歌曲

九日目

試聽 聽全曲


もたげた首が痛いから 大事なものから捨てた
あの時と同じ空に落とした影法師
息をするのも辛いから 言葉を飲み込んだ
電波塔にぶら下がった 誰かの愛の歌

白く揺らめいた 晩夏の蝉時雨
視界の端に君の背が消えていく夢を見る
何もかも手遅れな僕らの歌が
藍色の喧騒に飲み込まれていく

愛を忘れかけた頃に 言葉が生まれてきて
綴り終えた時には 全てが変わっていた
八日目の夕暮れ空に 渡った飛行機雲
変わってしまったのは ああ 僕の方だったんだ

蜃気楼だった それを追いかけて
世界の隅に僕の躯が沈んでいく夏を見る
さよならも言えぬまま消えないで ねえ
遠い空を探してた誰かが笑う

夕立雲 子供達の声
九日目には 笑える?

あの時と同じ空に
あの時と違う僕に

何もかも手遅れな僕らの歌を
少しだけ愛せたら進めるのかな
ああ 声も出ないや
何もかも手遅れな君への愛だ