〜後編〜アジア全域、熱狂す!Blur香港公演を完全ストリーミング

〜後編〜アジア全域、熱狂す!Blur香港公演を完全ストリーミング
KKBOX編集室
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先日、KKBOXのライブ生中継機能を使って、UKのベテランバンドBlurの香港公演がアジア6カ国で同時ストリーミング中継され、大きな盛り上がりを見せた。そこで今回はBlurをよく知る音楽ライター3名にリアルタイムでストリーミングを鑑賞してもらい、BlurのライヴとKKBOXのライブ生中継機能を評していただいた。以下座談会の後編を送ります。 KKBOXライブレポ特別座談会「アジア全域、熱狂す!Blur香港公演を完全ストリーミング」前編はこちら:http://kkbox.fm/K7YwOI

香港でやることそのものに意味があった

村上:現地のお客さんですけど、中国人は若い人が多かったですね。逆に白人は思い出モードのご年配の方が多かった。でもみんな歌えてたのは変わらない。 新谷:去年のZepp Tokyoでのスタンディング公演に来てた人も若かったですね。 岡村:新しいファンがついているのかもしれないですね。実際、Blurの影響を受けている若いバンドって、ブリットポップ時代のあの音の感覚を受け継い でいるバンドはいても、成熟、洗練されてきた今のBlurを視野に入れているフォロアーはあまり思い浮かばない。そういう意味ではすごく特殊なバンドだなって思います。そこが若い人を惹きつけているのかもしれないですね。 新谷:活動をしてなかったし、不在だったからこそ、いないとこうレジェンドの空気が出来上がるんじゃないですかね。 村上:デーモンはその間にゴリラズに傾倒してたので、Blurに戻らなくてもやっていくだろうって思ったんですけど、バンドとしての面白さも感じたんですかね。 ―そうしたバンドの面白さを感じてるからこそアルバムが充実してたんですかね。 村上:アルバムに関しては毎回変わる人たちなので裏切らなかったですね。 新谷:去年の武道館のコンサートで予定では最後のライヴということで大団円だったんですよね。あ、グレイテスト・ヒッツをやるツアーだったんですけど、「あっ、ここで終わるんだな」ってみんなが感じていたコンサートでした。でも、今回のライヴを観て、また新たな時代が始まったんだなと思わせるもので、新しいファンにも古いファンにとっても素晴らしいと思いましたし、これから体験できるチャンスが生まれるのは素晴らしいですね。新作のパフォーマンスが素晴らしいし、「PyongYang」も将来の「This Is a Low」になりそうだし。 岡村:それと今回は香港でライヴをやったことに大きな意味がありますよね。香港では昨年、反政府・民主化運動である『雨傘革命』がありました。それがデーモンに創作の上で何らかのインスピレーションを与えていたのは間違いないと思うんです。デーモンはこれまでにも様々な国の民主化にヴィヴィッドに反応してきています。00年代にアフリカを何度も訪ねていたのも、『アラブの春』を筆頭にアフリカで大きな民主化運動が各地で起こっていたことにも起因していたと考えられます。となると、もともと東アジアに関心のあったデーモンにとって、今の香港は自由を求める大衆の熱気を最も強く感じられる場所の一つ。凍結していたブラーを再度動かすために、香港のその民主化のエネルギーを必要としていたのかもしれないな、と思いますね。 新谷:次はツアーの一貫でオーストラリアのはずですね。 岡村:そういう意味でその熱を含めてこのライヴが中継されたことはとても意味がある気がしましたね。 ―ところで今回はKKBOXでストリーミングを楽しんでいただいたのですが、実際動画のクオリティなどはいかがでしたか? 村上:皆さん仰ってましたけど映像が綺麗でしたね。PCではなくて、TVモニターにミラーリングにして大きくすれば迫力ある形で楽しめるし、音もいい。たまたまかもしれないけど、時差がそれほどないのもよかったですね。 新谷:あ、それは思った! 村上:ヨーロッパやアメリカだと向こうの熱気とこっちの眠気のギャップがすごいけど、今回はアジアに発信している感じがすごくしました。 岡村:朝っぱらから見て盛り上がるの難しいという人もいるでしょうし、時間帯的にも見やすかったですよね。 新谷:実際、寝坊して見逃しちゃうことは多いですからね。ちなみに今回ははじめてなんですか? ―Blurがアジア6カ国でライヴ中継するのは初めてですね。 村上:今回ってアルバムの性質を考えても理由があっての香港公演だったじゃないですか。それがよかったですね。逆に何もなかったらあんまり意味がないというか、理由付けがないとやれないと思うし、観てる方も遠い国の出来事になっちゃう。 新谷:ここでやってるから見なきゃってなりますもんね。そういう意味では今回のライヴはすごくよかった。 岡村:なんかBlurが香港でやることそのものに意味があったので、他のアーティストでやる場合もそうした意味のある場所での中継をやってほしいですね。 ―チャットの方はいかがでしたか? 村上:違和感なかったですね。中国語読めないですけど、読めるもの、英語と日本語を読むのでせいいっぱいでしたけど、十分楽しめるものでしたし。 新谷:チャットのつっこみが面白かったよね 村上:「煙草休憩タイム」とか書いちゃうところとかね。 新谷:ああ、アレックスが座った時ね。チャットとしてはあんまり成立してないんだけど、多分みんな一人で観てるだろうから、その時々に言いたいことをつぶやいている感じですね。 ―カメラの撮影もすごかったですね。 新谷:一眼レフを用意している人もいましたもんね。ステージの上でもデーモン交えて記念撮影していたのはびっくりしました。 Blur香港ライブの写真は直ぐさま各国のソーシャルメディアで続々と投稿され、話題をさらった。またKKBOXでは、今回のライブセットリストをライブ終了直後にプレイリスト化して公開!ライブをリアルタイムで楽しんだ方も、もちろん見れなかった方も聴いてみてください。 協力:新谷洋子、村上ひさし、岡村詩野 写真:Taihei Ohara

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