アニバーサリーアーティスト、持ち味生かした記念施策の数々

アニバーサリーアーティスト、持ち味生かした記念施策の数々
鳴田麻未
鳴田麻未

スピッツ結成30周年、Mr.Childrenデビュー25周年、THE YELLOW MONKEYデビュー25周年など、モンスターバンドのアニバーサリーが多い2017年。周年とくればベスト盤をリリースして記念ツアーを行うというのが通例ですが、加えてトリビュートアルバム、ゲリラライブ、ドキュメンタリー映画など……昨今バラエティに富んだ試みも目立ちます。そこで、今年アニバーサリーを迎えたアーティストとさまざまな記念施策をご紹介します。

スピッツ

スピッツは結成30周年を記念して、全シングルを網羅した3枚組ボックス「CYCLE HIT 1991-2017 Spitz Complete Single Collection -30th Anniversary BOX-」を7月にリリースしました。このボックスセットは2017年限定出荷商品で、破格の税別3900円! さらにアルバム16作品のアナログ盤も同時発売するなど、ライト層から濃厚なファンまで満足できるアイテムを送り出しました。記念ツアー「SPITZ 30th ANNIVERSARY TOUR "THIRTY30FIFTY50”」ではデビューシングル「ヒバリのこころ」からヒット曲「ロビンソン」「スターゲイザー」「涙がキラリ」「チェリー」まで、“神セトリ”でファンを沸かせました。

クレイジーケンバンド

2016年が横山剣デビュー35周年、2017年がクレイジーケンバンド結成20周年、2018年がクレイジーケンバンドデビュー20周年と、周年続きのCKB。特に今年は、55曲とMC5トラックを含むベストアルバム、拠点・横浜の赤レンガ野外特設ステージでの結成20周年記念ライブ、横山剣の主演映画「イイネ! イイネ! イイネ!」とてんこ盛り。「攻」をテーマに、彼ららしい大人のユーモアを発揮しています。横山剣は「来年はデビュー20周年ということで、今年以上に周辺がザワザワすると思いますが、ここはひとつ『祭り』ということで、引き続きご贔屓のほど宜しくお願い申し上げます」とコメントしているので、今後もどんなアニバーサリーバッシュが行われるのか楽しみなところ。

森山直太朗

メジャーデビュー15周年の森山直太朗は、“ダウンロードコード付きお守り”として8888個限定で発売した新曲「絶対、大丈夫」が何度目かのブレークポイントに。彼の場合は、ライトリスナーの関心を引くユニークな試みが特徴です。巷の流行をいち早く取り入れて「#彼氏に歌で起こしてもらったなう に使っていいよ。」と題した動画を公開したり、Yahoo!知恵袋に森山本人が書き込むという宣伝施策が話題になったり、15周年記念ツアーの曲順をプレイリスト化してKKBOX含むサブスクリプションサービスで配信したり、WOWOWにて特別ドラマ「絶対、大丈夫」がオンエアされたり……。独特の音楽性やキャラクターが一般層に伝わり、本来の意味で花開くアニバーサリーとなっているようです。

氣志團

氣志團は結成20周年記念アルバム「万謡集」をリリース。この作品、バンドと親交の深いアーティストが楽曲提供者として参加したというもので、TAKUROGLAY)、鬼龍院翔(ゴールデンボンバー)、櫻井敦司と今井寿(BUCK-TICK)、志磨遼平(ドレスコーズ)、横山剣(クレイジーケンバンド)、大槻ケンヂ、NARASAKI、真島昌利(ザ・クロマニヨンズ、ましまろ)、前山田健一、藤井フミヤ、藤井尚之、森山直太朗、TAKUMA10-FEET)、宮藤官九郎、ABEDON(ユニコーン)、秋元康といった錚々たるメンバーが作詞、作曲、プロデュースを手がけました。個性豊かなアーティストが“氣志團”を解釈した、1つひとつがコラボ曲のような仕上がりです。1月に開催した記念ライブのタイトルは「成人式」、記念ツアーは「リーゼント魂」など、氣志團らしいネーミングも健在。

Plastic Tree

バンド名にあやかって、デビュー20周年を記念ではなく“樹念”と銘打ち、トリビュートアルバム「Plastic Tree TributeTransparent Branches~」が制作されたPlastic Tree。参加アーティストにR指定、相川七瀬、a crowd of rebellionLM.C、緒方恵美、氣志團、清春、GOOD ON THE REELTHE NOVEMBERSPeople In The BoxPELICAN FANCLUBMUCC12組が並ぶ豪華な作品でした。また、MUCCも結成20周年、D'ERLANGERも再結成10周年を迎え、それぞれトリビュートアルバムが秋に続きました。こうして見るとヴィジュアル系、ラウドロック系はシーン内で先輩後輩プレイヤーの結び付きが強く、トリビュート文化が盛んなようです。

このほか、BUCK-TICK30周年、Cocco20周年、一青窈が15周年、秦基博が10周年、SuGが結成10周年で今年ベストアルバムをリリースしました。10周年の清水翔太、結成20周年の10-FEETなど、精力的なライブ活動でアニバーサリーイヤーを盛り上げているアーティストもいます。この機会に入門アイテムをチェックして、各アーティストの軌跡を追ってみては?

鳴田麻未
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