2023年コーチェラフェスの見所|ヘッドライナーはBLACKPINK
世界中から最先端のアーティストが集うコーチェラ・フェスティバル2023が、2023年4月14日~16日、21日~23日の6日間に渡りアメリカ・カリフォルニアで今年も開催されます。
出典元: YouTube (Coachella)
2011年からYouTubeで無料ライブストリーミング配信を開始し、世界から視聴できる音楽フェスティバルとして知られる本イベントは、日本でも多くの注目を集める世界最大規模の音楽とアートの祭典です。本記事では、毎年多彩なラインナップに話題沸騰となるコーチェラの2023年の見所をご紹介します。
まずは、コーチェラの魅力を押さえよう

コーチェラの会場(駐車場・キャンプ場を含む)は1.133m2 (東京ドーム約25個分) という広大さ。25万人ものオーディエンスが集結し、ライブストリーミングでも4000万人以上 (2019年) が視聴するなど、まさに世界規模のフェスといえるでしょう。その最大の魅力は、ロック・ポップ・エレクトロニカ・ヒップホップ・インディロックなど、実に多様なジャンルのアーティストが一堂に会すこと。これまでに、Beyoncé・Lady Gaga・Radiohead・Paul McCartney・Ariana Grandeなど多くのトップアーティストが出演しているほか、グラミー賞受賞前のBillie EilishやKendrick Lamarをブッキングするなど新進気鋭のアーティストのフックアップも担っています。
出典元: YouTube (Harry Styles)
2022年同フェスでヘッドライナーを飾ったHarry Stylesは、2023年にグラミー賞を受賞。
コーチェラは、アートも大きな魅力のひとつです。会場内には巨大なアートインスタレーションやインタラクティブな作品がいくつも設置され、音楽を楽しむその空間をより魅力的にしています。環境保護やサスティナビリティに配慮した会場作りがされていることも特徴といえます。
出典元: YouTube (TheThings Celebrity)
コーチェラ来場者の多種多様なファッションスタイルをまとめた動画。
さらに、コーチェラはファッショントレンドの発信地としても注目されています。出演者はもちろん、オーディエンスが “コーチェラフェス" コーデをSNSに投稿することで、それが世界中に広がり毎年トレンドが生まれています。ライブストリーミングはもちろんのこと、Instagramで “#coachellafashion" をチェックしてみるとまた違った楽しみ方ができるかもしれませんよ。
2023年のヘッドライナーはBad Bunny / BLACK PINK / Frank Oceanの3組
コーチェラには、これまで世界中からさまざまなジャンルのアーティストが出演してきました。その多様性への意識は、2023年のヘッドライナーの3組を見るとより明確になってきているように感じます。今年ヘッドライナーを飾るのは、Bad Bunny (プエルトリコ)、BLACKPINK (韓国)、Frank Ocean (アメリカ)。ヘッドライナーが全組が有色人種のアーティストになったのは、長いコーチェラの歴史の中でも今回が初。Bad BunnyとBLACKPINKが非英語圏のアーティストである点を踏まえても、2023年のラインナップは非常に歴史的なラインナップであるといえます。
♫ Bad Bunny
出典元: YouTube (Bad Bunny)
Bad Bunnyは、プエルトリコ出身のラッパーで、ラテン・トラップやレゲトン、ラップなど多彩な音楽ジャンルを組み合わせた独自のサウンドで知られます。2022年にリリースした『Un Verano Sin Ti(きみのいない夏)』は、Billboard 200で初登場1位し、以降13週連続で首位をキープする大ヒットを記録。コーチェラのヘッドライナーを飾る史上初のスペイン語圏出身のアーティストとして、ラテンアメリカの音楽シーンだけでなく世界の音楽シーンに大きな足跡を残すでしょう。彼は、そのファッションセンスも注目を集めており、鮮やかなカラーを用いた個性的なスタイルでしばしば話題となります。音楽だけでなく、ファッションやカルチャーの分野でも大きな影響力を持つ彼のパフォーマンスにぜひ注目してみましょう。
♫ BLACKPINK
