友子、許しておくれ、この臆病な僕を。
二人のことを決して認めなかった僕を。
どんなふうに、君に惹かれるんだったっけ。
君は髪型の規則も破るし、よく僕を怒らせる子だったね。
友子、君は意地張りで、新しい物好きで、でも、どうしょうもないぐらい君に恋をしてしまった。
だけど、君がやっと卒業した時、僕たちは、戦争に敗れた。
僕は敗戦国の国民だ。
貴族のように傲慢だった僕たちは、一瞬にして、罪人のくび枷を科せられた。
貧しい一教師の僕が、どうして民族の罪を背負えよう?
時代の宿命は時代の罪。
そして、僕は貧しい教師に過ぎない。
君を愛していても、諦めなければならなかった。