪も 生きている証と

本棚は彫像 素っ裸の私
趣味 嗜好が浮き彫りだ

私は館長
この世界という名の藝術(アート)を堪能する
贅沢な老い耄れである

我が家はルーヴル ルーヴル
キュビズムの街並みを見晴らすルーヴル ルーヴル
電線で鳴くサモトラケのニケ

ルーヴル ルーヴル
ムンクの如き叫び声 上げ
子等が通りを駆けていく朝
あぁ

青春はゲルニカ
決して幸多き人生じゃなく
弱い私は幾度と無く死を考えた

ガラスの金字塔(ピラミッド)を昇り
胸 張って逝くよ
今 天寿を全う出来たことこそ我が誇り

最期の晩餐かもしれぬから
残り物も美味である

私は館長
誰の贋作(レプリカ)でもない「今」に感動する
満ち足りた老い耄れである

我が家はルーヴル ルーヴル
月の間接照明に浮かぶルーヴル ルーヴル
ベッドに来る三毛のスフィンクス

ルーヴル ルーヴル
アルセーヌ・ルパンにだって盗めぬ
財宝に埋まり 瞳を閉じる

我が家はルーヴル ルーヴル
坂の上の公園に臨むルーヴル ルーヴル
空 行く雲はミロのヴィーナス

ルーヴル ルーヴル
在り触れた毎日の景色が
老いた私には美しい
あぁ