ベリーグッドマンにとっての至福のオフ 〜オフに聴く音楽と、ファッション&休みの過ごし方

ベリーグッドマンにとっての至福のオフ 〜オフに聴く音楽と、ファッション&休みの過ごし方
阿部裕華
阿部裕華

ミュージシャンの「オン」と「オフ」を覗く連載「至福なオフ」。「オン」のモードで作り上げた作品についてはもちろん、私服のこだわりや休日の過ごし方、聴いている音楽など「オフ」の話題にも触れています。

HiDEX、Rover、MOCA(L→R)

今回のゲストは、Rover(ロバー)・MOCA(モカ)・HiDEX(ヒデックス)からなる3人組ボーカルユニット・ベリーグッドマンです。2013年にメジャーデビュー後、頑張る人の背中を押すストレートな歌詞を用いた数々の「パワーソング(応援歌)」を世に送り出し、多くのプロ野球選手の登場曲に使用されています。また、2022年9月3日には自身の地元である大阪にて約15,000人規模のフリーライブを開催し、大きな話題を呼んでいます。 そして、9月28日にはメジャーデビュー7枚目となるフルアルバム『すごいかもしれん』をリリース。日本テレビ系「スッキリ」9月テーマソングの「いい気分」を含めた既出曲3曲に加え、新曲8曲が収録されています。本アルバムについての「オン」のお話をたっぷり伺うとともに、休日の過ごし方、最近よく聴いている音楽など「オフ」のお話もお届けします。(写真:山本雅美)

オフの日のファッションは?

ー今日はテレビ収録後のインタビューですが、今着ていらっしゃる服はお衣装ですか?

Rover:僕とMOCAは私服です。私服と衣装が同じようなものなので。

HiDEX:僕だけ、撮影用と決めた服すね(笑)。

―Roverさんは襟付きのシャツ、MOCAさんとHiDEXさんは帽子をかぶっているイメージが強いのですが、普段も身につけているファッションアイテムはありますか?

Rover:首が長いので、襟付きのシャツをよく着ていますね。

MOCA:気は短いんですけどね。

一同:(笑)。

Rover:私服だとTシャツもよく着ています。

HiDEX:僕はネックレスですね。MOCAがプレゼントしてもらったやつを「ちょっと貸して」って借りた日に、MOCAへプレゼントしてくれた人が僕にもプレゼントしてくれたんですよ。なので、MOCAのネックレスをもらって、MOCAに新品を渡すという。

MOCA:僕はそのネックレスを親父にあげました。

―すごく複雑(笑)。MOCAさんもRoverさんもネックレスやブレスレットをつけていますね。

MOCA:このブレスレットは姉ちゃんが持っていたティファニーのネックレスをおかんと姉ちゃんと僕で3分割して契りを交わしたやつです。2人は契りを交わして1ヶ月以内に失くしていましたけど……。

Rover:僕はあまりアクセサリーを付けないのですが、ネックレスは付けていますね。

MOCA:3人とも一緒のメーカーやな。

HiDEX:今つけてるのは違うけど、さっきまでつけていたやつは一緒やな。

Rover:お世話になっている方が紹介してくれて気に入ってつけるようになったんです。ライブの時は必ず付けていますね。

オフの日、なにしてる?

ーみなさんは休日どういう過ごし方をしているんですか?

