自由でPOPな世界を創出しつづける次世代ロックシンガー、bomi

自由でPOPな世界を創出しつづける次世代ロックシンガー、bomi
海老沼邦明
海老沼邦明

ポップではじけるサウンド。日常からちょっとだけはみ出した遊び心のある歌詞。そのふたつが融合して、とびきり自由で、何となくふわふわとして、それでいてリアルな独特の世界観を持った楽曲を生み出すbomi。今回は、本人が出してくれたキーワードをもとに、7月リリースの「ビューティフォーEP」とbomiについて話してもらった。 縮こまってからの”ポップ” bomi:読み方は「ん~、ぱっ」です。わたしって、日々楽しく、"イェイ”って元気に生きていると思われがちなんですけど、曲を作る原動力ってそれだけじゃなくて、ギリギリのところまで"グググー"って縮こまることもあって、「ビューティフォーEP」がそれがはじけちゃった、みたいなイメージ。「ビューティフォー」の歌詞を言葉づらそのままだと「何言ってんの?」ってとられるちゃうかもしれないけど、実はうまくいかないことばっかりだけど、自分を応援して、「ビューティフォーなわたし ワンダーフォーに踊れ」って鏡に向かって言っているようなポップの表現の仕方ですね。ネガティブ絶頂期に「あーここで負けちゃいられない」って思ったときに書いた曲です。 ー能天気にすら思えるポジティブさは、縮こまった分だけ強くなるのかも。「ん~」で助走をとって、一気に「ぱっ」と飛ぶ。そんなはじけた感じが「ビューティフォー」の最大の魅力。 等身大って何だ。”わたし”って何だ? bomi:ジャケ写とかMVもほぼすっぴん。楽曲としてもそうなんですけど、なるべくありのままの自分を切り取れたらいいなって思って作った曲なので。ジャケ写は前作「メニー・ア・マール」に続いて川島小鳥さんに撮ってもらいました。でも前はちょっと緊張しちゃって。前作のときに自分から撮ってもらいたいってオファーしたんです。等身大の自分を切り取ってくれる人だなって。だからすっぴん。 ーMV、ジャケ写撮影は文字通り”すっぴん”で、ほとんどメイクなし。MVにしても写真にしてもあれだけ作りこまれた世界なのに、それを感じさせないのはすっぴんのおかげ。”作られた商品”という感じがまったくしないから簡単にその世界に入り込める。 「ビューティフォーEP」は”あの味”とともに bomi:レコーディングしてたときにハマってたのが「モンブラン」なんです。近所にあるケーキ屋さんで、注文してから作ってくれるモンブランがあって。もう、毎日食べてました。でも下のメレンゲの部分が湿気っちゃうから、スタジオには差し入れできなかった。だから私しか食べてない(笑)。 ーわたしたちリスナーも、そのとき食べていたものやハマっていたものと、楽曲が結びついて記憶されることはよくあること。いまのあなたは何にハマっていますか? 何年か後にふと曲を聴いたら”あの味”も恋しくなるかも。 どっちにもいる”わたし” bomi:パッと見は「明るくて、キャッチーな存在」と思われがちなんですけど、落ちているときは、もう、三角座り系ですよ。あるときSNSでけっこう暗いことを書いていたときに、友だちから「そのゆらぎがbomiちゃんなんじゃないの?」って言われてハッとした。どっちかに振り切れちゃってれば、すごくわかりやすい。わかりやすいっていうのはキャッチーっていうことなのかもしれないけど、でも人間って、暗いところも明るいところもどっちもあるのがリアルなんですよね。そのわかりづらいもやもやのリアリティを友人の言葉で認めることができたんです。 ーポップなイメージの強いbomi。キュートでハッピー。そんな言葉で語られることも多いけれど、それだけじゃない。”三角座り”のうじうじした彼女もまた”リアル”。だからこそ、弾けるときはとびきり突き抜けて弾けることができるのだ。 思い立ったらすぐ”動く” bomi:決めたら動くのが早い。落ち込んでいたときも、何かがあってパッとなったらそっちに振りきれるのは早い。いい言い方をすればフットワークが軽いのかな。マイブームもいろいろ。いまは新作映画を週に何本も観るのがブーム。去年なんかタイのバンドのYellow Fang(イエローファン)っていう子と仲良くなって、パッとタイまで遊びに行っちゃって。決めちゃえば早い。でも、そこまでがすごーくうじうじしてるかな(笑) ー「ワンダフォーに踊れ」とは「ビューティフォー」のサビのワンフレーズ。ワンダフォーに踊るには、行動あるべし。ただいつでもだらだらと”何となく”動いているのではなくて、あるとき「ピカーン」とひらめいたらそれを信じてさっと動く。これがbomiの魅力。

海老沼邦明
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