鵄ノ崎恵
作詞：鵄ノ崎恵 作曲：鵄ノ崎恵
潮騒が聞こえるわ
争いを呼ぶような
欲望にくらんだ
悪魔の住処
歓声が聞こえるわ
鳥たちの鳴き声が
拙い思い出は
この空にわめき立つ
角笛が聞こえるわ
投げ打つ私たちに
二粒の命で
振り上げるいかり
嘲りが聞こえるわ
唸りゆく撃鉄が
逃げてまどう二人を
指さして笑うけど
木漏れ日に身をゆだね
まどろんだ朝も
口づけて指添わせ
かき抱く夜も
君と見た明日も
ゆずれないのなら
今私に見えるのは
揺らいだオノマトペ
目蓋に落ちた幻惑の花
進んでいく道が
何も生まないと知っても
居場所を探す言葉もないわ
虚空に穿つファンタジア
すべてを捨ててゆこう
安寧と日常と
背中に走る血は
旅立ちの手向け
何度でも歌いましょう
そう真名だけたずえて
汚れた手のひらで
この手で帆を張るわ
鞭打たれ 組み敷かれ全て奪われた
情熱も愛しさも淡い憧憬も
君だけが残った
蕾ならば
今私に見えるのは
うつろなロマネスク
死すべきさだめの二人と知って
旅立つその時に
そうね君ならば
優しいきみだから
泣いているでしょう
虚空に響くハルモニア
「羽根を捨てた私たちが
飛べるはずもないことは分かっていたの
ねえその枷を外した
私の手つかんだこと
後悔してる？」
「僕がすべてを捨ててまで望んだ未来は
その未来は
貴方と生きる未来だから」
今私に見えるのは
揺らいだオノマトペ
目蓋に咲いた君こそが光
進んでいく道が
何も生まないと知っても
居場所を探す言葉もないわ
今二人に見えるのは
水面のグローリエズ
唯一願った儚い自由
いまあらがえぬ運命に
沈んでいくのだから
絵筆の中で何度も踊ろう
意味を繋ぐファンタジア
君と謡うハルモニア
この手につかむ
「貴方と歌う」
この地に捧ぐ