MOCA:11時くらいに起きて1食目には必ず激辛カレーを食べて、車でぶらぶらしてサウナに入って終わり。朝から激辛を食べているので寿命は縮んでいるかもしれませんが、辛い物を食べるとストレス発散になるので、それが好きな食べ物ならなおいいかなと思って(笑)。

Rover:僕は誰かと約束がなければ、猫2匹と遊びながらNetflixで映画やドラマを見たり、DAZNでサッカーのハイライトを見たりしています。あとはしょっちゅう車の洗車をしていますね。ホイールを拭いたり車内に掃除機をかけたりして「キレイになったな……」と満足した後に、ガソリンのメーターを満タンにして家に帰ります。出かける時は極力遠いところを選んでいきます。

HiDEX:僕は基本的に毎日サウナに入るんですけど、車で高速走らせて30分とかの場所に行っています。あとは、仕事のある日でも寝る寸前まで海外ドラマや映画を観ているので、休日はその過ごし方をほぼ一日中していますね。食べて寝て、映画観て、漫画読んで、と1日ダラダラしています。

―RoverさんとHiDEXさんは映画がお好きなんですね。

HiDEX:映画館は苦手なんですけど、家で自分の好きな体勢で観るのは好きですね。サスペンスとかSFをよく見ます。

Rover:僕は逆に映画館で観るのが好きなんですよ。ちょっと前に『トップガン マーヴェリック』を観に行きました。Netflixとかでは映画館で観られない作品、韓国ドラマとかをよく観ていますね。

MOCA:僕は全く映画を観ないから、HiDEやRoverはいっぱい観ていてすごいと思う。

ーMOCAさんは学生時代に野球をやられていますが、今も野球はお好きなんですか?

MOCA:実際に野球をしているわけではないのですが、高校野球とタイガースの試合はよく見ています。なので、Netflixには入っていないけど、DAZNには入っていますね。あと、スポーツだと一時期ゴルフをやっていて。僕が辞めた時に、Roverにクラブセットを受け継いでもらって、そのあとRoverが辞めてHiDEにクラブセットを受け継いで、そうしたらHiDEがめっちゃハマった(笑)。

HiDEX:そうそう。二人がゴルフを始めたから、そんなに面白いのかと気になっていた時に、たまたま打ちっぱなしに連れて行ってもらってハマっちゃった。月に1回は行くようにしていて、それを1年くらい続けています。

オフの日に聴きたい音楽は?

ーオフの日に聴く音楽では、それぞれ3曲ずつピックアップしてもらいました。この楽曲を選ばれた理由を教えてください。

Rover:ラジオ番組のパーソナリティをやらせていただいているのですが、ゲストさんから曲のお話を聞いた後に流すと楽曲の説得力を毎回すごく感じるんですよ。なので、今回挙げた3曲中の2曲のKlang Rulerの「ジェネリックラブ」と水曜日のカンパネラの「エジソン」はラジオで知ってハマった曲です。Klang Rulerは若手Z世代のトラックメイカーなんですけど、才能に感動しちゃって。90年代のサウンドを現代版にアレンジした「ジェネリックラブ」を聞いた時は震えました。水曜日のカンパネラは、詩羽さんの声がとにかく素敵。

マイケル・ジャクソンに関しては、気持ちを整えるために聴きます。ツアーを何十回もしていると慣れてきて感覚が麻痺することがあったから、何年か前から名曲を聴いて気持ちを整えることを始めて。その時ずっとマイケルの曲を聴いていたから今回選びました。

HiDEX:僕、移動中の新幹線や飛行機で聴くことが多いので10曲くらいのプレイリストを作っていて、その10曲の再生が終わるとプレイリストの楽曲に好みが近い曲を選んで流してくれるやないですか。それを飛行機で寝ながら聴いている時、Olly Murs「Grow Up」が流れてきた瞬間にめっちゃ切ないと思って。飛行機も相まって旅立つ寂しい気持ちになったと同時に「こんな気持ちにさせてくれる曲を作りたい」と思わせてくれた楽曲です。

藤井風さんの「帰ろう」もトラックメイカーとしての目線ですごくカッコいいと思ったんですよ。後輩とバーに行った時に流れていたのを聴いた時、シンプルなピアノサウンドなのにめっちゃ複雑なトラックですごい曲やな!と思いました。あと、ハマると長い間同じ曲ばかり聴いちゃうので、その中の1曲がaikoさんの「カブトムシ」という感じです。

