サカナクションが影響を受けてそうな80年代テクノ歌謡
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サカナクションが影響を受けてそうな80年代テクノ歌謡

2017-03-17
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今や、なんとなく好きな音楽を聞かれた時に迷った際の回答として正しいのは、“サカナクション”の一択でしょう。
大人から学生まで幅広い世代を魅了する、キャッチーな音楽性の豊かさと、革新的なライブ・パフォーマンスの素晴らしさ。たとえ、音楽マニアで邦楽を聴かない人でも、ライブに連れて行ったらその反応も一変することでしょう。

もともと、石野卓球やRei Harakamiなど、テクノからの影響をはばからない彼らでしたが、海外最先端な電子音が美しいエレクトロなサウンドからの影響が垣間見えるエッジーさが魅力です。

とはいえ今回注目したいのは、楽曲のポップさを助長し、他アーティストと差別化したセンスを与えているテクノ歌謡です。80年代のチャートシーンを制覇したプロデューサー集団でもあった、YMO一派が音楽シーンに投入したテクノ歌謡なフィルターを通じて、サカナクションの魅力を解説していきましょう。

===80年代テクノ歌謡の効能===
サカナクションでテクノ歌謡といえば、特に踏み込んだのが皆さんご存知な映画『バクマン。』主題歌となった「新宝島」。もちろん、そこにはロック・センスも掛け合わされていきます。

ドリフターズ的なセットと振り付けもユニークな、音楽×ユーモアの効果の魔法を知り尽くした最高のプロデュースワークでした。

とはいえ2012年にリリースされた「夜の踊り子」でもその片鱗は伺えます。というかメイクが完全に80’sなんですよね。

そして、「新宝島」路線をさらに貫いた新曲「多分、風。」では、アーティスト写真やタイトル含めたキャッチコピーが完全に80年代 PARCO文化と同化。

かつて、80年代を駆け抜けた伝説的なロックバンドBOØWYの、ヴィジュアルに影響を与えたというPARCOの広告キャンペーン「やさぐれて艶姿」が、サカナクションにも完全に通じると思われます。

ちなみに「新宝島」は、サビ手前でのフレーズが米米CLUBの「Shake Hip!」にちょっとだけ似ていると言われてますが、米米CLUB は、Let's Activeの「Every Word Means No」からの影響で本曲を制作されています。サカナクションのアプローチは、音楽愛を感じるセンスあるオマージュだと思いますね。

というか、アレンジなど細かなところを聴いていると、AKB48のヒットメーカーとして知られる井上ヨシマサが在籍した伝説の小中学生バンド、コスミック・インベンションによる「コンピューターおばあちゃん」を思い出します。80年代にNHK『みんなのうた』で大ブレイクした元祖テクノ歌謡ですね。

===甘酸っぱい魅惑の音楽ジャンル===
そんな意味では、歴史に語り継がれる名曲であるYMO「RYDEEN」や「君に、胸キュン。」、イモ欽トリオ「ハイスクールララバイ」、矢野顕子「春咲小紅」、シーナ&ロケッツ「ユー・メイ・ドリーム」、山下久美子「赤道小町ドキッ」、安田成美「風の谷のナウシカ」などなど、テクノ歌謡名曲を上げていくと、枚挙にいとまがありません。

まぁ、テクノ歌謡とは、30代後半以上には耳馴染みがありつつも、20代にとっては、テクノ歌謡のメロディアスで新鮮なサウンドは音楽好きを増やしてくれる、ティーンの青春期に必ずや必要な、甘酸っぱい魅惑の音楽ジャンルだと思っています。

そもそも、80年代J-POPは、シンセサイザーのテクノロジーの進化によって躍進したジャンルであり、そのルーツはテクノ歌謡だったりするんですよね。そんなことを考えると、80年代に一世を風靡したBOØWY、REBECCA、米米CLUB、そしてもちろんピコピコ感満載なTM NETWORKなどなど、テクノ歌謡の魔法が振り掛けられていると思います。

===清濁併せ呑むセンスの高さ!===
21世紀ながらも、そんなテクノ歌謡の秘密に気がついたサカナクションのすごさ。
それを時代遅れにならず、テン年代以降ファッションセンスのテクノロジーを取り入れることによって、最新のポップカルチャーに昇華するセンスの高さに驚かされます。

そんなサカナクションが7月まで続いていく大規模な全国ツアー『SAKANAQUARIUM2017』を経て、次なるアプローチを、どう展開されていくかに要注目です!!!

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    最終更新

    2017-03-17