まとめ見したい!!話題のネット配信ドラマテーマ曲はこれだ

出典元:YouTube(Netflix Japan)

昨年、多くのメディアに取り上げられ社会現象にもなったのが、Netflixで配信された『愛の不時着』でした。韓国財閥の令嬢でファッション会社を成功させたセリと、北朝鮮のエリート軍人・リ・ジョンヒョクが繰り広げる究極のラブストーリーに世界中が熱中しました。ドラマで使用された楽曲も配信されるたびに主要配信チャートの上位にランクインし大ヒットし、10cmの「偶然のような運命」のほか数々の楽曲はドラマを盛り上げる要素として欠かせないものになっています。

今回は現在進行形で動画配信サービスで話題になっているオリジナルドラマの見どころと、聴き逃せない劇中音楽の聴きどころを紹介します。

Sweet Home -俺と世界の絶望-

出典元:YouTube(Netflix Japan)

日本のNetflix年間TOP10をみると『愛の不時着』を含め韓国ドラマが5作品ランクイン。全体視聴数でも2019年と比べ約6倍以上となったそうで、韓流ファンの裾野がさらに広がっています。その背景としてこれまでは人気の中心だったロマンス系テーマでしたが、最近はビジネス系テーマのドラマが人気となっていることが挙げられます。『愛の不時着』とともに話題となった『梨泰院クラス』は、あの『半沢直樹』を彷彿させるビジネス系復讐ドラマで、中高年世代の人気を獲得しているようです。また『スタートアップ：夢の扉』は、韓国のシリコンバレー、サンドボックスを舞台に、成功を夢見てスタートアップ企業に飛び込んだ若者の愛と成長を描いたサクセスストーリーとなっています。

出典元:YouTube(Netflix Japan)

そんな新しいタイプの韓国ドラマが注目される中、さらに韓国ドラマ史でエポックメイキングとなるであろうドラマが『Sweet Home-俺と世界の絶望-』です。2020年の韓国で人間がモンスター化していくというパンデミックが突如発生、大規模なアパートメントに取り残された人々が生き延びようとするサバイバル・ホラー作品です。壮厳なパイプオルガンと宗教オラトリオ風の混声コーラスが美しくも不穏な雰囲気を作り上げるオープニング曲「Dies Irae」。 キリスト教においてキリストが全ての人間を地上に復活させ、審判を行う日のことを意味します。

ネットドラマならではの飽きさせない法則なのでしょうか、とにかくスピーディーです。徐々に恐怖が忍び寄るのではなく、初回からこの世が地獄になってしまいます。グロい描写もたくさん出てくるし、韓国大統領は緊急事態宣言発出中に血を吹き出してモンスター化しちゃいます。ただし『Sweet Home-俺と世界の絶望-』は不気味さや怖さを単にフィーチャーしているわけではありません。モンスター化するのは人それぞれが持つ歪んだ欲望に起因しているため、登場人物ひとりひとりの内面を丁寧に深く切り込んでいくあたりが見どころのひとつです。

劇中ではラジオやデバイスから、時折りヒップホップが流れてきます。この時だけはパンデミックが起きる前の日常と繋がっているかのようで、一抹の希望を感じさせてくれます。エンディング曲ではラップサバイバル番組「SHOW ME THE MONEY」で優勝した BewhY(ビワイ）が手がけています。敬虔なクリスチャン（プロテスタント）であるBewhYは信仰色を隠すことなく楽曲制作をしていることでも有名です。

今際の国のアリス

出典元:YouTube(Netflix Japan)

2020年12月からNetflixで世界190カ国に配信された山﨑賢人＆土屋太鳳W主演の『今際の国のアリス』。配信直後から世界視聴数ランキングでTOP5入りするなど、海外からも高い評価を得てシーズン2の制作もすでに決定しました。原作は麻生羽呂の人気漫画で、『キングダム』や『アイアムアヒーロー』など漫画原作の実写映画化で定評のある佐藤信介がメガホンをとっています。物語の主人公であるアリス(山﨑賢人）は親友のチョータとカルべと、突然無人と化した東京の街に放り込まれます。そこで待っていたのは生死をかけたサバイバルゲーム。トランプの柄にちなんで用意された〈心理戦〉〈知能戦〉〈バランス戦〉〈肉体戦〉のゲームを勝ち進まなければ生き残ることができないという物語です。

出典元:YouTube(Netflix japan)

なんといっても驚愕させられるのが、人っ子ひとりいない渋谷スクランブル交差点や渋谷駅のシーン。どうやって撮影したのだろうと思っていたら、栃木県の広大な敷地にオープンセットを作り撮影したのだそうです。しかも街にある汚れやいたずら書きまでリアルに再現、これにCGが加わり本当にリアリティがありながら非日常な渋谷が登場します。また多彩な登場人物が極限状態で「何を求め、どんなことを考えたのか」をとても丁寧に描かれています。この人物描写が単なるデスゲーム系作品とは一線を画す深みを作り上げています。そしてダークでスリリングな映像とリンクした劇中音楽も注目。TVアニメ『東京喰種トーキョーグール』や『GREAT PRETENDER』、映画『キングダム』を手掛けたやまだ豊の全38曲を聴いて、さらに“今際の国”世界に浸ってみましょう。

『Sweet Home -俺と世界の絶望- 』『今際の国のアリス』もコロナウィルス感染が広がる以前から企画＆製作された作品ですが、コロナ禍の日常と重ね合わせて観ている人も多いのではないでしょうか。その意味では、いままさにチェックしておきたい2作品と言えます。

