女性演歌がめちゃ攻めてるらしい!

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海老沼邦明

失礼を承知で言わせてもらいます。やっぱり「演歌歌手は歌がうまい」。歌声に表情や感情がある。近年、J-POPアーティストとのコラボやカバーなどが数々リリースされているが、それらが他ジャンルコラボの“企画物”としてではなく聴き入ってしまうのはひとえにその感情が伝わってくるからではないかと思います。今回はそんなコラボやカバーなど、攻める演歌歌手たちの楽曲をご紹介。


May J.&アンジェラ・アキとコラボ:八代亜紀

八代亜紀といえば、ジャズシンガーとしての活動が有名だけれど、J-POPでの活躍も見逃せない。かつて任天堂の「Wii カラオケ U」CMソングとして「残酷な天使のテーゼ」をカバーして話題に。2017年にはMay J.とデュエットソングをリリース。この曲はアンジェラ・アキがプロデュースをてがけ、八代亜紀とMay J.がそれぞれ母と娘役を歌ったウェディングソング。柔らかな母の優しさが感じられる一曲です。

出典元:(YouTube:avex)




コブクロが楽曲プロデュース:石川さゆり

“石川さゆり×○○”としてコラボ楽曲を制作してきた「X(クロス)」シリーズ。これまで「あふれる涙」(×奥田民生)、「山査子」(×岸田繁)、「暗夜の心中立て」(×椎名林檎)など、さまざまなアーティストとコラボしてきました。シリーズ第3弾となる『X-CrossⅢ-』では、コブクロの小渕健太郎が作詞、作曲、プロデュースを手がけた「春夏秋冬」や、池田貴史(レキシ)、細野晴臣、矢野顕子といったアーティストたちとのコラボ楽曲を収録。

出典元:(YouTube:Sayuri-X-Cross)
 

トータス松本とデュエット:坂本冬美

ビリー・バンバンの「また君に恋してる」を2009年にカバーし、大ヒットを記録した坂本冬美。そのヒットを期にリリースが始まった、カバーシリーズ『Love Songs』。シリーズは第4弾までリリースされ、2017年6月にはシリーズベスト盤『LOVE SONGS BEST』がリリースされました。透明でありながら熱量のある歌声で、原曲とはまた違った表情を見せてくれる楽曲たち。シリーズ第4弾ではカバーだけでなく、トータス松本とのデュエットソング「L-O-V-E」も制作されました。

出典元:(YouTube:UNIVERSAL MUSIC JAPAN)




やっぱり最後はラスボス:小林幸子

やっぱり最後はラスボス、小林幸子。もともとニコ動ユーザーが、その豪華な衣装から「ラスボスみてぇ」と言ったのが、「ラスボス小林幸子」の始まりだとか。その言葉を「面白い」と受け入れてしまうのが小林幸子。考えてみればそもそも「ドリフ大爆笑」などのバラエティ番組でよく顔を見ていたような気も。その活動は広がりを見せて、いまではさらに広い舞台で活躍しています。例えば「吉原ラメント」。和楽器バンドのメンバーとしても活躍する亜沙がボカロ曲として発表したこの曲をカバー。ほかにも、人気アプリ「シックは魔法乙女」通称“ごまおつ”のCMのなかでゴスロリ姿も披露してニュースに。いつまでも“ラスボス”でいる小林幸子。大好きです。

出典元:(YouTube:“亜沙”official channel)

出典元:(YouTube:oricon)


演歌×J-POP『エンカのチカラ』

先述した八代亜紀の「残酷な天使のテーゼ」をはじめ、数多の演歌歌手が歌謡曲やJ-POPを本気で歌った楽曲を集めたコンピレーション『エンカのチカラ』シリーズ。都はるみが「タッチ」を歌い、細川たかしが「ジュリアに傷心(ハードブレイク)」を歌う。そして、島倉千代子が「神田川」を歌い、美空ひばりが「恋人よ」を歌う。これはもう何も言いません、ぜひ一度聴いてみてください。「残酷な天使のテーゼ」にこぶし。その発想はなかった。

出典元:(YouTube:ColumbiaMusicJp)



最初は「へぇー、こんなのあるんだ」という興味で聴いてみてもいいと思います。でも、聴いているうちに「演歌歌手はやっぱり歌がうまい」と思うはず。そのメロディのどこに魅力があり、その言葉がどんな気持ちを表しているのかをじっくりと消化してから表現する。それでいて「やっぱりいい曲だなぁ」と、楽曲そのものに魅力を感じさせてしまう。まさに“歌手”としてのチカラなのではないかと思います。

海老沼邦明

大学在学中から出版社に勤務。 主に小説、映画関連の書籍の編集を担当していた。 2007年からフリーランスで活動を始める。J-POPを中心とした音楽関連の記事、アーティスト関連本を手がける。 趣味は野球(やる方)とマンガ(読む方)。

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