出典元: YouTube (BLACKPINK)
日本でも絶大な人気を誇る韓国のBLACKPINK。アジア圏のアーティストとして、女性グループとして初めて2023年のコーチェラでヘッドライナーを飾ります。アメリカ・ヨーロッパ・オセアニアを巡るワールドツアーの合間にコーチェラに出演するとあって、脂の乗った圧巻のライブパフォーマンスが期待できるでしょう。
Abu Dhabi, you guys were just🔥 We had so much fun on stage and the night was just so beautiful✨ Hope to do this all over again soon!#BLACKPINK #블랙핑크 #BORNPINK #BLACKPINK_WORLDTOUR #BLACKPINK_BORNPINK #ABUDHABI #YG pic.twitter.com/vDVTXbk0vC
— BLACKPINKOFFICIAL (@BLACKPINK) February 3, 2023
♫ Frank Ocean
出典元: YouTube (Blonded)
R&B・ソウルをベースにした独自性の高いサウンドと感情豊かな歌詞で若年層を中心に圧倒的な人気を誇るFrank Ocean。2012年のアルバム『Channel Orange』で数多の批評家から高評価を受け、グラミー賞を含む数々の賞を受賞。昨今のダイバーシティを象徴する存在で、LGBTQ+コミュニティのアイコンとしても知られています。
2020年にもヘッドライナーに抜擢されていたものの、新型コロナウイルス感染症蔓延の影響で開催が中止に。2016年にリリースされたアルバム『blonde』のリリースツアー以降ライブパフォーマンスを行っていない中でのコーチェラ出演とあって、世界中から注目を集めるステージとなること請け合いです。
誰もが知るビッグスターから新世代アーティストまで注目のアーティストをご紹介
セカンドラインナップに名を連ねるのは、Gorillas・björk・Rosalía・The Chemical Brothers・Charlie XCX・Underworldなど日本でもお馴染みの面々。特別枠にはCalvin Harrisの名前もあり、どんなスペシャルパフォーマンスを見せてくれるのか期待が募ります。さらに「Heart Of Glass」の大ヒットで、70年代〜80年代の洋楽ロックシーンに燦然と名を刻むBlondieも出演。結成50周年を目前に控えた彼らのパフォーマンスは、ぜひとも目にしておきたいものです。
出典元: YouTube (BlondieMusicOfficial)
また、コーチェラがフックアップする新人アーティストもぜひともチェックしておきましょう。ここからは特に今年注目しておきたいニューカマーを紹介していきます。
♫ Wet Leg
出典元: YouTube (BBC Music)
2022年にグラミー賞最優秀新人賞にノミネートされたWet Legは、イギリス南部にある人口14万人のワイト島出身のリアンとへスターから成る2人組。ローファイなインディーロックが特徴で、2022年にリリースしたセルフタイトルのデビューアルバムで全英チャート1位を獲得。ポップで毒気たっぷりに皮肉とユーモアあふれる歌詞と、最高にポップで刺激的なサウンドで多くのリスナーの耳を虜にしているニューカマーです。
♫ Cannons
出典元: YouTube (Cannons)
Cannonsは、ボーカルのミッシェルの妖艶で甘い歌声と、ノスタルジックなエレクトロロックが魅力の3ピース。約10年のインディーズでの活動を経て、昨年コロムビアレコーズからメジャーデビュー。アルバム『Fever Dream』に収録された「Hurricane」のMVは1500万回以上再生されるなど、大きな話題に。遅咲きの苦労人トリオが披露するライブパフォーマンスにぜひ注目してみましょう。
♫ The Linda Lindas
出典元: YouTube (Jimmy Kimmel Live)
The Linda Lindasは、平均年齢15歳のロサンゼルス出身のガールズパンクバンド。バンド名は映画『リンダ リンダ リンダ』と、ブルーハーツの楽曲「リンダリンダ」に由来しているのだとか。どこか邦楽ロックや青春パンクを彷彿とさせるサウンドが特徴的。昨年サマーソニック2022へ出演したことで日本でも大きな話題となりました。コーチェラという世界最大規模の音楽フェスで最年少の彼女たちが一体どんなパフォーマンス見せてくれるのか、非常に楽しみです。