MOCA:僕の中で今旬の楽曲を挙げました。まずwacciは贔屓目で見ずに努力で天才になった人だと思っていて、「恋だろ」もめっちゃいい曲やなと聴いていたんだけど、そんな中で俳優の松下洸平さんと歌っている「恋だろ」がすごく良くて。こだわりを持って表現している人の近くには同じようにこだわりを持って表現している人がいるんやなと感じました。1曲を聴き終わった時に、短いドラマを見せてもらった感じ。「あれ、俺ここまで表現できているかな」と思わされて、ハマっています。

HRVY, Matomaの「Good Vibes」は、ずっとレゲエにハマっている中で、 “新しいレゲエ” の形を感じた1曲で。聴き流すのにちょうど良いバイブスだと思って選びました。あと、今一番聴いているJambo Lacquerの「マスヨウニ」。曲づくりしている時、「今の時代はこうした方がいいかな」と考えちゃうんですけど、この曲はそれを狙いもしないような感じで作っているように感じていて。ただひたすら音楽が好きだと感じる言葉とメロディが合わさっている素朴さがあり、懐かしさがあり、マスターピース感のある楽曲です。

ーみなさんで「今聴いている音楽」について共有することはあるんですか?

MOCA:共有することもあるけど、あんまり分かっていないかな。でもベリーグッドマンとして曲をリリースする時に、「最近こんなん聴いとったんか」と垣間見える瞬間はありますね。

HiDEX:僕はMOCAのプレイリストをたまにもらうけどな。音楽をめちゃめちゃ掘りまくっているので。

MOCA:自分の中で意識はしていないんやけど、流行りを押さえながら昔の知られざる名曲や色あせない輝きがある曲の共通点を探すのが好きなんですよ。それは日常的にやっていますね。

ベリーグッドマン流、楽曲のつくり方

ー楽曲制作をする時は、曲からインスピレーションを受けることも?

HiDEX:二人が曲を上げてきてくれたタイミングで、「自分ならどう作り上げるかな」って考えた時に聴くことはありますね。「このテンポ感やったら、この雰囲気が出せて面白くなるんじゃないかな」と自分の中にない感覚を得るために聴く感じです。

Rover:僕は制作期間には絶対に音楽を聴かない。誰かのエッセンスを借りてしまったらアカンと思うから。ただ、何年も前から聴いていた曲がアイデアとして湧き出てくるパターンはあるから、矛盾しているなと感じますけど……。

MOCA:作っている期間は知っている曲しか聴かないようにしています。年2枚くらいアルバムっぽいものを出していて、1ヶ月みっちりアルバム制作したら一旦制作を休憩する期間を設けているので、その期間にインプットしておく。基本的には音楽以外のところからインスパイアするようにしないと、どこかで聴いたことあるような曲になるから。

―音楽以外の楽曲制作の源泉が知りたいです。

MOCA:子どもの発言を聞いたり嫁が家で掃除・洗濯・料理をしている姿を見たりして、「この生活に幸せを感じてくれているのだとすれば、自分はすごく欲張りなことを目指しているな。」という感情を引き出しにすることが多いかもしれん。

Rover:一番は新幹線の窓側に座って猛スピードで変わる景色を見ている時、ツアーで普段行かない駅や街並みを見た時、ニュースを含め映像を目で追っている時にアイデアが浮かびますね。あとはスタジオでたまたま置いてあった誰かの歌詞カードを見て言葉からメロディのアイデアが思い浮かぶこともある。

HiDEX:それこそサウナ。2時間くらい携帯に触れず、何の情報も入れず、無になれるから。サウナから出て気持ちよくなっている帰りの車の中でパッと思いつくんです。だから、車の中で思いついた言葉やメロディ、ギターの「ジャーン」みたいなことをボイスメモで録音しています。今回のアルバム(『すごいかもしれん』)もサウナ帰りのアイデアが入っていますし(笑)。

ーベリーグッドマンは短いスパンでアルバムをリリースしているイメージがあるのですが、それは3人で作っていることも大きい?

