歌曲

Logos

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作词:林 英樹     作曲:佐藤純一、kevin mitsunaga


編曲/Arranger:佐藤純一、kevin mitsunaga

フィクションの話をしよう。

これはある街の暮らし。

この街の生活者は朝目を覚ますと
自室で入念に手を洗い、
部屋中を消毒してから、
宇宙服のような防護服に
身を固めて部屋を出る。
家族もまたそれぞれの個室から
出てきてフェイスシールド越しに挨拶をし、
テイクアウトした朝食を防護服の中に
滑り込ませて頬張り、
コーヒーをストローで飲み込む。
さながら朝の食卓は
宇宙ステーションのコックピットのよう。

通勤や通学も防護服を身に纏う。
かつては社会的ディスタンスを
保つ努力をしていたけれど、
結局バスや電車は人でいっぱいで、
ビニールをかぶってればいいよね
とか言ってあまり気にしなくなった。

マスクが義務付けられていた頃は
友達の顔を忘れてしまった。
隠れて見えていない部分は
想像で補うのだけど、
実際以上に整った造形を
当てはめてしまって、
マスクを取ると誰?
なんて思ってしまったりして。
それもフルフェイスシールドをみんなが
着用するようになってからはなくなった。

学校では、1日に何度も防護服を取り替える。
めんどくさいから毎日
オンラインでいいのにって思うけれど、
「格差」が出るから
時々行かなきゃいけないんだとか。

楽になったのは毎日の服装に
気を使わなくなったこと。
とびきりのオシャレをしたって
防護服の下では何もわからない。
オシャレはもっぱら自室からの
インスタグラムが主戦場で、
最近ではVRを使わず生地の素材感を
活かすのが流行りだとか。

フィジカルな接触をするスポーツは、
ほとんどeスポーツに取って替わられた。

それで夜になると、
宇宙船の乗組員たちは、
おやすみと言って別れ、
それぞれの個室でようやく防護服を脱ぎ捨てる。
家族が寄り添って眠りにつくことはもうない。
それがこの世界の「生活様式」。

そうやって僕らはお互いに
触れ合う行為を失ってしまった。
すべての対話はオンラインでの画面越しか、
ビニールシート越しになった。
コミニュケーションが 鬱陶しくなったと
感じる人も多い。
みんな怒りっぽくなったような気がする。

一体いつからこんなにも
人同士が隔たれてしまったんだろう?
ウィルスが蔓延してから?
人々がパニックに駆られて、
スーパーマーケットの棚が空っぽになってから?
いろいろな防護策が法律で定められてから?

いや、もっと前から僕らは
離れ離れだったような気がする。
ウィルスが広まる前からネットの中で
生きているような人もいたし、
発声せずに呟き続ける人々が山ほどいた。

武器と武器を持って争い続けたのは
歴史が教えてくれる。
思想や信条が僕らを
隔ててしまうことは日常的だ。

ismが、それぞれの正義を強固にして、
何百年も構造的に人を
階層に押し込んだことだってあった。
それは今だって時々マグマのように噴出する。
いや、ひょっとしたらもっとずっと前に…。

僕らがlogos(言葉)を持ってしまってからずっと、
僕らはお互い隔たれてしまったのかもしれない。

でも、僕らは確かに感じることができる。
やけに濃い夕日のあまりの美しさを。
静けさの中に浮かぶ月の幽玄さを。
お互いを求め繋がっていたいと思う希望を。
誰かを慈しみ、救いたいと願う勇気を。
あなたをただ愛おしいと想うこのpathosを。

決して忘れることなく、焦がれ続け、
日々を過ごしている。

これはあくまでフィクションの話。
どこかの並行世界の日常。
それともいつか未来に訪れる
縦列世界の姿かもしれない。

人が言葉を持つ限り、
消滅することのない、pathos。
また今日も、悲しくない話をしよう。