返校

出典元:YouTube(Netflix ASia)

いまジワリときているホラー作品でオススメしたいのが台湾映画『返校』です。原作は台湾の大ヒットホラーゲーム『返校 -DETENTION-』で、台湾人が忘れてはならない40年にも及んだ白色テロ(1947年から台湾で約40年続いた市民に対する政府の暴力的な弾圧）の時代を描きながら、そこにファンタジーホラーを融合させた作品になっています。台湾では2019年No.1の大ヒットを記録！第56回金馬奨(中華圏を代表する映画賞）で主要12部門にノミネート、最優秀新人監督賞を含む最多5部門受賞の快挙を成し遂げました。。新型コロナウイルスの影響で公開が延期となっていた日本でも、2021年の7月に公開されることが決定しました。

出典元:YouTube(華納兄弟台灣粉絲俱樂部）

映画版は1960年代のとある高校が舞台。政府から禁じられた本を読む読書会メンバーである高校生たちが学校に閉じ込められ、悪夢と恐怖の中で脱出を試みながら物語の核心に近づいていくというストーリーです。現在配信中のドラマシリーズはそれから30年後のお話で、新たな悲劇を発端に学校につきまとう過去の隠された秘密を暴いていく内容になっています。ドラマシリーズでも30年前の出来事がタイムリーにインサートされるので、日本で公開が待ち遠しい限りです。また日本ではあまり知られていない台湾の歴史にも触れることができるので、この映画を機会に白色テロ時代を勉強してみたいと思わされます。

『返校』は映像の質感も、音楽の音像も Jホラーに通じる部分があるので、洋画ホラーは派手すぎで好きじゃないというJホラー好きな人にもピッタリです。またエンディング曲「相反」の切ないメロディも印象に残ります。映画とドラマシリーズは30年という過去と現在の物語ですが、「相反」を歌うチェン・シエン・チング、Ciaciaは30歳の年齢差がある女性シンガーです。映画と連動し音楽でも30年の時の流れを表現しようとするコダワリ感がすごくエモいです。

クイーンズ・キャビネット

出典元:YouTube(Netflix Japan)

ここまで日韓台とアジア勢の注目ドラマシリーズを紹介してきましたが、ここからは注目のアメリカ製作の作品を2つご紹介しましょう。最初は2020年10月に配信スタートし世界63カ国でナンバーワンに輝き、日本でもロングランで人気上昇してる『クイーンズ・キャビネット』。母親を亡くし孤児院に送られる少女・ベス。孤独な毎日の中で用務員のおじさんがしているチェスに魅入られていきます。緑色の薬への依存症に苦しみながらも、並外れたチェスの才能を開花させ、世界屈指の女流チェスプレイヤーになっていくというストーリーです。主演のアニャ・テイラー・ジョイ(幼少期はアイラ・ジョンストン）は、鬼気迫る強さと、美しくキュートな両面を見事に表現し存在感を見せてくれています。

メインテーマ曲は壮大でありながらも、劇中ではクィンシー・ジョーンズやモンキーズ、キンクスなど1960年代の音楽がふんだんに使われていたり、ベスが着こなす60年代カウンターカルチャーの震源となったファッションなども楽しめるのもポイントです。

エミリー、パリへ行く

出典元:YouTube(Netflix Japan)

2020年10月2日からNetflixで配信中の『エミリー、パリへ行く』は、『セックス・アンド・ザ・シティ』を大ヒットさせたダーレン・スターが手がける作品です。物語はシカゴからパリにやって来て、マーケティング会社で働くエミリーが主人公。夢の海外生活をスタートさせる一方で、アメリカとフランスの2つの文化の違いに悩み成長していくお話です。世界中で大ヒット中でシーズン2の制作も決定していますが、舞台となっているフランスでは、「あまりにもステレオタイプなフランス!」「エミリーを取り巻くフランス人の描き方が酷い!」など配信直後からネガティブな感想が噴出しています。こういった炎上の仕方も世界同時配信される今の時代ならではなのでしょう。

出典元:YouTube(Netflix)

エミリーが着こなすファッションムービー

一方で『エミリー、パリへ行く』に登場するファッションが注目されています。カラフルな服とハイブランドに目がないエミリーは、様々なファッションを魅力的に着こなしています。「ファッションにいくらお金を使っているんだ?」とここでもツッコミどころが満載ですが、彼女が着こなしている服や身につける小物などが世界中で検索され販売が急増しているのだとか。エミリーが愛用するアルドのハンドバッグは配信前から品切れになってしまったようです。コロナ禍で世界中で業績悪化しているアパレル業界にとっては、まさに希望の光となったようです。賛否両論が分かれる『エミリー、パリへ行く』ですが、細かいツッコミをするよりフアッション・ファンタジーとして捉えた方が良いかもしれません。

もちろん音楽も要チェック。毎回良い感じのフレンチポップスやフレンチエレクトロミュージックがたくさん使用されているので、このプレイリストを聴いていればエミリーのパリ生活を追体験できそうです。また『エミリー、パリへ行く』からインスパイアされたサウンドトラックも配信されています。こちらはまた少し雰囲気の違うパリを感じることができます。

ステイホームの中、ますます注目されるネット配信されるオリジナルドラマ。音楽も要チェックの作品が増えてきているので、話題に乗り遅れないようにしときましょう。