♫ boygenius
出典元: YouTube (boygenius)
USインディーシーンで圧倒的な支持を誇るPhoebe Bridgers・Julien Baker・Lucy Dacusの3人のシンガーソングライターが結成したスーパーグループ “boygenius"。2023年1月にはメジャーデビューアルバム『the record』をリリースし、米ローリング・ストーン誌の表紙に3人が登場するなど瞬く間にその名を世界に知らしめました。それぞれがSSWとして活躍する彼女たちならではの引き出しの多い楽曲バリエーションと歌心溢れるボーカルのアンサンブルにも注目してみましょう。
♫ Scowl
出典元: YouTube (Flatspot Records)
カリフォルニア州の港湾都市であるサンタクルーズ出身の5人組ハードコアパンクバンド・スコール。UKのニューウェイブパンクの影響が感じられるので、激しいサウンドながらUKロック好きにも刺さるサウンドでしょう。紅一点となるモスのキュートなキャラクターのビジュアルコントラストが映えつつも、グルーヴィでダンサブルなメロディにキャッチーな彼女の歌メロが乗るスタイルは、一聴すれば自然と体を揺らしてしまうこと請け合いでしょう。エネルギッシュなそのパフォーマンスにぜひ注目してみてください。
2023年のコーチェラを飾るアジアのアーティスト
BLACKPINKのヘッドライナーに沸くコーチェラですが、ほかにも韓国系アメリカ人のYaeji (イェジ) や、GOT7の香港出身メンバーであるJackson Wang、韓国発クリエイティブ集団に所属するDPR LIVE (ディーピーアール・ライブ)、DPR IAN (ディーピーアール・イアン) が、ラインナップに名を連ねています。日本にも来日歴あり、世界各国の大型音楽フェスにも多数出演している台湾のシティポップバンド・Sunset Rollercoaster (落日飛車) もコーチェラに初出演します。
♫ Yaeji
出典元: YouTube (Yaeji)
韓国語と英語の両刀を巧みに操り、チル感満載なメロディが癖になるYaeji。メロウでローファイなそのサウンドは、日本でも近い将来必ずや大きな旋風を巻き起こすことでしょう。最近ではCharlie XCXと共作したり、Robynのリミックスを手掛けたりするなど多方面で才能を発揮。アメリカで大活躍する韓国のクリエイターのパフォーマンスには要注目です。
♫ Jackson Wang
出典元: YouTube (Jackson Wang)
香港出身のラッパー・ダンサー・俳優・テレビパーソナリティとして幅広く活躍し、K-POPグループ・GOT7としても知られるJackson Wang。2017年に自身のソロ楽曲「Papillon」でソロデビューを果たして以来、多くのソロ楽曲やフィーチャリング楽曲をリリースしています。中華圏を中心に世界的に活躍しながら、彼独自のラップスタイルや音楽性、パフォーマンス力が世界中の人々から広く支持され、2023年満を持してコーチェラの舞台で羽ばたきます。
♫ Sunset Rollercoaster(落日飛車)
出典元: YouTube (Sunset Rollercoaster)
台湾は台北出身の5人組シティポップバンド、Sunset Rollercoaster。日本のシティポップにも影響を受けた彼らは、昨今のシティポップムーブメントより遥か昔の2009年に結成。以降Summer SonicやFuji Rock Festivalなど大型フェスへの出演や単独公演も行うなど、日本でもその名を広く知られる彼ら。アーバンかつサイケでメロウなそのサウンドは、「AOR(アジアンオリエンティッドロック)」と称され、アジアのみならず、世界中から熱烈な支持を受ける彼ら。 結成14年で初のコーチェラのステージを踏むアジアのシティポップのスターたちはどんなパフォーマンスを見せてくれるか、ぜひ注目してみましょう。
2023年のコーチェラに出演するアーティストは162組。今回紹介したアーティストはほんの一部です。世界の音楽の最先端が一堂に会す音楽フェスティバル・コーチェラをぜひ楽しんでみてください。YouTubeリンクはこちら。