桑原あいが100年後に残したい音楽:897Selectors#59
プレイリスト - 6 曲 |

桑原あいが100年後に残したい音楽:897Selectors#59

2017-02-19
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「KKBOX presents 897 selectors」#59のミュージックセレクターはジャズ・ピアニスト桑原あいさんをゲストにお迎えしました。 20歳でデビュー以来、国内外で活躍を続け、2月8日、スティーヴ・ガッド(ドラムス)、ウィル・リー(ベース)とのトリオによるニューアルバム「Somehow, Someday, Somewhere」をリリース。幼い頃から音楽どっぷりの人生を送ってきた桑原あいさんのミュージックヒストリーをうかがいました。

<TALK MEMO>
M1 Night Train / Oscar Peterson Trio 
ジャズ・フュージョンに出会った小学校4年生のとき、初めて買ったCDがジャズ・ピアノの巨匠、オスカー・ピーターソンの62年のアルバム『Night Train』。CDショップの店頭で何も分からずに買い、聴いてみたら「なんだこれは!?」と衝撃を受けたそうです。

M2 Captain Fingers / Lee Ritenour & Gentle Thoughts
ヤマハの音楽教室に通いエレクトーンを習っていた小学生時代、コンクールで自分で曲を決めて演奏するにあたり、先生から「あいちゃんにはジャズ、フュージョンが向いている。この曲を弾いたら?」と言われて紹介されたのが、この、ジャズ・フュージョンの名盤『Gentle Thoughts』の収録曲。ひらすら聴いて “耳コピ”で曲を覚え、アンソニー・ジャクソン(ベース)の演奏に惚れ込み、エレクトーンのフットペダルでベースラインを弾くことに熱中したそうです。

〜音楽活動を始めてから影響を受けた曲〜
M3 Looking Up / Michel Petrucciani 
夭逝したフランスのジャズ・ピアニスト、ミシェル・ペトルチアーニの89年のアルバム『Music』から。あいさんは14歳でエレクトーンからピアノに転向し、洗足学園高校音楽科ジャズ・ピアノ専攻に進学。師事した先生から「このCDを聴いて気に入ったら “耳コピ” してきなさい」と教えられ、聴いた瞬間に「これだ!」とひらめいたそうです。「命の音というんでしょうか。私の魂に入り込んできました。こういう音が出せるピアニストになりたいと思いました」。

M4 Heartsong / Fred Hersch 
「ピアノの詩人」と呼ばれるフレッド・ハーシュのソロ・ピアノのライヴ盤(93年)から。「ライヴを見て心が震えることはあっても、涙が止まらなくなるようなライヴには、そんなに出会えなかったんですが、そのひとつがフレッド・ハーシュのソロのライヴでした」。

〜100年後も誰かの心に残っていて欲しい曲〜
M5 Somewhere – Finale / West Side Story Cast Film
ブロードウェイ・ミュージカル『West Side Story』映画版のオリジナル・サウンドトラック盤(61年)から。「映画を初めて見たのが小学生のときでした。これは世界でいちばん好きな曲。レナード・バーンスタインは私にとって、ブラームスと並ぶ二大作曲家です。当時27歳のスティーヴン・ソンドハイムが作詞した歌詞にも心を打たれました」。
この曲は、あいさんがニューアルバム『Somehow, Someday, Somewhere』で録音しました。アルバム・タイトルは「Someday」の歌詞の最後の一節。

M6 We Are The World / USA For Africa
「音楽は全部、”歌”だと思っています。自分のピアノも “歌“でありたいし、歌手のバックで演奏するのも大好きです。これは究極の一曲だと思います。曲の中に入っているパワーがスゴい!」

〜現在の桑原あい〜
M7 Home / 桑原あい with Steve Gadd and Will Lee
ニューアルバムから、ミシェル・ペトルチアーニの作品。「ペトルチアーニは好きすぎて、今までCDに入れることが出来なかったんですが、今回、スティーヴ・ガッド、ウィル・リーと一緒に録音することになって、”ペトちゃん”の魂に触れることができるかも、と思い録音しました」。

M8 The Back / 桑原あい with Steve Gadd and Will Lee
新作の最後に収めたオリジナル曲。「2015年、モントルー・ジャズ・フェスティヴァルのピアノ・コンペに出場しましたが、その1年前からスランプに陥っていました。コンペの会場にクインシー・ジョーンズが来て “今のあなたを出してきなさい” と言われ、終了後に “あなたの音楽、ジャズをやっていきなさい” と言われたことで邪念が落ちたんです。この曲は、モントルーから日本に帰る飛行機の中で書いた曲です」。

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    最終更新

    2017-02-19