Rover:大きいと思いますね。ソロだったらあり得ない。メンバーにトラックメイカーがいるし、HiDEのスタジオで全部録音できるから、時間的な制約もなく気を遣わずに制作できるのも大きいんですよ。

HiDEX:今だと先にRoverとMOCAの声だけをバーッと録って、二人が帰った後に僕一人が録るパターンが多いですね。

Rover:最短だと1日もかからずに1曲完パケできる可能性もありますね。曲によって寝かせながら作ることもあれば、猛スピードで作ることもあるし。それくらいセッション的に作る方が、僕たちのスタイルみたいにもなっている。直感で作ることが好きなんですよね。

ー9月28日リリースのフルアルバム『すごいかもしれん』から“直感的に作った楽曲”と“時間をかけて作った楽曲”、それぞれ教えていただけますか?

HiDEX:トラックでいうとセッション的に作れたのは「いい気分」。「せっかく東京まで来たし二人の声に合う良い曲を作らな」と思いながら、ギタリストのNagachoさんとゼロベースでスタジオに入って。二人で「どうしましょうか」と話しながら、僕がピアノで弾いたフレーズにNagachoさんが「それいいじゃん」となって……みたいなことを積み重ねるような、直感でできたトラックです。

出典元:YouTube(ベリーグッドマン YouTubeチャンネル)

Rover:僕とMOCAはトラックメイカーではないからメロディの話になるのですが、リード曲の「すごいかもしれん」は直感に近かったかな。「こういうトラックだったらこれしかないでしょう!」と僕の中のベーシックを出したところがありました。

MOCA:時間をかけた曲でいったら「Mic」。自分たちとしてはやってきたことのないリーディングラップだったのですが、HiDEが上げてくれたトラックに対して直感的に<蝶のように舞い 蜂のように刺す 語るように歌い この音に乗る>という歌詞が出てきたんですよ。でもそこからめちゃくちゃ寝かせた(笑)。最後にレコーディングした楽曲ですね。僕だけバースを先出しして二人に「任せた!」って。

Rover:めっちゃ考えて時間かかったな。今まで歌をやってきたのに「Mic」はラップだから自分らの中にはない表現で。でも自分らの表現の幅としてラップはほしい。でも背伸びするのもダメやな、自分らができるアプローチは何だろうと考えて。自分の中のラップやHIPHOPを表現者として形成する作業だったから、1行のバースに20分くらいかかっていましたね。

HiDEX:僕もこれは一番考えましたね。普段、「こういう感じの曲になるだろうな」と思いながらトラックを作るんですけど、MOCAから予想とは全く異なるものが来たので一旦保留にしました。ピアノがキレイなノリやすいメロディにしたので、「ラップか……違い過ぎるな」って(笑)。

一同:ハハハ(笑)。

MOCA:僕、雨の日に車の中でこのトラックを聴いちゃったんですよ。そこで「なんで雨が嫌いなんやろ」と考えた時、ベリーグッドマン結成前やインディーズ時代の嫌な記憶を思い出すからやと気づいて。雨と鳴かず飛ばずだった頃の自分らを重ねていって思い浮かんだのがこのラップでした。

アルバム『すごいかもしれん』について

ー今回のアルバムタイトル『すごいかもしれん』の由来は?

