岸田繁が選曲した100年後に残したい音楽:後編〜897Selectors#101〜

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KKBOX編集室

アーティストたちが影響を受けてきた音楽や、100年後も誰かの心に残っていて欲しい曲をテーマにしたFMプログラム「KKBOX presents 897 selectors」(奇数週の20時からInter FMでOA中/DJ:野村雅夫)。番組100回を記念した特別編のセレクターは〈くるり〉の岸田繁さん。前回の放送では収まりきらなかった貴重な音楽トークの後半をお届けします。収録場所は京都・左京区の一乗寺にある焼肉屋の「いちなん」さん。焼肉を挟みながらのお話はさらに核心の部分に!「KKBOX presents 897 Selectors in 京都」の第2弾は、くるりデビュー後に影響を受けたアーティストや音楽、100年後も残したい曲などをお届けします。

くるり結成後に影響を受けたアーティスト

cream soda / スーパーカー

やはり同年代でデビューした周りにいる人たちですかね。
バンドで言えば、同じラインで走り始めたスーパーカーやNUMBER GIRL。自分たちの立ち位置とは別のバックグランドを持つミュージシャンが、同年代の何に影響を受けていたかということは私たちには影響していたでしょうし、彼らにも与えていたんじゃないかとは思います。

透明少女 / NUMBER GIRL

ロックバンドである自分たちとは畑違いの、電子音楽とか古典的なクラシック、ジャズなどには惹かれていました。僕が音楽をやっているのは旅のようなもので、人生の中のトライアルなので自分自身を確認する作業なんですね。「この音、なんで好きなんやろ」というのは、自分の身体を使って音楽の中で触れていかないと、自分が何者であるかわからへんという感じなんです。好きな女の子ができた時に、「なんでこの人を好きなんか」という答えが、その人と初めて触れ合った時に、自分を確認できたりすることがあるじゃないですか。それと一緒なんですね。

100年後も誰かの心に残っていて欲しい曲

ピアノソナタ第8番ハ単調「悲愴」第2楽章 / ベートーヴェン

やっぱりベートーヴェンは原点ですね。1800年代のミュージシャンなんでとっくに歴史に残ってますが(笑)。ベートーヴェンの中では交響曲第9番の第2楽章か、第4楽章が好きなんですけど、いろんな人の思惑や思い入れがある大きなマスみたいな作品だと思うんです。この作品はベートーヴェンのシンプルな動機というか、魅力が伝わるわかりやすい楽曲かなと思います。(後世に)残る音楽って研究される良さがあるんやと思うんです。

アイネ・クライネ・ナハトムジーク / モーツァルト

ニコラス・アーノンクールという指揮者の演奏を4回ほど観てるんですが、この人は当時の楽器が音楽をどのように奏でていたかなど研究していた人なんです。「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」は明るいイメージがあったのに、彼が指揮した古楽器オーケストラで演奏しはったものは、ノンビブラートで驚くほど音が小さいんですよ。それを聴いた時に「なんて暗い音楽なんや」とめちゃ思ったんです。もしかしたら僕らが持っていた「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」のイメージはカラヤンが作り上げたものやないんかって。ニコラス・アーノンクールがやったのは、長年に渡るミュージシャンに対する誤解を解いていく作業だったのかなと思ってます。

カレーライス / 遠藤賢司

歌のある作品で、僕が世界で一番好きな曲です。歌の表現って肉感に近づくというか、人に触れるということなので少し怖いという気持ちがあるんですよね。ジョンもポールも、ネバヤンの安部君もなんですけど(笑)。「カレーライス」は、初めて歌の恥ずかしさとかなまめかしさを超えて刺さってきた曲。自分の感じてるどうでもいいことばかりを拾い集めて、ポップな歌にした曲だと思うんです。表現することって自分を出すように思いがちやけど、彼は自分を出さずに、自分自身がどれほどのものであるかを描き切ったんやと思います。僕はこんな曲を書ける自信ないです。

くるりの現在

だいじなこと / くるり

アニメの主題歌ということで依頼を受けて書いた曲です。依頼を受けたのが締め切りぎりぎりやったんで、先にテレビサイズを書いてあとから伸ばせばええかと思ったんですが、90秒にすべてを詰め込み過ぎてて、これでええかという(笑)

忘れないように / くるり
「忘れないように」と「春を待つ」(2018年3月リリース 7インチアナログ)は20年以上前の曲で、録音せずにお蔵入りになった曲です。デビューした頃のくるりはオルタナ・グランジバンド的な売り出し文句だったので、この2曲はいろんな事情でお蔵入りになったんです。それが20年経っても覚えていたんですよね。20年経って覚えているということは、曲が待っていてくれたんやろなというのがありました。ただ「忘れないように」は、サビ以外は残念ながら歌詞を忘れてしまい(笑)。なので、サビ以外は全部書き直しました。



京都音楽博覧会2018 IN 梅小路公園
開催日:2018年9月23日(日)
場所:京都・梅小路公園芝生広場
(JR・近鉄・地下鉄京都駅より徒歩15分、阪急大宮駅より徒歩25分、京阪七条駅より徒歩30分)
開場:10:30 開演:12:00(いずれも予定) 雨天決行・荒天中止
出演:くるり / never young beach / ハナレグミ(弾き語り)
ASIAN KUNG-FU GENERATION / クラウド・ルー(Crowd Lu)/
スターダスト☆レビュー / 手嶌葵

「くるりワンマンライブ2018」
■開催日程
2018年10月8日(月・祝)
開場17:30/開演18:00
2018年10月9日(火)
開場18:30/開演19:00
■会場
中野サンプラザ
■チケット料金
全席指定 6,480円(税込み)

9月19日にNew Album『ソングライン』リリース!
2014年に発表の前作『THE PIER』以来、丸4年ぶり通算12枚目のオリジナルアルバム。
収録されるのは、先行で発表された「How Can I Do?」「特別な日」「その線は水平線」
「春を待つ」「だいじなこと」「忘れないように」を含む全12曲。
初回限定盤A、Bには3月31日にZeppTokyoで行われたくるりライブツアー「線」の最終公演より
演奏された全20曲を完全収録。
くるりのアルバムで、ライブ1本を丸ごと収められるのは今回が初めてとなります(!)。
LPでのリリースも決定しています。


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