聴き分け難易度MAX!ブレスイントロソング

聴き分け難易度MAX!ブレスイントロソング
藤田 太郎
藤田 太郎

毎回、歌がはじまる前奏部分「イントロ」にフォーカスした曲を紹介するプレイリスト企画の第3弾。今回はイントロが息を吸う音から始まり、すぐに歌いだしに入る、通称「ブレスイントロ」曲を紹介します。コンマ1秒も無いブレス音があることで一気に世界観に引き込まれる名曲ばかり。知ってる曲でもイントロに注目した聴き方で新しい発見があるかもしれません。是非、その点に注目して聴いてほしい4曲を紹介します。

『群青日和』 東京事変

出典元:YouTube(TokyoIncidentsVEVO)

椎名林檎がボーカルを担当し、2003年から約9年間活動していたロックバンド、東京事変(とうきょうじへん)のデビューシングル。イントロは椎名林檎の力強く吸い込むブレスから、「新宿は豪雨」というフレーズがはじまります。

豪雨の空は灰色。曲名の『群青日和』とは、深く青い空の日。失恋した女性の、これからどうすればよいかわからない錯綜している気持ちを空の色に比喩し、とても複雑な心情をうまく表現しています。ブレスからの「新宿は豪雨」という歌いだしのインパクトは、曲のイメージを強烈に印象づける神イントロですね。

『スターゲイザー』スピッツ

出典元:YouTube(spitzclips)

『ロビンソン』、『チェリー』などのヒット曲で知られる4人組ロックバンド、スピッツが2004年に発売したシングル曲。イントロはボーカルの草野マサムネの高音で、伸びやかな声を出すためのブレスから、「遠く遠く」というフレーズがはじまります。

『スターゲイザー』とは、星を見つめる人という意味。この曲は、バラエティ番組「あいのり」の主題歌として制作された曲で、番組で一番のクライマックスシーンである「告白した返事を待つ、前日の夜」を歌詞で表現しています。
ブレスからの「遠く遠く あの光まで届いてほしい」という歌いだしは、告白の良い結果を望む気持ちを叫んでいるように聴こえますね。

『ずっと feat. HAN‐KUN & TEE』 SPICY CHOCOLATE

出典元:YouTube(SpicyChocolateVEVO)

KATSUYUKI a.k.a.DJ CONTROLERを中心に結成された音楽制作グループSPICY CHOCOLATE(スパイシーチョコレート)が湘南乃風のHAN-KUNと『ベイビー・アイラブユー』のヒットで知られるTEEの男性シンガー2人をボーカルに迎え2014年に発売した曲。

イントロはHAN-KUNが、高音ボイスを少し控えめにし、囁くようなブレスから「ずっと ずっと」のサビフレーズがはじまります。曲中で何度もリフレインされるこのフレーズは、一度聴いたら忘れられない、心の奥がとても温かくなるやさしいメロディです。NTTドコモ「想いをつなぐ」篇 CMソングに起用され、テレビで大量オンエアされたことで大ヒットしました。発売から3年経った今でも再生回数が多い、ラブソングの定番人気曲になりましたね。

『ASAYAKE』Awesome City Club

出典元:YouTube(Victor Entertainment)

男女混合5人組バンド、Awesome City Club(オーサムシティークラブ)が2017年に配信限定でリリースしたシングル曲。イントロは女性ボーカルのPORIN(ポリン)の、意識的に機械のようなリバーブをかけたブレスから「夜明けまだか 夜明けまだか」というフレーズがはじまります。

真っ暗だった景色から、また新しい一日がスタートしていくことを歌った曲中で、このイントロからのフレーズは、まさに一日のはじまり=『ASAYAKE』を表現した言葉として何度も登場します。曲の終盤ではこのフレーズを待ちながら聴いている自分に気がつき、ハッとします。

抜粋して4曲を紹介させていただきました。
すべての曲に共通することは、歌いだしに重要な、伝えたい表現があり、その表現をさらに強く協調するためにブレスがある、ということ。
この4曲以外にも、息を吸う音から始まるブレスイントロ曲をプレイリストでピックアップしました。そのような観点で是非、イントロ~歌いだしに注目して聴いてみてください。

オススメプレイリスト


藤田 太郎
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