歌曲

彦山川 ~あったかい瞳のかあちゃん~

試聽 收聽全首

作詞:yosh     作曲:yosh



学校の授業参観日のある日に
母ちゃんに絶対来んなち言うた
太りすぎの体ででったんバカでかい声を
出されちょったら恥ずかしいやろ
それでも母ちゃんは見に来ちょった
気づいたら俺の後ろの席まで
笑顔いっぱいで俺を見つめてる
誰よりもあったかい瞳で

不良にあこがれて 無茶苦茶なことばかりした
そのたびに母ちゃんが 呼び出され
他人様に頭下げて 嫌言も言われながら
それでも俺を信じて くれちょった

『母ちゃんなしなん?
もうちょっと小せえ声でしゃべってちゃ
みんな母ちゃんが来たらでったん
笑っちょったろうも
先生も一緒になって笑っちょうき
俺、恥ずかしいでたまらんやったちゃ
もう絶対学校には来んで!
頼んじょくバイ』

夏休みに入って父ちゃんの仕事に
初めて手伝いについて行った
彦山川の土手沿い小さな人影が
少しずつ見えてきた
不似合いな汚れた作業着姿で
汗にまみれセメントにまみれて
焼けこげるような
暑さの中がむしゃらに働く
母ちゃんの姿がそこにあった

男に負けないくらい 大きな声をあげて
慣れない手つきで必死に 頑張ってる
こんなきつい仕事で 疲れて家に帰り
それでも俺に笑顔を くれちょった

『母ちゃんごめんな。
母ちゃんがあげなきちぃ仕事しようの
しらんやったちゃ!!
それなんに俺は風呂掃除しちょってくれっち言われても、
めんどくさいっち言うてせんやったり!
買い物行ってレジでお金が足りんっち
咄嗟に缶詰戻しに行った母ちゃん見て
貧乏は恥ずかしいやろうとが言っちょったり
今考えてみりゃどんだけ
母ちゃんにひどいこと言っちょったか!!
もうちょっと早く母ちゃんの苦労に
気づかないかんやったバイ!
けど母ちゃん今日からは違うき、
俺、新聞配達することに決めたバイ
俺の年でもやらしてくれるっち
裏の新聞屋のおばちゃんが言いよったき
少しでも金稼いで
父ちゃんと母ちゃん楽さしちゃるき、
待っちょってバイ』

炭鉱の町で育ち 貧しくても愛に溢れ
かけがえのない家族に 囲まれ
また生まれ変わっても
さびれた筑豊の町に生まれ
そして母ちゃんの子供に 生まれたい

ずっと変わらん元気な姿で
今は誇りに思うバカでかい声
笑顔いっぱいで俺を見つめてる
誰よりもあったかい瞳で