KKBOXライターが選ぶ2014年「今年の1枚」バンド編

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KKBOX編集室
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1年間それぞれの切り口で音楽ニュースをお届けしてきたKKBOXライター陣。彼らが洋楽邦楽問わず選んだ、2014年の個人的ベストアルバムとは!? 今回はバンド編ということで、今年メディアに引っ張りだこだったあのバンドからアニバーサリーを迎えたベテランまで国内外のバラエティ豊かな名盤6作品が勢揃い。それぞれのバンドが音に込めるロックの魂を聴き比べてみてください。 『Ghost Stories Live 2014 / Coldplay』 コールドプレイ「セツ泣き」×「ライブ」=歓喜の法則 by 森田美喜子 12月に音源が出てからはこちらをメインに愛聴しているというのもあり、Coldplay『Ghost Stories』+αの必聴作として本作をご紹介。最新ライブDVDの付属CDとして世界各地のライブ音源を『Ghost Stories』の曲順にまとめている。アルバムでは精緻な音像とバンド史上最も感傷的で剥きだしな「エモさ」が胸を打ったが、当ライブ音源では臨場感と観客のシンガロングがさらなるカタルシスをもたらす。Aviciiと必然的な邂逅を果たした8曲目が現場でもハイライトに。「痛み」の感情から解き放たれる瞬間の喜びを噛みしめたい。『Ghost Stories』は起承転結で魅せる2014年随一の1枚だと再認。 『Fuego / Phish』 アメリカを代表するライブバンド5年振りの快作 by 早坂英貴 アメリカのジャムバンド、フィッシュの5年振りの新作は過去のキャリアや魅力を凝縮した円熟期の作品として長くお薦めできる一枚だ。日本の音楽メディアでは中々紹介されることが無くなったが、アメリカでは相変わらず巨大アリーナを満杯にしているメガバンドの一つ。本作はライヴでの躍動感と、90年代の良きUSインディ感と王道のUKロック風のテイストなどを絶妙に散りばめた質の高い作品だ。キャリアの円熟期にポッとこのような作品が出たサプライズ感もあるが、2度目の来日となったジャパン・ツアーから15年も経ってしまったので「来年こそは日本でPhishが見たい!」という想いも込めて。 『スーパーモデル (Japan Version) / Foster The People』 中毒性のある楽曲群に文句なしの今年のベスト by 上田治 前作『Torches』が大傑作だっただけに、期待と不安が入り交じった2ndアルバム。見事、こちらの予想を超えて更なる高みに到達しています。元々のノリの良さに、深みが加わり、アーティストとしての進化が伺える作品になってます。常習性というか中毒性のある曲が多いのも特徴、文句なしに2014年ベストアルバムです。さらに言うなら3曲目の「カミング・オブ・エイジ」は2014年、もっともリピートした曲です。まだの方はぜひ! 『魅力がすごいよ / ゲスの極み乙女。』 高い音楽性とシニカルな歌詞の刺激が見事に融合 by 森朋之 ゲスの極み乙女。が2014年の音楽シーンにおける、もっとも刺激的なバンドのひとつであることは間違いない。4つ打ちのアッパーチューンを軸にした流行と適度な距離を取りながら、ヒップホップ、クラシック、プログレッシブ・ロックなどを巧みに取り入れた高品質なサウンド(メンバー全員、演奏が超上手い!)。そして、シニカルかつ知的な歌詞の世界観。独自のバンドスタイルを確立した本作は、2014年のポップミュージックを象徴する1枚と言えるだろう。バンド名のインパクトをはじめ、ユーザーを惹きつける戦略も見事だった。 『Jungle / Jungle』 フジ出演も果たした新人ファンクバンドのデビュー作 by 大山裕之 ウェスト・ロンドン出身のトム・マクファーランドとジョシュア・ロイド・ワトソンを中心としたエレクトロ・ファンク・バンド、Jungle。ミステリアスな素性もあって早くから話題を呼び、名門XLレコーディングスと契約。7月にデビューアルバム『Jungle』をリリース、フジ出演も果たした。80sライクでキャッチーなディスコ/ソウルミュージックが都会的なクールさで鳴らされた良盤になっている。芸の細かいサンプリングが特徴的で、サイレンなどの町の騒音、雨や波といった多様な音が楽曲のストーリーを広げてくれる。 『現世は夢~25周年記念ベストアルバム~ / 人間椅子』 ロックって何だ!? 本質を感じさせられた一枚 by 海老沼邦明 今年はやけに「アニバーサリー」が多かった。バンド結成10周年、デビュー20周年…。だから「まとめ」アルバムも多かった。その中で一番印象的なのは、人間椅子25周年ベスト。初期の変拍子を使ったロックメタルから、最近のソリッドなサウンドまであますところなく収録。確固たる恐怖と漠然とした不安とかすかな希望が、音と言葉から「なんとなく」感じられる。気持ちいいだけがロックじゃない。そういう「なんとなく」がロックの本質なんじゃないかと思わされた一枚。

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