夏に聴きたいインスト・ミュージック

毎年のように記録的な暑さを更新しつづけている印象のある日本の夏。2017年も例に漏れず、猛暑＆酷暑が予想されているようです。その理由は高気圧による晴れ。晴天は文字通り気持ちを晴れやかにしてくれますが暴力的なまでの太陽の日差しは思考すらストップさせるほど強烈なものになるでしょう。そんな時に惚れた腫れたのラブソングや脳天直撃系のポジティブソングは、情報過多で辟易してしまうこと必至。それならいっそ歌詞のないインスト・ミュージックで涼やかさを感じてみてはいかがでしょうか。tio 「ungraspable」出典元：(YouTube：budmusicmogie) 2008年に三重県四日市で結成された4ピース・インストゥルメンタル・バンド、tio。メランコリックな旋律と、適度にドラマチックな展開がまるで夏の日の夕刻を想起させる「Ungraspable」をはじめ、バンドサウンドながら全く暑苦しさがなく快適そのもの。女性MCの泉まくらを招聘した「あかり feat.泉まくら」も、インストではないながら清涼感がたまらない一曲に仕上がっています。toconoma「L.S.L」出典元：(YouTube：toconoma1) こちらも2008年結成の4人組。朝霧JAMやGREENROOM FESTIVALなどフェスでも引く手あまたな彼らのインスト曲は、軽快なメロディとシンセサイザー／ピアノサウンドが印象的。都会的な音像が時に絶妙な冷たさを伴って、聴き手に涼やかな風を届けてくれます。その涼風に勢いを与えるような性急なビートに見を委ねてもけっして汗はかきません。fox capture plan「エイジアン・ダンサー」出典元：(YouTube：Playwright公式チャンネル) ピアノが印象的という意味では、fox capture planも見逃すことができないトリオバンドです。ジャズの要素が強めな彼らの楽曲はシンプルな構成でありながら重奏で風通しのよいサウンドスケープを生み出していくタイプのもの。カヴァーも得意な彼らなので、洋楽の名曲がどう料理されているかも必聴です。ドラマ「カルテット」のサウンドトラックも話題になりました。bohemianvoodoo「El Ron Zacapa""」出典元：(YouTube：TruestarChannel) fox capture planとスプリットアルバムをリリースしている、bohemianvoodooもジャズシーンで定評のあるバンドです。ジャズのテーゼに則りつつも、それだけに留まらないバンドアンサンブルの妙を体現する彼らの楽曲はダイナミズムも感じさせながら、聴き心地がとにかく清々しい。ADAM at「CLOCK TOWER」出典元：(YouTube：Victor Entertainment) 最後は2011年にキーボーディストのADAM atを中心に活動を開始したセッション・バンドをご紹介します。ADAM atの楽曲は何よりそのダンサブルなグルーヴが魅力。流れるようなピアノの旋律と、それを支えるバンドサウンドが力強くも痛快＆爽快な心地よさを残してくれます。暑さの中でじっとしているのではなく、爽やかさに身体を委ねて踊れば涼しさが訪れるはずです。