Rover:「すごいかもしれん」ってよくよく考えると「何が?」って話なんですよ。もしかすると「すごくないかもしれない」という無責任な言葉。でもその感じがめちゃくちゃ面白いし、僕らに当てはまっている感じがある。「知らんけど」と同じですよね。

今の時代、政治のこと国際情勢のことコロナのこといろいろあって、それらを語る上では「知らんけど」「すごいかもしれん」なんて言葉は許されない。でも音楽だけはそれが許されると思う。分からんもんは分からん、でも音楽だけは自由やし「すごいかもしれん」と伝えていきたい。そんな思いがありましたね。

MOCA:いつもアルバムタイトル大喜利みたいなことをするんですよ。アルバムをつくる前にツアーを先に決めてからアルバムを詰めていくんやけど、楽屋で大喜利しながら3人でええやんとなったらツアーとアルバムのタイトルが決まる感じ。一番面白いことを言った人が採用されます(笑)。『すごいかもしれん』も「ベリーグッドマン "チョベリグ" TOUR 2022」ファイナルに、Zepp DiverCityの楽屋で決めましたね。

HiDEX:RoverとMOCAの二人でずっと大喜利をやっているんですよ(笑)。

MOCA:ふざけているように見えて、めちゃめちゃ真剣ですからね!

ー今のお話にもあるようにこれまでの楽曲も『すごいかもしれん』に収録されている楽曲も「明るさ」「前向きさ」というポジティブな印象が強いのですが、楽曲を作る上でこだわっている部分なのでしょうか?

Rover:僕たちの楽曲って「応援歌」と言われることが多くあるけど、それ以外の良さにライブがあると思っていて。その良さを伝えるためには「“ポップ” であり “おバカ”であること」だという持論が僕の中にあるんですよ。そこで認知されたら、マジで歌っている応援歌の聴こえ方も変わってくるだろうという狙いがあります。だから、できる限り楽しくてノリのある曲にしたいという思いで、今回も楽曲を作りました。

ー今、先の見えない不安を感じている人も多いと思うのですが、そんな不安を前向きにさせてくれる楽曲を『すごいかもしれん』から、それぞれ1曲ずつ選んでいただけますでしょうか。

MOCA:僕は「雑草」。夏になる少し前に3人で制作合宿をしに兵庫県の淡路島へ行ったんですよ。そこで雑草が生い茂っている景色を見た時に、「自分たちに合っている」という気がして。以前、とある方に言っていただいた「ベリーグッドマンは負けの美学を持っている」「負け続けてきたからこそ、いま人を感動させられる」という言葉を思い出しました。たしかに自分たちは華やかな音楽生活でもライフスタイルでもない。下町で生まれ育って、地元の居酒屋で呑むような素朴な3人だから、みんなに寄り添えるんやないかなと。雑草みたいな僕らだからこそ、大変な世の中で生きる人たちと一緒に立ち上がれるはず。そんなことを感じてもらえる1曲やと思います。

出典元:YouTube(ベリーグッドマン YouTubeチャンネル)

HiDEX:「君がいない帰り道は」。歌詞は失恋ソングですけど、MOCAが出したテーマとしては「ライブに行った帰り道、余韻に浸ってもらう」イメージだったんですよ。つまり、この曲を聴いて余韻に浸れる、寂しい気持ちになれるのは、ライブがあるから。コロナ禍でライブに行けない状況を乗り越えてきてやっとまたライブの機会が増えてきた。そんな今だからこそ聴いてほしい曲だし、つらいことを乗り越える力みたいなものも感じてもらいたいなと思います。

Rover:めっちゃ悩むけど「いい気分」かな。僕たちの兄貴分であり憧れの存在でもあるDef Techで長年ギターを弾いているNagachoと初コラボという大きな夢を叶えさせてもらった楽曲で。だからこそ必死になって作ったから、制作期間中は1ミリもいい気分じゃなかったんやけど(笑)。でもリラックスしているから良いものができるわけではない。必死で向き合って完成した結果、笑顔になれることもある。そんな僕たちの生き様が象徴された楽曲だと思います。

9月にSENNAN LONG PARKで開催した「ベリーグッドマン 超好感祭 2022 ~史上最強のビーチパーティー編〜」で歌った時も、この時代に気持ちを和らげる材料として聴いてもらえたら嬉しいなと思いました。

10周年に向けたライブの意気込み

ーフリーライブでありながら約15,000人を集めた「ベリーグッドマン 超好感祭 2022 ~史上最強のビーチパーティー編〜」。開催してみていかがでしたか?

