KYONOが選曲した100年後に残したい音楽〜897Selectors#111〜
アーティストたちが影響を受けてきた音楽や、100年後も誰かの心に残っていて欲しい曲をテーマにしたFMプログラム「KKBOX presents 897 selectors」(奇数週の20時からInterFM897でOA中/DJ:野村雅夫)。今回のセレクターはKYONOさんです。THE MAD CAPSULE MARKETSのボーカリストとして2006年まで活動。その後ソロプロジェクトWAGDUG FUTURISTIC UNITYを立ち上げ、日本のロックシーンのレジェンドとして君臨するKYONO。今年10月には、30年を超える音楽キャリア初となるKYONO名義のアルバム『YOAKE』をリリースし、その健在ぶりを見せてくれました。今回はそんな彼の音楽のルーツ、影響を受けた楽曲、そして100年後も誰かの心に残って欲しい曲などを伺います。
音楽体験の原点となる曲
SYSTEMATIC DEATH / Crass
※ビョークも参加していたという1977年から1984年にかけて活動したイギリスの芸術集団パンク・ロックバンド。
滅多にかかることないですよね、この曲は(笑)。18歳の頃にバイトしている雑貨屋によく遊びに来る女の子がいて、その子が「SYSTEMATIC DEATH」の入ったアルバムをカセットテープにダビングして持って来てくれたんです。でも、その翌年に女の子が自殺してしまったんですが。そんなこともあって記憶に凄く残っているし、自分自身もこのアルバムを聴くと創作意欲が湧いてきます。
10代、20代で節目となった曲
It's Catching Up / NoMeansNo
この曲の変態さ具合というか、本当に刺激的で衝撃的でしたよね。自分がDJやる時も、いまだに選曲しています。
Bring the Noise / ANTHRAX feat. Chuck D from PUBLIC ENEMY
PUBLIC ENEMYとのコラボレーションというのがポイントですよね。 90年代は、こういうジャンルをクロスオーバーする形が流行った時代だったと思うんですけど、それを代表する曲だと思います。こことここがあわさっちゃうんだ!という驚きでした。
音楽活動を始めてから影響を受けた音楽
Bombtrack / RAGE AGAINST THE MACHINE
当時イギリスでレコーディングしていてよくクラブに行ってたんですが、そこでかかっていて凄く盛り上がってました。「なんなんだ、この曲は?」と思い、DJに曲を訊ねて初めて知ったのがRAGE AGAINST THE MACHINEというバンドでした。懐かしさもありつつ、いま聴いてもカッコいいですね。
B.Y.O.B / SYSTEM OF A DOWN
※レバノン・ベイルート生まれで、アルメニア系アメリカ人のシンガー、サージ・タンキアンが中心となったカリフォルニア州のバンド。
SYSTEM OF A DOWNはイギリスのフェスに出た時に一緒になって。ステージの音がアルバムとまるっきり一緒だったんです。そのヤバさがたまらず、ステージの前の方まで駆けていってほかの客と混じって前列で暴れていましたね。あと、やっぱりギターが変態なんです(笑)。
100年後も誰かの心に残っていて欲しい曲
銀河鉄道999 / ゴダイゴ
小学生の頃に映画を観に行って、この曲が大好きでした。いま聴いても胸がいっぱいになって、涙が出そうになります(笑)。夢とか希望が詰まった感じがたまらないです。100年後にもこういった曲が残っていたらいいなと思います。
上を向いて歩こう / 坂本九
世界中で歌われている名曲ですよね。「100年後も誰かの心に残っていて欲しい曲」というテーマだったので、逆に子供の頃に戻っちゃったんですよね。子供の頃に好きで、今も好きな曲という観点で選曲させてもらいました。
KYONOの現在
BREED feat.JESSE (RIZE/The BONEZ) / KYONO
個人名義のアルバムとしては初めてなんです(笑)。いろんな音楽を聴いてきて、それがいまこの年齢になって凝縮されて脳内に湧いてきている感じがします。KYONOとしての名刺になってもらえればいいなと。
YOAKE feat. Tokyo Tanaka (MAN WITH A MISSION) / KYONO
自分のソロアルバムだったのでシンセ、ベース、ギターなど楽器は全部やってるし、ミックスやりながら編集したり。きつかったけど楽しかったです。あとはこのアルバムをどうやってLIVEやるかなんですが、楽しみにしていてください。