MOCA:2019年に大阪城ホールでライブをするという夢を叶えた後、ライブに人をいっぱい入れるだけじゃアカンと思って、面白さだけに振り切った企画として「超好感祭」をスタートしました。最初にUSJ、翌年からはコロナを考慮して車の中でもライブを楽しめる「ドライビングパーティー」を開催したんですよ。それで今年はビーチで何かやりたいと思っていた中、僕らを応援してくれているファンの人に何か還元したい、いろいろな事情があってライブに行けない人たちにも戻ってきてほしいという気持ちもあったのでフリーライブとして開催しました。ただいくら僕らが「無料でやろう」と言っても、事務所的にはお金にならんことにGOを出しにくいやないですか。それでもやらせてもらえたことに、ただただ感謝ですね。

Rover:2023年のメジャーデビュー10周年に向けて「阪神甲子園球場でライブをする」という夢を常々口にしています。コロナ禍でのツアー、僕たち独自の野外フェス「超好感祭」をやり切った。僕らは何かに守られていると思うから、絶対にこの夢を実現させへんとお客さんに対して失礼やなと思ったんですよ。ただ夢を語るだけじゃアカン、お金的にマイナスを食らってでもドカンと行動しようと考えている中での、フリーライブは「大きな夢に向けた出発の船を出すぞ」という決起大会のような感じだったかもしれん。

あとは、シンプルに夏の終わりに海辺でライブをやるという企画そのものはすごく楽しかったです。

HiDEX:以前からMOCAが「フェスをやりたい」と言っていたから、いつかは野外やビーチでライブをやるんやろうなと。だから、ユニバ、「ドライビングパーティー」とライブを開催して今年のSENNAN LONG PARKというのは、徐々にフェス感に近づいている感覚になりました。今後、僕らがフェスをやる時の印象づけにもなったんじゃないかなと思います。

昔よくライブに来ていたけど家族ができてこられなくなった人、今まで音楽は聴いていたけどライブには行ったことない人、名前だけは知っていて友達に連れてこられた人……いろんな人たちが僕らのライブに来る、良いきっかけになったんやないかと感じています。

ー阪神甲子園球場でのライブに向けた一歩として、10月から「ベリーグッドマン"すごいかもしれん"TOUR2022-2023」が開催されます。このツアーに向けた意気込みをお願いします!

MOCA:年に2回ツアーで全国を回って、自分たちもツアー慣れする部分もあるんですよ。でも、毎回感じるのは僕らが何か新しいことを求めて生きているかどうかをお客さんの目の前では誤魔化せないということ。だからこそ、「こいつら生きとんな」というパッションを全員にまき散らしたいなと思っています。

HiDEX:ツアーを開催するにあたってアルバムを制作するけど、リリース当初はある意味アルバムは生まれたての赤ちゃんなんですよ。それがツアーを重ねていくごとに成長していく。お客さんは聴き方・盛り上がり方を掴んで馴染んでいくし、僕らも「この曲はこういう感じだ」と体にどんどん染み込んでいく。それがアルバムの成長に繋がると思っています。今回のツアーもみんなで一緒にアルバムもツアーも育てていきたいですね。そんな子育てがまたできるんやと思うと、喜びを感じます。

Rover:僕、ツアー初日の日の入りの緊張感がめちゃめちゃ好きで、そのためだけに毎回服や靴を買うんですよ。

一同:そうなん!?(笑)

Rover:それくらいツアー命でやってきているんです(笑)。自分たちの作った作品を面白く感動的に伝えたいという表現者としての責務があるから一生懸命やるけど、ちょくちょく垣間見えるスタッフさんやお客さん、メンバーが作り上げた憩いの場を楽しんでいきたいなと思います。

阿部裕華
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